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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
今回のテーマは歴史。主人公は途中からなんと戦国時代へ!? 恋愛ありTSあり、これまでの作品とは一味違うよ!
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ツクシの怨返し~信玄と謙信1~

その時、幸村はただ呆然と弟が燃えているところを見ていた。


数日前のこと、朝食の席で隆幸()が大助の部屋より外れたドアが階段を落ちてきた。

何事かと思い唖然とする父をそのままに、幸村は大助…弟の部屋へと駆け込んだ。


いない。

昨夜は部活後に友達と遊びにいっているのかと思っていたのでそこまで気にしていなかったが、朝になっても帰っていないということは今までなかった。

警察へと連絡して、数日後の今日、河原で炎に包まれている少年がいるとの連絡を受け来てみると、大助だった。


弟を失った悲しみより呆然としていた彼は、まるで弟がそこにいるとでもいうかのようにゆっくり、だがしっかりと一歩、また一歩と河原の水辺、そして中へと入っていった。

川のみずもまた、まるで泣いてくれているかのように波がある。

やがて彼の姿は見えなくなり、━━━━━━。



失意の念に駈られ水のなかに入り、いつ溺れてもおかしくない深さにきたとき、急に我にかえった幸村。

(このまま死んでしまってはでは父、幸隆は更なる自虐に陥ってしまう!)

そう思った彼は慌てて川辺へと戻ろうとした。

彼がいるのは、顔まで浸かるかと言うほどの水位のところであり思うように進めない。


水が重い。

水が怖い。

あと少し、あと少しで川辺につくと思った彼は走ろうとした。

それがよくなかったのか、水に足元をすくわれ、襲ってきた波の勢いにのまれた彼は体勢を崩してしまった。


━━━━━。

━━━━。

━━━。

━━。

━。



ふと気づくと真っ暗な空間にいた。

自分はあのまま、波にのまれ死んでしまったのだろうか…。

どことも知れないところへ深く、深く沈んで行く。


(あぁ、きっとこのまま沈んだ先にあの世があるのかもな…。)

そんなことを考えていたとき、下から誰かが浮かんでくるのが見えた。


女の子だ。

小学校へ行くか行かないかといったくらいの女の子が浮かんでくる。

浮かぶ女の子。

沈む幸村。

そして二人はすれ違い、幸村は彼女を見送ったのちにまた意識を手放した…。



意識を手放したのち、幸村は一人暗闇の中で閉じこもっていた。

大切な弟を失ったのだ。このまま暗闇の中にいてもいいような気がしていた。

そんな卑屈な思いに駆られていた時だった。

突然誰かの手が、手のぬくもりが幸村に触れた気がして思わずその手の相手を見つめようとした。

(弟が迎えに来たのか?)

今は亡き弟の姿を求め相手を見つめるが、どのような仕組みなのか顔が暗くて全く見えない。

すると、その手がまるで立ち上がれとでもいうかのように幸村の腕をつかみ引っ張り始めた。

(お前のためにここに閉じこもろうとしたのに、大助…。お前はおれに、お前のいなくなった世界でまだがんばれと言いたいのか…。)

真相はわからない。

その相手が大助だという保証なんてもちろんない。

でも…。

(あのようになくなってしまった大助の分まで生きること、それもまたおれのしなくちゃいけないことなのかもしれない。)

そう考えを改めた時、突然暗闇の中に光が差した。

その光はまた一本、また一本と増えていき、ついには幸村のいた暗闇を消し飛ばしてしまっていた。

幸村がそう決意することをまるで待ち望んでいたかのように。



次に目が覚めた時、なぜか幸村は布団の中にいた。

なにかすごく長い夢を見ていたような気がする。

(どれ程時間がたったのだろう? おれは助かったのだろうか?  あの手の主は…一体だれだったのか?)

周りを見渡してみるが、まったく覚えのない部屋だった。

幸村は、もうすぐ川辺だと思って走り出したときにおぼれた。

なら目が覚めた時も川の中か、どこかの岸辺に流されていてもおかしくないのに、である。

今時、川でおぼれているのを見かけてどこかの家庭へ運ぶ人はまずいないだろう…。

だから目覚めてベットということはあっても、布団ということはあり得ないんじゃないか??

そんなことを考えていた時、部屋の入り口が開き、見知らぬおじいさんが入ってきた。


『姫、お目覚めになられましたか??』

(姫?)

不審に思いまた右へ、左へと顔を動かしてキョロキョロとしてみる。

しかし、やはり誰もいない。

『おや? まだ目覚めてはおられないと、それは困りましたな…。』

どうやらキョロキョロして首を振っていたのを、否定だと思われてしまったらしい。

いやそれ以前に何かがおかしい気がする。

このおじいさんは姫に聞いているんだよな?

なんでおれの反応を見て困惑しているんだ…? そもそも、

『姫ってだれ…え…!?』

おもわずつぶやいてしまった。

まあいい。

おじいさんがおれの言葉に反応してくる。

まあいい。

しかし…。

(いまの高い声…、まさか!?)

『お戯れを、姫は姫でございますよ?』

『ええええええええ!!!!! ど、どうゆうことーーーー!?!?』



前略、大助をなくして悲しんでいるおとうさんへ。

大事な息子は、娘になってしまったようです。

しかも女になっただけでも意味不明なのに姫らしいです。


どうか、おれをあの暗闇に帰してください…。


こうしておれは、今の状況どころか、自分のこともわからないまま、新しい人生をスタートしたのだった。





















ブクマ・評価よろしくお願いいたします。

なにげにタイムスリップ&女性化させちゃいました★

なんかいっそ別の作品として投稿しちゃおうかとも思ったのですけど、ここの次話として投稿することにしました。

(また別の機会に、もしかしたら短編みたいな形で投稿してみようかとも思っていますw)


最後の最後、あとがきまで目を通してくださり、ありがとうございました!


セリカ

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地震からめざめると男性だけの異世界でした!

田舎の怪盗夫婦。消えた財布はどこへいった!

上記連載の2作品も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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