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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
婚約したばかりの二人を襲った悲劇…。妖怪が出てきます。
12/32

リア充と丑の刻参り 男の選択

妖怪を出させてみました☆

うっかり下書のときのタイトルで出しちゃってました笑

リア充の末路、丑の刻参りの呪いってタイトル長いので…。

キィィ~…バタン。

キィィ~…バタン。

震える彼女を抱きしめ、男は何が来ても彼女を守ろうと扉を睨み付けていた。


そう、確かに男も震えていた。

しかしそれは怖さからではない。大好きな彼女を守らんとする想いからくる武者震いであった。


ベリベリベリッ!

個室のドアを壊す音がしているとき、扉を見ていた彼はふと誰かの視線を感じた気がした。

「ねぇ、彼女の命と貴方の命、どちらが大事?。どちらか片方だけを助けてあげる。」


視線を感じてキョロキョロしていると声が聞こえてきた。

彼女だ。

震えていたはずの彼女がしゃべっているのだ。

「おい、こんな時になにを冗談言ってるんだ!」

「選びなさい。」

おかしい…彼女はこんな話し方をしない。


「…彼女の命だ。お前は誰だ。」

怪談や妖怪に詳しい彼女ならすぐにわかっただろうが、ホラーに興味のなかったわたしには、コイツがなんなのかわからない。

「質問は受け付けない。貴方が死んで、彼女が助かる。」

不吉な言葉を最後に、彼女は気を失ったのか脱力してもたれかかってきた。

彼女が重石となって身動きがとれない。

そんな時、


コンコンコン。

「花子よ、遊びましょう。」


扉が叩かれ、声が聞こえた。

この声は今しがた彼女から発せられた声だ。

声の主は扉をよじ登ってこちら側へやってきた。

あぁ、女子トイレ手前から3番目の開かない扉、彼女こそがきっと…。

「男はわたしの居場所を壊し、怒りに触れた。だから消した。安心して、彼女は助かった。約束通り、貴方の命を貰う。」

噂に反して見目麗しい彼女に、

トイレの花子さんに、

わたしは○された。









目が覚めた。

おかしい。わたしは死んだはず…。

辺りを見回していると、妙に視線が低いことに気がついた。

訳もわからないまま、わたしは歩く。

どこへ向かっているわけでもないが、なにやら妙な欲が今のわたしにはある。


(この感覚は、このよく分からない欲望はなにを求めているのだろう?)

なにもわからない。

はじめは2本足で歩いていたが、4本での方が歩きやすいことに気づいた。

(あれ? どうしてワタシは、2本でアるいてイタンダ?)

しばらく歩いていると、雀の群れが話しかけてきた。

「あっちに人間の女がいるぞ、あとはお前の仕事だ。」

そういってどこかへと飛んでいった。

わからない。

わからない。

わからない。

ただ本能は雀の言葉に従おうとしている。


本能に身を任せて歩いていると、どこかで見たような人間の女がいた。

彼女も遠目にわたしに気づいたのか、小走りで駆け寄ってくるが、わたしを見ると急に怯え始め、腰が抜けたのか座り込んでしまった。


(タベタイ、タベナクチャ、コイツハスワッタカラエサダ。エサダ。)

「あー…。疲れた。もうちょっと休みたいけどそろそろ行こうかしら。」

(ナンダ…エサジャナイノカ。)

ちょっとガッカリしながら人間の女についていく。

なぜかそうしなければならない気がするのだ。


どれくらいそうしていただろう…。

「ここまで送ってくれてありがとう。」

唐突に人間がそう告げ、わたしの顔になにやら被せてきた。

それはお面だった。


その一言を受け、お面を授かったわたしはその人間の女に興味がなくなった。

「さようなら、わたしの恋人。」


そんな言葉が聞こえた気がしたが、わたしには関係ない。

森へと帰ったわたしは、その後は人間に関わることなく。

天寿を全うするまで、森の木とともにすごしたのでした。













ブクマ、評価よろしくお願いいたします


彼氏さんの彼女を守りたいという願いの強さが、妖怪になって現世にとどまったという感じです♪

さて、このシーン、彼女からはどう見えていたのでしょうか?

それはまた、次のお話で♪






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地震からめざめると男性だけの異世界でした!

田舎の怪盗夫婦。消えた財布はどこへいった!

上記連載の2作品も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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