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異世界作家生活<なろう連載版>  作者: 森田季節


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巨乳と真剣に向き合ってみた(中編)

「でもさあ、やけに先生に突っかかってるけど、あれって好きな人に素直になれない的なものに見えるんだよね~」


「わたしも怪しいと思うっピー!」


 このピーというのは確実にハーピーのサッサーだな。


「みんなの目は節穴ですう。ミクニにだって選ぶ権利というものがあるのですう。あんなのを好きになるぐらいならコボルトと大恋愛でもしてやるのですう」


 おい! コボルトの男子生徒もいるんだから、言葉選べよ!


「とにかく……余計な詮索はやめるですう……。それに、あの男は……ドワーフと恋愛する気持ちなんてカケラも持ち合わせてないのですう……」


「あれ、それってやっぱり気にはなってるってこと?」


「好きになったら種族は関係ないっピー!」


「しかもミクニちゃん、かわいいもん! 人外系と比べたらハードル低いよ!」


「そうっピー。ドワーフとヒトの夫婦なんていくらでもいるっピー!」


 何、この、中学生が修学旅行で女子の部屋のトーク聞いてるような気分……。


 これ、精神衛生上、あまりよくないな。仕事の手が止まる……。


「本当に恋愛的な話は今はどうでもいいのですう……。小説のほうでいっぱいいっぱいなのですう……。あと、繰り返しますがあの変態教師にはなんら感情を抱いてないのですう……」


 まあ、それが正解なのだろう。


 あいつにあこがれの目で見つめられたことなんて一度たりともないしな。


「変態教師のことだから、今だって壁にでも耳を当てて盗聴してる危惧すらあるですう」


 変な声出そうになって、口を手でふさいだ。


 盗聴じゃないぞ……。聞こえてきちゃうだけだ……。


 あとで声が講師控え室に漏れるか確認に行こうみたいな話になるとシャレにならんので、話題変わってほしい。


 ただ、変わっても困るような話題もある。


「ところで、先生って好きな人いるのかな?」


「シーナさんのこと、狙ってるんじゃないっピー?」


「むしろ、堀松先生とデキてるんじゃない?」


 お前ら、女子の花園だからって好きなように話していいわけじゃないぞ……。

 いや、女子の花園だから好きなこと話していいのかな……。俺が聞いてしまっているという行為のほうが問題なのか。


 しかし、そのあたりで大きな変化が起こった。

 急にざわめきのようなものが消えたのだ。


 なんだ? うるさいからシーナさんが注意でもしたか? むしろ、あの人ならうるさいの推奨しそうだし、違うか。しかも授業中ですらないし。


「数字が気になるよね」

「記録への挑戦なのですう……」


 え、何? 記録ってどういうこと?

「ちょ……ちょっと、皆さん! 静まりかえらないでほしいのですわ!」


 あ、これはおっぱいの人の声だ。

 ああ、静かになった理由、すべてわかったわ。

 同性でもすごい破壊力だよね。


 むしろ、だからこそ興味持つ部分もあるよね。


「レディース。エンド・ジェントルメン――ってジェントルメンはいないですね。淑女の方々、本日のメインイベント、ユサさんの胸囲の時間です」


「シーナさん、変なことを言うのはやめてほしいのですわ!」


「人間とは記録に挑戦し続ける生き物ですから。さあ、今宵新たなる挑戦者がここに!」


「今宵も何もまだ昼食の時間ですわ!」


「ユサ・ミヤケルカ――この法務官の娘が今宵、イケナイ記録を更新してしまうかもしれません!」


「イケナイ記録なんて存在しませんわよ!」


「さあ、ではこのメジャーで測るといたしましょう。タネも仕掛けもありません。皆さんに使うメジャーと同じです」


「もう、とっとと測るのですわ!」

「なお、結果は紙に書いて公開します」

「数字を公開するのはいろいろと問題ですわ! コンプライアンス的にどうなんですの?」

 コンプライアンスって概念、異世界にあるんだ……。


「知りたいという飽くなき探究心の前にはプライバシーなど無力なのです」

「破る側がそういうこと言うのは卑怯ですわ!」

「はい、では測りまーす!」


「あうぅ……くすぐったいですわ……」

「これって女子同士だから、もんでいいですか?」

「いいわけないでしょうが!」

「先っちょだけでもダメですか?」


「むしろ、もっとダメですわよ! 同性でもセクハラはセクハラなんですわよ!」

 この世界、想像以上に人権意識進んでるな。

 そりゃ、日本から引越しても割と早くなじめるわけだ。


「はい、結果が出ました。さあ、皆の者、瞠目せよ! 注目の結果はCMのあとで――ってCMなんて存在しないからすぐ見せますよ! ババーン!」


 また沈黙がおとずれた。

 なぜか俺まで緊張して息を飲んでしまった。

 まあ、数字は見えないんだがな。

 しばらく経ってから感想が次々と届いた。


「か、神よ!」


 神? 神が出てくる事態なの!?


「うぇ~ん! こんなの暴力と同じなのですう! ひっく……」


 ミクニ、泣かされてる!?


「それって、ものすごい魔力が詰まっておるとか、そういう設定なんじゃろう?」


 シヴァ、もはや魔法の世界のことと認識しようとしてる!?


 ほかにも、

「絶対許さない」

「傷ついたので、もうユサの友達やめます」

「絶対あの胸を手に入れるために人を三人ぐらい殺してる」


 みたいな身勝手なものから、


「けしからんとか、そういう言葉では表現できないよ」

「言葉じゃなくて感じてみるしかない」

 などという評価? 寄りのコメントも見られた。

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