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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
些細なことから始まるストーカー行為、ネットオークションには要注意★
8/31

藤の花に魅せられて~サイドイエロー~

前回は陽の部分、今回から影がみえはじめます♪

跡呂歩洲という土地は遺跡のおかげで、まわりに小さなお土産やさんがたくさんある。

けれど、そんなお土産やさんは代々子々孫々で続いているお店が多く、職場探しで都市まで足を運ぶ子がそれなりにいた。

そんな中のひとりに彼女、須藤(すどう) 黄子(おうこ)はいた。

電車で揺られること一時間、電車内で彼女は趣味であるネットオークションに出品している商品の売れ行きを眺める。

それが彼女の日課だった。

それ以外にもひとつ、はまっている趣味はあるのだけれど、とある理由があって、周りからの批判が怖くてひっそりとやっている。


いつからだろうか、彼女のそんな日々に変革をもたらす存在が現れた。

藤祭りの日、町は遺跡への観光客や祭りの屋台目当ての人たちでかなりの人混みとなっていた。

毎年のことなのに忘れていた彼女は、その日もいつも通りの時間に出社し、人混みの洗礼を受けてしまった。

電車の時間に間に合わせるために町を駆け抜ける彼女。


タタタタタッ

(あと少し…。)

駅舎が見えると同時に電車がホームに走ってくるのが見えた。

(ヤバイ!)

彼女はピッチをあげた。陸上の競技中かといわんばかりの見事なフォームで走る。ICカードの定期なのが幸いしてそのまま改札を走り抜けた。

電車のドアが開き、今でも町を多い尽くさんばかりにひとがいるのに、輪をかけてさらにたくさんの人がおかわりの如く出てくる。

走る彼女の頭のなかにはなぜか、越前ガニとかそんな名前のキャラがでてくる某テニスの少年マンガの得意技がよぎっていた。

そして、降りる人の切れ目を狙ってスライディングで電車の入り口まで迫った彼女は飛び上がった!


ドライブJ!


心のなかでそう呟きながら…。

反対側のドアに突っ込むかと思われたとき、1人の乗客がキャッチしてくれた。

心優しい男性、それが彼への第一印象だった。

お礼を言って、別れるまでおしゃべりをした。

その人はいつもその時間の電車に乗っていたみたいで、それからというもの毎日いっしょにならんで通勤するのが日課になった。


そんな日々がずっと続くと思っていたのだけれど、そうはいかなかった。

ダイヤ変更だ。

その日より電車が合わなくなった二人、彼女もまたネットオークションを眺める日々に戻ったのであった。

数週間した頃だろうか? 今までポツポツとしか売れなかった商品が急に売れていくようになった。

売ることに楽しさを覚えた黄子はどんどん不要な私物を売るようになっていった。

購入者はいつもと同じダークGというユーザーさん。

悪いゴキブリ、という意味ではないのだろう。名前の由来はさっぱりわからないけれど、なんかかっこいい名前なので聞かないことにしている。


数日後、ダークGさんよりネットを通したメールが来た。


『素うどんさんこんにちは、先日買わせていただいたウォークマン、なかなかいい品みたいでしたけど手放してもよかったのですか? 追伸、これからもいろいろ買わせていただきたいので、もしよろしければ直接メールのやりとりをしたいのですが…。』


正直なところ、個人間でのやり取りには戸惑った。

しかし相手はいつも買ってくれているユーザー。もしこのお話を受けなければ、もう買ってくれなくなるかもしれない。

そう考えた彼女は、自身のアドレスを相手に伝えた。


商品を売るとき、必ず写真が掲載される。

こんなものですよという宣伝のためだ。黄子は外で使う器具は外で、なかで使えるものは中で写真を撮るようにしていた。バックが明るい方が商品のイメージがいいかとおもった彼女は、家の中から外へ向いて、その間に商品を置いて撮るようにしていた。

要らないものが売れて、相手も欲しいものが手にはいってウィンウィン♪

ご機嫌な彼女。


そんな彼女のもとへ、一通の封筒が届いた。






ネットオークションをする際には気を付けてください!

さて、次回は解決編!

真実の奥の更なる真実、彼女の秘めているもうひとつの趣味が意外な結末を生み出します。

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地震からめざめると男性だけの異世界でした!

田舎の怪盗夫婦。消えた財布はどこへいった!

上記連載の2作品も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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