地蔵
ある片田舎の山道、その脇道に三体の地蔵が並んでいる。わたしはその三体で一番小柄な地蔵をしている。御利益もない地蔵だけれど、なぜか手を合わせにくる変わり者がこの町には多い。とりわけ、金の無心が多い。切実なものからそうでないものまで 願い事は様々であったがお金にまつわるという点ではみんな一様だ。
そう願っておいて金銀に光る小銭をみんなこぞって置いていくのだから不思議な話だ。
地蔵である私には理解できない。お金が欲しいのならそこにあるではないか。けれど、目の前の山のようになった銭に手を出すものはいない。この前、真に迫る勢いで金をを捨てていった女がいた。女は聞いてもいない身の上話を語り出し、いかに自分が可哀想なのかを私たちに言い聞かせた。
この町にきたが、6才になる息子を残して男は蒸発してしまいら食うに困る着るに困る住むにも困ると散々になっていた。しまいには、息子が学校に行けない、だから神様、金をくれ、そう言うのだ。金なら目の前にあるだろうに、その女も目の前の銭には手をつけない。
やはり地蔵にはわからない。




