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宴の後と三賢者の招集

「いやぁ、昨日はすげえ盛り上がったなぁ」

 傷だらけになりながらも朝っぱらから気分が高揚しているボウスは、ネイモウ・スパの前で見送りに出て来たヒルヴァレイのメンバーと盛り上がっていた。

「我々はこれからモエ様をボーカルに、『神聖邪教楽団モエルイルイ』として再始動することにしました。これも賢者様たちのおかげです」

 そう言ってケイゼル以下メンバーが深々と頭を下げた。

「いや、そんな、いいんですよ」

 ボウスがケイゼルの肩に手を置いて微笑んだ。

 その横で寝不足と少し騒音性難聴気味になっているルイが不機嫌そうに立っていた。

 そこに人懐っこそうな笑顔でモエが来てルイの腕を握った。

「オニイ、また来てや。まっとるからね」

「あ、あのさぁ、バンド名のモエルイルイは俺の名前から採ったんじゃないよな?」

「今更聞かんといてよ。オニイの名前から取ったに決まってやん。ウフ!」

 モエの一言にルイは急激に一過性のめまいに襲われた。

「マ、マジか、俺の名が邪教音楽団に……」

「ホンマはオニイに残ってほしいけど、しゃあないわ。おとなしくここで音楽活動してるけん、オニイ、またきてや」

「ああ、わかってるよ」

 少し疲れきった表情をしたルイであったが、モエはお構いなしにルイの左腕を握った。

「これ、持って行って」

 モエは自分の右手についていた腕輪を外すと、ルイの左腕にカチャリという音とともに付けた。

「なんだこれ?」

「モエの分身や。これでオニイといつでも一緒や。今度おうた時に、この中におる子がオニイに起こった事を全部モエに教えてくれるようになってんねん」

「お、おい、これ、外れねえぞ」

「いつでも見てるで、オニイ!」

 モエとルイのやり取りを微笑ましく見ていたボウスとテイがルイの肩を叩いた。

「二十四時間行動監視システムか」

「すごいのもらっちゃったなぁ、ルイ」

「お、お前ら他人事みたいな顔してんじゃねえよ!」

 実際、普通に他人事であった。

 一行は王様にチケットを渡すためにセントガルドへ向けて出発した。

「ま、モエがこのパーティーに入ったら、更に暗黒色が強くなるところだったわね……」

 リモンがテイの横に来てニヤニヤしながら呟いた。

「は?」

「ロウ・ニュートラル・カオスで言えばめっちゃカオスって事よ」

 首をかしげるテイの横に割り込むようにレピスが入ってきた。

「リモン、ちょっとどいて! テイ君、見て、あそこにフラミンゴの群れが」

「え?どこですか?」

 いるはずもないフラミンゴを探してテイがキョロキョロとしている後方からはルイとボウスがのんびりとついてきていた。

「ったく、この腕輪どうやって外すんだよ?」

「腕輪で済んで良かったじゃねえか。俺はてっきり『ルイは置いていけ』って言われるかと思ったけどな」

「冗談じゃないぜ。まあ、ついてこなかっただけでもよしとするか」

「そうだよ。ダイナさんのことからもわかるようにさ、新キャラで繋ぐのはもうやめようぜ。動かすの大変だから」

「動かすって、なにをだよ?」

「俺だってわからんよ。いいからこのままで行こうぜ」

 ボウスの言葉に少し疑問を抱きつつも、製作者が『少しかわいそう』と思うくらいダイナの事は一切気にかけていない一行であった。

 その後のヒルヴァレイ音楽隊改め、神聖邪教音楽隊モエルイルイは、激しくてキュートな女性ボーカルの加入で、一気にファンが急増し、その評判も全国に広まる勢いであった。た。

 そして、

 ネイモウスパから帰還して三ヶ月ほどが過ぎたある日、

 三賢者はセントガルドにあるテイの家に滞在していた。

 一階の大きなダイニングテーブルで一行は食事をしており、ルイが『セントガルド通信』なる情報誌を読みながら、その後のヒルヴァレイ音楽隊改め神聖邪教音楽隊モエルイルイの評判が書かれた記事の内容を皆に説明していた。

「という感じで、世の中の不安を吹き飛ばし、忘れさせてくれるような音楽が登場したって評判なんだって。でも年配者は騒音のような音楽が流行るのも魔王復活のせいだって言って憂えているらしいよ」

「全ての元凶はやっぱ魔王ってわけだ……あれ、レピスさん、もう食べないんですか?」

 テイがパンを半分以上残しているレピスに声をかけた。

「あ、ううん。食べる、食べる」

(な、なんで私のせいになるのよ……)

 世間における魔王の評判に対して、相変わらずちょっと憂鬱なレピスであった。

「あー、今日も朝から雨ね」

 外の納屋から食器の入った箱を持って戻ってきたテイの姉、シュレンが玄関から入ってきた。

「ちょっと、お城から手紙が届いているわよ」

 シュレンが一通の封書をテイに手渡した。

「ああ、いつもの依頼かな?」

「この間のライブチケット獲得した特別ボーナスじゃねえ?」

 テイが封筒の中身を取り出して読み出すとルイが期待しながら声をかけた。

「いや、そうじゃない」

「なんて?」

「大事な話があるからセントガルド聖堂に今夜来るようにって」

 テイが手紙をルイとボウスに見せた。

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