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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
ほんのいたずらのはずが…。ホラー要素あり
6/31

いやがらせの報復~後編~☆ミ

後編です!

病院で目覚めて数日後の退院を目前に控えたある日のこと、エミがお見舞いに来てくれた。


「目が覚めてくれてよかったよ。あの日のこと怒りたくても怒れないし、どうしようかとおもった。」

『ぐーすかイビキたてて寝てる腹いせのつもりだったんだ。すまなかった』

「それはまぁこっちも悪かったとは思ってたけど…。あのあと大変だったん…!」

『その前にちょっと聞きたいんだけどさ!』

「…なんだよ。」


言葉の途中に割り込まれて憮然としながらも聞こうとしてくれるエミ。

『エミ、追いかけてるときに、俺たちに電話ってかけたか??』

「かけようとおもったよ…。でも番号は蒼白のしか知らないし、そのお前は運転中なんだから、かけれるはずないだろー! どんどん走ってみえなくなっていくし手元n…。」


(あれ?でもあの時、たしかに3人の電話に掛かってきたよな…。)

言ってるあいだに思い出してきたのか、徐々に怒鳴るように言葉をつむぎ話し続けているエミを前に、蒼白は思考の波に飲まれた。

考えていると、あの電話を境目におかしなことが起こり始めたんじゃないかとすら思い始めた蒼白は、その薄気味悪さに背筋を震わせた。


「…そうやってあの後、なんとか無事に帰って…ってちゃんと聞いてた??」

『あぁ、大変だったな…。』

いかにも聞いていたように返した蒼白であったが、完全に聞いていなかった。

熟考しているあいだにもエミの愚痴は続いていたらしい。


その後しばらくしてエミを見送り、退院の日を迎えた。

先に退院することを報告しにそれぞれ違う部屋にいるという友人たちに会いに行く。

するとひとりは、

『ここで意識をとりもどしてからなんだけど、あの電話の時間になると必ずといっていいほど、誰かの視線を感じるんだ。最初は個室の入り口だったんだ。でも日を追うごとにだんだんベッドに近づいてきてるんだ。もう怖くて最近はその時間になる前に睡眠薬で眠るようにしていたんだけどな…。それも明日には覚悟を決めた方がいいらしい…。』

そういって1本のビンを見せてきた。

中身は空だった。

もうひとりを訪ねると、

『車がガードレールにぶつかって、お前が吹っ飛んでいってしばらくしたときなんだけどさ、ドアノブをガチャガチャする音が聞こえたんだ。助けが来たのかとおもったんだけど、あまりにも人が来るのが早いし、いくら駅近くだったといってもあんなとこ見つけてくれる人なんてそんなにいるはずないだろ? 不思議に思って音のするドアをみたんだ。そしたら…そしたら!!! あああぁぁぁぁぁ!!!!』

突然声を荒げてなにかに怯え始める。

どうしようもないわたしはナースコールを鳴らし、看護師さんに報告して呆然と成り行きをみて、彼が落ち着いたのを確認してから退院した。


おそばせながら友達ふたりも退院したという電話を受けた蒼白たち3人は、ネットで高名な霊媒師のもとを訪ね、あの日のことを相談した。


すると、


『その時、あなた方のもとに掛かってきた電話は、そのエミさんのことを心配したご先祖様が掛けられたものです。一種の警告のようなものだったんですよ。お二人が感じ、見たものはエミさんの生き霊です。お祓い、そして念のため護魔木を炊いておきましょう。』

とのことだった。


そのはなしのとき、ついにあの退院の日に彼らがみたものを聞いてしまったんだ。

薬がなくなった次の日、怖くなって布団の中にこもろうと中をのぞきこむとそこにいたもの…。

ドアノブが開かないと気づいて、わたしが飛び出て割れたガラスより顔をつきいれて、友達を睨むよう見つめていたもの…。

それは、、、


顔が膨れ上がり、鬼のような形相をしたエミであった。



と…。

イタズラ、それは時と場合によっては取り返しのつかないことになることがあります。

あなたがその餌食になるのは、そう遠くない未来かもしれません。









エミはどのようにして自宅へ帰ったのか。

車の中にあった荷物の行方は?

割れたガラスに首を突っ込んだ生き霊は…?


いろいろ謎な点はあるでしょう。

しかしその謎には思わぬ恐怖が潜んでいるかもしれません。



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地震からめざめると男性だけの異世界でした!

田舎の怪盗夫婦。消えた財布はどこへいった!

上記連載の2作品も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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