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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第1章 始まり
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第十話 女神様

「私の名前はレーアス。この世界の女神をやっているものです。やっとお会いできましたねソラ」


 俺の目の前に美しい銀髪の女性が現れた。

 

「急に出てきてごめんなさいね。驚いたでしょう」


 レーアス様が俺に微笑みながら言った。


「そっ!  そんなことは全然無いです」


 レーアス様に謝られると、こっちが申し訳なく感じるのは気のせいだろう。

 するとレーアス様は、急にしゃがみ込み、俺の顔をジロジロと見始めた。


「やっぱり似てる!」


 レーアス様が俺の顔をペタペタ触り始める。


「えっ!?」


 俺は今度は本当に驚いた。

 レーアス様の雰囲気がガラリと変わったのだ。


「本当にツバサの孫だ!」


 大人っぽい口調から子供っぽい口調に変わっている。

 するとまた、レーアス様の雰囲気が変わった。

 そして、俺の顔を触るのをやめて立ち上がる。


「私が話している時には、話さないでと前に言いましたよね?」

「前言ったって、それ700年前の話じゃん!」


 俺は目の前で起きている事についていけず、唖然と見ていることしかできなかった。


「すみませんソラ、ちゃんと説明しますので」


 レーアス様?  が指をパチンと鳴らす。

 すると、何も無い場所に白くて丸いテーブルと白い椅子が二つ現れた。

 レーアス様?  が現れた椅子に腰を下ろす。


「こちらの椅子にお掛け下さい」


 俺は立ち上がり、もう一つの椅子に座った。


「実はですね、私たちは地球で言う二重人格なんですよ」

「二重人格ですか!?」

「まぁ、私たちは本当に一つの身体に二つの魂があるんだけどね。私達は、二人でレーアスなの」


(レーアス様が俺に何の用なんだ?)


「今日は、ソラに言わければならない事があるのでここに呼ばせてもらいました。丁度教会に来てくれたので」


 レーアス様は女神の像を経由することでしか、人をここに呼べない。

 女神であってもなんでもは知らないし、できないことも多いいらしい。


「言わなきゃいけないことって何ですか?」

「ソラが、オズタートに召喚された理由だよ」


 俺がみんなと同じリフホーネではなく、オズタートに召喚された理由……


「レーアス様が、俺をオズタートに召喚したんですか?」


 レーアス様が「そうだよ」と言って頷いた。


「本来はソラは、あなたの友達同様に、リフホーネに勇者として召喚される筈でした。でも、私があなただけ、行き先をオズタートに変更したのです」


 俺はオズタートに召喚した理由を聞いた。


「それさ、封印されてあった聖剣アルダートを手に入れるためです」


 やはり、聖剣アルダートを手に入れるためだった様だ。

 エートスがオズタートに住み着いていた事は、レーアス様も知らなかったらしい。


「この先、この聖剣は必ず必要になります」


 聖剣が必要になると言うことは、俺が新魔王軍との戦いに参加すると言うことだ。


「俺は……祖父と同じ様に魔王を倒せば良いのですか?」

「そのとうりです。あなたには、巫女の称号を持つ者とともに魔王を倒して欲しいのです」


 今の俺は、聖剣の力が無いと、ただの初級魔法しか使えない初級冒険者だ。

 そんな俺が魔王を倒せるのだろうか。


「強制はしません。ですがあなたの力は、必ず必要になります。どうか私たちに力を貸してください」


 レーアス様が俺に頭を下げる。


「わかりました。魔王を倒せるかはまだ分かりませんが、俺がやれる事はやります」


 幸い今この世界には俺以外にも勇者はいる。

 輝たちだ。みんなで協力すれば新魔王軍も倒せるだろう。


「俺はこれから、巫女の称号を持つ者を探せばいいのでしょうか?」


 俺の問いにレーアス様が首を振った。


「ソラは、普段どうり旅を続けて、そうすれば自然と時は来るから」


 魔王を倒す。

 そんな、大事で大切な使命を俺なんかが成し遂げることができるのか。

 考えれば考えるほど、俺の心に不安がつのる。

 すると、レーアス様が俺に抱きついた。


「大丈夫。ソラはきっと強くなれるから。ツバサよりもずっとね」


 レーアス様は母さんみたいな人だ。抱きつかれただけなのに安心する。


 母さんみたいと思った時、一つの疑問が生まれた。


(あれ?  レーアス様って何歳なんだ?)


 最低でも700歳以上は歳をとっている事は確実にだと言える。母さんと言うより、おばあちゃんではないのか?

 いや、おばあちゃんどころではない。


 レーアス様の俺を抱きつく力が急に強くなった。


「痛いです!  レーアス様!」


 レーアス様は俺を離れる。


「今、私の歳を考えていたよね?」

「かっ!!  考えて無いですよ!  決して、700年以上生きているご老人だなんて」


 レーアス様が頬を膨らませて軽く俺を睨む。


「考えてるじゃん!  私達にはね、歳という概念は無いの! 私達は女神なのよ」


 レーアス様は、必死で歳のことを否定する。

 この話題はいけないと思い俺は、レーアス様に違うことを聞くことにした。


「そっそういえば!  称号ってレーアス様が決めているんですか? 」

「そうだよ。 この世界に重要な血縁関係や実績を残した人。そして、ソラやリーラ見たいに、何か使命がある人が教会で祈りを捧げてくれたら称号を付けているんだ」


(やっぱり、俺にも称号はあるのか)


「そろそろ時間だし、戻ったら見てみてよ」


 レーアス様はニヤニヤ笑っている。


「驚くかもしれませんが、書いてある事は本当のことですので……それでは、また会える日を楽しみにしています」


 レーアス様が消えて、最初にいた教会の部屋に戻った。



 俺はギルドカードの裏を見る。

 称号と書いてあり、その欄には、

【勇者の血筋をもつ者】

【王族の血筋をもつ者】

【異世界から来た勇者】

【女神レーアスに愛されし者】

【世界を救いし者】


 称号か五つもあった。

 しかもその中に、全く心当たりが無い称号がある。


【王族の血筋をもつ者】


(なんだこれ?)

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