プロローグ
本日発売の本、許可得たのでそのまま同時に連載もします。よろしくお願いします!
「みんな、おはよう。講師の長谷部チカラだ。今日も文章の書き方をできるかぎり、やさしく、わかりやすく、教えていくのでよろしく」
「「よろしくお願いしまーす」」
すぐに生徒たちの元気な声が返ってくる。
ただし、いろんな声は一つになったりはしない。
特徴はそのままに残して、混ざり合っている。よく聞くと、それがわかる。
なにせ、こちらの世界に住む人間もいればコボルトやハーピー、サイクロプスもいる。サイクロプスの声は意外と小さい。
「今日は、二ページでショートショート、つまりすごく短い話を作ってもらう」
「「はーい!」」
今度はなかなか統一感のある声だった。統一しなくてもいいけどな。
むしろ個性を伸ばすつもりでいる。
「テーマは自由だけど壮大な話は無理だから、笑える話やオチが意外な話を考えよう」
「「はいっ!」」
「じゃあ、早速やってみようか。制限時間は十分。詰まったら遠慮なく手を挙げろ」
教壇に立つことには慣れてきたのか、俺の声も教師らしく堂々としてきた。
とはいえ、教師一年目なので、この教え方が正しいかはわからんが。
ファンタジー世界とでも言うしかない異世界の国家、アルクス王国。
ここで俺の専門であるライトノベルの書き方について教えること。
これが現在の俺の仕事だ。
ちなみに本業のライトノベルは空き時間に書いている。兼業作家というやつだ。
現在、日本での新シリーズの仕事以外に、アルクス王国初の本格的オリジナルライトノベルを出版するべく、鋭意執筆を続けている。
どうしてこんなことになったのか。
――話は二か月ほど前に遡る。
1話はすぐに更新する予定です!