つながり 前編
涼しくなってきたのでそろそろ書き出したいと思います♪
昔、わたしにはたった1人の息子がいました。
イタズラ好きで活発な我が子。なのにあの子はもう…。
これは、息子が小学校へ通っていた頃のお話です。
あの日、わたしはスーパーでのお仕事をお昼頃に終えて帰宅していました。
普段と何ら変わらない日常のなか、さまざまな物事に触れ日々成長してゆく息子のことに思いを馳せながら、わたしは淡々と家事をこなしていたのです。
小学校では小学四年生から部活動があって、息子は五年生。
なので普段通りまっすぐ帰ってくるのであれば、あと数時間ほどで帰ってきます。
(あの子が帰るまでにできることをしておかなくちゃ…。)
そう思い立った私はさっそくお風呂場の掃除をはじめました。
この家のお風呂には子供が通れるかどうかという大きさの窓が一つあるのですが、窓の外が屋外のためステンレスの格子を施してあります。
もともとは何もなかったのですが、以前に息子がイタズラをしたため、その反省を促すため外に出し、戸の鍵をおとした日のこと、ちょっとした事件が起こりました。
なんと息子は、このお風呂場の窓から入ってきて、何を考えたのかそのままお風呂場に潜伏したのです。いまだ息子が外にいると思っている私は、なにも知らないままお風呂場に入り浴槽にかぶしてある風呂フタを開くと、浴槽の中で体育座りをしてこちらをにらむ様に見上げている息子がいました。
そのときの事が怖くて、私はいまだ浴槽の中を気軽にのぞき込むことができなくなっていたのでした。
事件の日以来、お風呂場の窓には外の景観を見せまいとするような件の格子がせめてもの侵入されることに対する保険とばかりに鎮座しているのでした。
掃除のさなか、シャンプーが切れてることに気づいた私はお風呂から隣の着替えスペースへの扉をでて、すぐ横に置いてある詰め替えパックを手に取りました。
その次の瞬間。
バタン。
振り返ると、すぐ戻るからと思って開けていたはずの扉がなぜかしまっているではありませんか!
この扉は、横へスライドして開けるタイプのものなので、もし風があったのだとしても閉まるということはあり得ません。
突然のことで格子の存在を忘れていた私はなぜか、また息子のイタズラかと思い勢いよく扉をガラッと開け、すぐさまお風呂場の中へととびこみました。
するとやはり息子らしき人影が、窓から外へと逃げようとしているところでした。
「待てーーーー!!」
お風呂場のなか大声で叫んだことにより自分の声がエコーのように響きますが気にしている場合ではありません。急いで窓に駆け寄り、浴槽に片足をかけたわたしはおじぎする様な体勢になりながらも、届けと手を伸ばしました。
(つかんだ!)
確かな手のひらから伝わる感覚に手ごたえを感じてそれを見たところ、そこにあったのは…ただの格子だった。
そう、格子はそのままそこにあったのです。
なら今見たものは何だったのか…。
幻覚…?
それとも、夢?
いいえ、現実です。なぜならいまだ掴んだままの格子から私は冷たさを感じているのですから…。
背筋に伝わる嫌な汗を感じながらも、私は考えました。
(掃除のためにお風呂場へと入ってからすでに1時間は立っているよね…。
いまのが仮に息子だったのだとしても、いてもおかしくない時間帯だけど、いまだに帰ってこないあの子は何をしているのかしら?)
じわじわと感じる妙な胸騒ぎに突き動かされた私は、学校へと問い合わせの電話をすることにしました。
トゥルルル…ガチャ。
《もしもし、豚之角煮学園の名瀬リフです。ご用件はなんでしょうか??》
声の主はどうやら副担任の名瀬先生のようです。
「あのーすいません、小江山 佑志朗の母ですけど…。担任の彩華一番先生はおられますか?」
《彩華先生なら、今日は体調不良とのことで午後からはお休みしておられますよ?》
「あ、そうでしたか…。」
《どうかされましたか??》
「うちの息子の佑志朗なんですが、まだ帰ってきてないんです…。
普段ならもう帰ってもおかしくない時間なので気になってしまって…。」
《わかりました。こちらでも校内にまだ残っていないか探させていただきます。またお電話させていただきますので…。》
「おねがいします。」
《はい、では失礼します。》
11月、だいぶに寒くなってきましたね…。みなさんは体調崩されたりされていませんか?
わたしは昨日、大腸の内視鏡検査を受けてきました。
結果、大量のポリープちゃんたちに巡り合ってしまっていやな寒さを感じた一日でした。
さて今回書かせていただいた作品のテーマは絆としています。
前編にて親子の絆、そして後編の絆は…。
次回はちょっと残酷な? シーンを入れる予定です。
もしよろしければポイント評価、感想をいただけると嬉しく思います。
セリカ




