アマノジャク
空は今にも泣き出しそうだ。
涙をためて顔をしかめだした。
道行く人は鞄から傘を出して備えた。
「ねえ、どうして泣いてるの?」
空は何も答えやしない。
ああ、冷たくて気持ちいいな。
ひねくれ者で嘘吐きの天邪鬼しか
僕の心は分かりやしないだろ。
辛いことから逃げ出した僕には
君の心は分かりやしないさ。
「ねえ、どうして泣いてるの?」
僕は何も答えられない。
ああ、君はあたたかいな。
ひねくれ者で嘘吐きの天邪鬼でも
僕の心は分かりやしないだろ?
孤独の温度に慣れすぎた僕でも
君の心に残れますか?