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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
さぁお立合いお立合い、真夜中の訪問者の続編があらわれたよ♪
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エレベーターの行く先

みなさんはじめまして。

これは私の友人のAくんから聞いたお話です。今のようにSNSの発達していない時で、最後まで聞く前に彼は旅立ってしまったので最後まで語ることはできません。

それを前提に、Aくんの体験談をお聞きください。


私とAくんは、田舎の農村で育ちました。朝学校に行く前に畑仕事を手伝って、学校から帰ってからも手伝って‥。

休みの日には村の神社やら公園の掃除を村人が集まってする。

そんな村でした。


大人になって学校を卒業するときに、Aくんは都会へと旅立っていきました。

農業と一体化しているかのような暮らしに辟易としていたようで、外の世界に彼は憧れていたのです。


それからしばらく何も音沙汰がなかったのですが、数年経った頃にメールボックスの削除をしているとピコンと連絡が来ました。


『久しぶり。ちょっと前に引っ越ししたから連絡してみました。』


まだスマホのない時代だったので、Eメールの新着メール問い合わせをしていると複数のメールが届いてきていたことに気づきました。


『いま住んでるマンションが変なとこでね、20階以上の方以外はエレベーター使用禁止なんだ。だから毎日18階まで仕事の行きと帰りに階段を往復しないといけなくてね‥。ちょっと今日はこっそり使ってやろうと思ってね♪』


近況の報告とかもすっ飛ばしたいきなりな内容だったのでちょっとムッとして返信とかはせずにそのまま私は届いてくるメールを読むだけにしていました。


『意外とルール守らずにこのエレベーター使っているひといるらしくて、さっき地下2階に行ったよ。にしても12ガッだからか流石に寒いね。地下なのに扉が開いて利用者さんが降りるときに入ってくる空気が冷たいつめたい‥笑。』


地下なのに風でも吹いてるのかなー? あ、でも地下は日が当たらないから寒いのかな?

そんなふうに思いながら私はそのメールを眺めていました。


『このマンション、地下20階から120階まであって外観もすごくて前から住んでみたいと思ってたんだ〜。あ、ちなみに今18階まで来たけど何も起こることなくたどり着いたよ。今日は農作業の日だったかな? また連絡待ってます。お疲れさまです。』


そんなメールが届いて、その日から久しぶりに私たちはメール上での交流を続けていました。


あれは、12月の28日のことです。

その日Aくんは会社の同僚の方たちとの忘年会で、千鳥足になるくらいにお酒を飲んでいました。

すっかり毎日エレベーターで過ごすようになっていた彼は、今日もまた管理人の注意をそっちのけでエレベーターへと乗り込みました。


15階に着いたとの連絡が来てから連絡が帰ってこなくなったので、降りたかエレベーターの中で寝たのかな‥とか思ってしばらくゆっくりしているとAくんからメールが来ました。


『うっかり寝ちゃった笑 いま40階みたい。だいぶ飲みすぎたのかかなり火照ってます。ついでだしこのまま屋上まで行ってみるね♪』


『ねぇ、あんまり上まで行かないほうがいいんじゃないの? 早く帰って休みなよ。』


『大丈夫大丈夫! どうせ怒られるんだしこのまま乗っててみるよ。』


『しょうがないなぁ。どうなっても知らないからね?』


それからしばらくして電話がかかってきた。



『Fちゃん助けて! エレベーターが故障したらしくて下の階へのボタンが操作できない! いま50階なんだけどこのエレベーターなんかおかしい! あと冬なのに暑いよ! 』


『管理会社には連絡したの??!』


『暑いのは換気扇が故障しているのかも知れません。その他はあとで調査してみますって言って切られた。』


『じゃあ今すぐ降りなよ!』


『だからボタンが反応しないんだって! いま60階、もうすぐ70なんだけど汗でメガネのレンズが曇って何も見えないよ助けてー!』


『とりあえず床に寝転んでみて。サウナとかだと寝転ぶと楽になるからなんとかなるかも。』


『‥。』


『Aくん? Aくん!?』


そこで彼からの連絡は途絶えました。

後日、Aくんのご両親から連絡があり、彼が亡くなったと思われることを告げられました。


あ、そうそう。

ちなみにサウナって湿度かなり抑えてあるらしいですね。

通常の湿度で彼が体感したサウナの暑さ‥想像もしたくありません。

いまだエレベーターが故障していて屋上まで登れないのだそうです。




ルールはきちんと守りましょうね(*´ω`*)


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地震からめざめると男性だけの異世界でした!

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上記連載の2作品も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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