1:晴海ー7
前回のあらすじ:
保健室にいった但馬を追いかけていくものの
度胸がなく、帰ろうとした際に
鬼○郎とぶつかり、その後、鬼○郎の素顔に迫る
色々あった次の日の朝、
「ハアハア、晴美ちゃん~、早いよぉ~。」
飛鳥は私が歩いていたのを遠くから見つけ、走って追いかけてきた。
汗を少しかいており、それが太陽に照らされて輝いていた。
少し・・・制服も透けて青いブラジャーが・・・。
「飛鳥、見えてるよ。」
「え、ええ~!!」
私は、飛鳥の胸を指差し教えてあげると、胸を隠すように両手で押さえる飛鳥。
それによって持っていた鞄を道路に落とす。
私はその鞄を拾う。
「持ってあげる。」
「晴美ちゃん、ありがとぉ。」
「お~い、お前らー。」
・・・・聞きなれた声が自転車の音と共に聞こえる。
私はそっちに目線を送らず、歩き出す。
すると、その当人が私を追い抜き、タイヤを滑らせながら急停止する。
自転車でやってもカッコ良くないんですけど。
というかこけろ!
「なあなあ、俺さぁ~思うんだけどさ。俺達隣に住んでるのに、幼馴染イベントなくね?」
「はぁ?」
「いやいや、もっと回り見てくれよ~。
幼馴染で隣って言ったらさ~窓越しに会話したり、ベランダつたって部屋の行き来したりするじゃんか。
今まで小学生だからなかっただけかと思ってたんだよ。そろそろ中学生だからしないか?」
「はぁ??」
早川祐は訳のわからない提案を私に求めてきた。
まず家は隣ですが、部屋はあんたの部屋と逆側ですから。
「いいなぁ~晴海ちゃん。私もそんな乙女チックなイベントしてみたいなぁ~。」
「いや、私しないから。」
「おいおい、連れねえな~。別に付き合ってくれとはいってないだろ。少し体験したいだけなんだって。」
「まず、私の部屋・・・あんたの家の逆側だから。」
「あ・・・。じゃ、じゃあさぁ~、毎朝起こしに来て・・・って、おい、置いていくなよ。」
祐の提案に聞き耳を立てるのも馬鹿らしくなった私は、祐を追い抜いて歩き出す。
「祐ちゃん、私がしてあげようかぁ?」
「え、えええええ~。飛鳥・・・いいのか?お、俺、お前等なら抑える自身が・・・。」
「なぁ~んてねぇ☆冗談だよ~、バイバイ~。」
「ええええええ!!」
祐と遊んだ?飛鳥が歩いていた私に追いつくように走って隣に並ぶ。
「飛鳥、祐とは本当喋れるんだね。」
「えへへへ。」
「付き合っちゃえば?」
「え・・・。そ、それは・・・ないか・・な?晴海ちゃんに悪いし。」
「私関係ないし。あ、後、前隠してないからアイツに見られたと思うよ。」
「え・・・きゃあああああああ。」
今更飛鳥は胸を両手で隠し、後ろで硬直している祐を見ていた。
祐は恥ずかしそうに顔をそっぽ向けていた。・・・見たな、確信犯だ。
そして、自分達の教室に入り、ウダウダ時間が経っていく。
チャイムが鳴る数分前に、私の隣に息を切らせた但馬が座る。
「ハアハア、ま、間に合ったか。」
「あんた、いつもギリギリじゃないの。早く起きたらどう?」
「へぇ~、お前の方から話かけてくるなんて珍しいじゃないか。」
「なぁっ!」
「はは~ん、お前・・・俺にぐぅっときたんじゃねえか?」
「そ、そんなわけあるわけないでしょ!」
「いて。蹴るなよ。すぐ手を出すなんて、お前本当に女か。」
「と、ところで・・・昨日の怪我・・・どう?」
「声小さくて聞こえないんだけど。」
「・・・・。」
「わかったわかった。だから上履きを脱いで構えるな。
怪我はたいしたことない。ちょっとした擦り傷だよ。」
私はそれを効いた途端、大きな溜息と共に持っていた上履きを地面に降ろし、上履きを足に装着する。
「なんだ?心配してくれたのか?」
「ば、ばかいわないでよ!!なんで、私があんたなんかに!!」
私はドーンと両手で自分の机を叩き、立ち上がってしまう。
周りの皆がビックリしたような顔で私の顔を見る。
そして、静けさを打ち破るようにチャイムが鳴り響き、先生が教室に入ってくる。
「あ~、三重。お前なんで顔赤くして立ってるんだ?とりあえず、座れ。」






