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1:晴海-2

前あらすじ


晴海は中学の制服を着用し、川沿いの道を歩いて、学校に向かう。

小学生の頃からの友達の飛鳥、幼馴染の祐と出会う。


そして、中学校の校門で、背の高い男子に押さえ、パンツを披露してしまう。

校舎に大きな紙が貼られており、その場所には人だかりができていた。

私と飛鳥もその場所に近付いていく。


「あー、俺、1年C組だよー。」

「おいおい、あの○○様と一緒のクラスかー!

 俺と変われよ。」


「きゃあきゃあ、私達、クラス一緒だね。」

「・・・・あ・・・私、誰も知り合いがいない・・・。」


貼られている紙の中身を見て、喜ぶもの、悲しむもの様々であった。

私も紙の左端に視線を移す。


紙には、クラスが表題のように書かれており、その下に人の名前が書いてあった。

左端から1年A組から始まり、右端はF組となっている。

男子は黒色マジック、女子は赤色マジックで記載されていた。


「ええっと・・・。」


私は1年A組から、赤色マジックで書かれている自分の名前を探す。


A組には名前はなかった。

じゃあ、次はその横のB組。


うーん、ないなぁ~。


私はその次のC組を見ようと視線を右にずらした所、視線に男子の頭が入る。


・・・・・。

見えない・・・。


私は顔を振り、なんとかしてC組を見ようとするが、その男子が他の人達にもみくちゃにされ、私の視界を防ぐ。


・・・・イライラ。


「は、晴海ちゃん、そ、そんなにイライラしてどうしたの?」

「・・・別に。」

「あ、は、晴海ちゃんの名前、こっちの方になかったよ。もう少し右にいこう~。」

「わかった。」


飛鳥は身長が私より高いせいか、視線の邪魔になっていた男子の後頭部には影響されなかったみたいだ。

そして、私は紙の右端が良く見える位置まで、飛鳥に右手を引っ張られてたどり着く。


そこにたどり着く途中、私は人という壁に挟まれて動けなくなり、飛鳥に引っ張ってもらうことになったのだ・・・。こんな所まで、身長が低いというデメリットがでるなんて・・・。


「あっ、あったよぉ~♪晴海ちゃん、E組だねぇ~。」

「う、うん。ええっと、飛鳥は?」

「私は・・・。」


そういうと飛鳥は大きな胸の横で小さくピースをする。

・・・・胸が邪魔で見えにくいですから。


なんのアピールですか。


「一緒のクラスだよぉ~♪よかったぁ~♪」

「ふわぁ。」


飛鳥は私の顔を胸で挟み込むようにハグをしてきた。

い、息がしにくいよぉ~。


私は手をバタバタさせて、苦しいよアピールするが、飛鳥はテンションが上がっているのかやめる気配が見えない。

や、やばい・・・・。


「あの・・・・、そ、そちらの女性、苦しがってますよ。」」

「あっ、・・ごめん。・・・ありがとぉ。」


飛鳥は一人の男性に背中を突かれて、私が苦しんでいる事に気づき、慌てて胸から開放する。そして、教えてくれた男性に、恥かしそうに会釈する。


その男性は、私と同じくらいの背で、髪で片目が隠れていた。

ゲゲゲの鬼○郎みたい・・・。


「ハアハア・・・・、あ、ありがとぉ。」


私はその男性にお礼を言うと、その男性は何かを気づいたように驚いた顔をしていた。


「き、君は金的の・・・。」


そういうと男性はそそくさと、人ごみの中に紛れて消えてしまった。


「え・・・。」


さっき、金的とか言ってなかった????も、もしかして・・・さっきのあれ見られてたのかなぁ。

やばい、私の華麗な中学生活が・・・。


「おーい、晴海~、飛鳥~。」


私の名前を大声で叫びながら、一人の男性が私達に近付いてきた。

土井 祐であった。


「お前等~、倒れている俺置いていくなんて、ひどすぎじゃないか?

 後、俺は何組だ?」

「・・・・・。」


自分の名前を探すのでも精一杯だったのに、お前の名前を探すわけないだろう。

知るかっと小学生の頃なら即答しただろう。


でも、私は今日から中学生だ。

大人の返しをみせて・・・


「あ、A組だったよ。」

「ありがとぉ。ところでお前達は?」

「私達はE組だったよ。」


飛鳥が祐の質問に答えていく。

飛鳥は男性が苦手なんだけど、祐とは長い時間一緒にいたせいか、気兼ねなく会話するくらいには問題なかった。


「ちぃ~、俺だけ仲間はずれみたいじゃんか。まあ、寂しくなったら俺のクラスに顔出せよ。」


そういうと、祐は校舎の方に入っていった。


出すわけないだろうと心から強く言いたい。


私も飛鳥と共に、校舎の中に入り、1階を見渡す。

1年生の教室は1階にあり、A組からE組まであった。

F組はトイレを挟んで少し向こう側にあった。


私と飛鳥はそのままE組の教室に入る。


すると、私の頭の上に新品の黒板消しが落ちてきて、私の頭の上に乗る。

・・・・。


「ぶはははははははは~。綺麗に乗ったぜ~。その頭の谷間は物を挟む谷間かぁ~!」


一人の男子が腹を抱えて机の上で大爆笑し、他の者達も悪いと思いながらも笑っていた。

私の怒りゲージがMAXまで上昇していく。


そして、机で大笑いしている男子に一歩踏み込んだ時、


私の前に一人の男子が現れて、私の進行の邪魔をした。


「やめなさい!!こんなことして恥かしくないのか!!」


こ、こいつは・・・・さっき私の視界の邪魔をした後頭部野郎じゃないか!!





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