エタ神さまとなろこちゃんのお話
前回までのあらすじ
大杉なろこは”なうろう”という小説投稿サイトに小説を投稿するひきこもりだ。
そんな彼女の前にエタ神さまという神がやってきた!!
「君が一番小説をエタらした小説家うさ!!
さあ、これからもエタってうさ!!」
どうして彼女の前にそんな神さまが来たのか……それはこの小説投稿された小説の一割およそ2万は彼女がエタッた小説だからだ!!
<第156話 さあ、今までエタッた作品の話をしよう>
「説明するうさ!!
まず、エタるとは……元はエターナル・フォース・ブリザートとかいう技名から来ているうさ!!
説明以上うさ!!」
いきなり説明口調をする年は十代半ばの少女は――うさみみを頭からはやし、髪とうさみみは茶色、その瞳は赤く、服装はなんちゃんて巫女服の改造版<要はミニスカっぽいもの>を着ている。
何を隠そうこの少女は”なうろう”という小説サイトから生まれたエタ神という新規の神である。
エタッた者やそのエタッた作品に遭遇した読者の怨念によって生まれた神だが――その神性は善であった。
どうしてそうなったのか――永遠の謎である。
「それ……説明なってないよね?
まあ、ネットでブブレば出てくるだろうけどさ」
と突っ込みを入れる女性はもうすぐ三十路を迎えるひきこもり――大杉なろこ。
親からははやく結婚して出てってほしいと思われているが……そんな親の懇願なんてどこ吹く風をいったふうにのらりくらりと過ごすしている。
現在、二人は狭いなろこの部屋で、なろこはパソコン前の椅子に座り、エタ神さまは横に立っている。
「さあ、今までのなろこちゃんの作品の軌跡を振り返るうさ!!」
「はぁ……まあ、暇つぶしにいいか」
《作品NO.1 箱犬物語》
あらすじ:ある日、HAMZONでぽちって家に届いたものの箱が犬になった。
ハートフル箱犬物語――感動巨編。
「記念すべき初投稿は犬さんのお話うさかー。
でも、プロローグ一行でエタっているうさ」
「いや、部屋にある箱みて思いついたけど……四角い箱でどうやって犬になるのって考えたら書けなかった」
「それは考えてから投稿するうさよ……なろこちゃん」
《作品NO.35 とある執事の憂鬱》
あらすじ:わたしの大事なマイフェアレディは涙を流している。
理由は婚約破棄されたからだ。
彼女はあったこともないフィアンセのために花嫁修業をして、
「こうすれば喜んでくれますよね?」といつも気になされていた。
ガッデム!!
貧民街で野垂れ死になりそうなところ救ってくださったお嬢様のために奮闘する。
――これは執事の頑張り物語である――
「えーと、これ……プロローグから3話まで”殺したい殺したい”って一話文字数上限までしか書いてないうさよ?」
「……だって執事の気持ち考えると――それしかないでしょ?」
「なろこちゃん……コピペして楽しようと――」
「……コピペしたら楽しくなってしまった。
反省もしてないし、後悔もしていない」
《作品NO.237 謝り続ける女》
どうして、謝らない人が多いのだろう。
だって、謝罪を要求する人物は人ととして下の下でしかなくて、
自尊心を満たすことの対価にしようとしている
本来手に入る価値を下げているのだ
――これは謝り続けた女の話――
「あれ? これってどげ――」
「ストップ!! 確かに参考にはした。参考にした――つまりはオマージュね」
「あ……感想欄にパのつく文字がいっぱいうさ」
《作品NO.2237 ショタ好きじゃないもん!!〜年の差パートナーの異世界放浪記〜》
恋なんて病に過ぎない。
いつかは醒めてしまうもの……。
ああ、どうすればこの病から醒めずにいることができるのだろうか――
告白などして両思いにでもなろうものなら、そこが気持ちの最高点であり、あとは坂から転げ落ちていくだけ。
永遠に恋をしましょう。
――これは○学生のゆう君と私の異世界逃避行物語――
「これって……なろこちゃんの本棚の裏にあった薄い――」
「――おい、うさぎ。
何勝手に人の部屋漁っているんだ」
「あれうさね……犯罪だけは走ったら駄目うさよ?」
なろこちゃんとエタ神さまの狭い部屋での共同生活は――今日も平和であった……まる
<つづく?>