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NPCではなく、PCと話してみた。

ストック切れた~

他のも更新しないとだから、続きは時間かかるかも~

次回は、新しいスレが立つよ~

平日なので学校だ。

普通に6時登校。

普通の登校時間ではないが、コレが椿にとっての普通だ。

のんびり歩いていると、朝練をしていた陸上部の部長の山辺 翔が椿に気付く。


「お、椿じゃん!相変わらず早いな~朝練入る?」

「遠慮するよ」

「翠川先輩!?」


一人の後輩女子陸上部が椿のことを見つけて驚きの声を上げると、周りの女子陸上部が騒ぎ出す。

椿はイケメンなのだ。


「きゃぁぁぁぁぁ!!本物!?カッコいい!!」

「好きなタイプは私ですか!?」

「好きです!抱いて!!」

「部長邪魔!!」

「よしお前等、50周追加な」

『えぇぇぇぇぇ。部長最低!』

「……もう50周追加するぞ?」

『走ってきます!!』


そう言って、椿に群がっていた女子達はグラウンドを走り出す。

しかも結構速い。

チラチラと椿を盗み見る余裕もあるようだ。


「元気だな~」

「まったく。ここにも良い男がいるだろうに……」

「寝言は寝て言え」

「なぬ!?」


陸上部副部長の朝霧 夕が、翔を馬鹿にしたように見下しながら近づいてくる。

夕が椿に視線を移すと、何故か尊敬の眼差しを向けられる。

僅かに首を捻る椿。

視線を翔に戻し、罵倒する。


「這い蹲って死になさい」

「何故に!?」

「五月蠅いわよ、ゴミ虫。ごめんなさいね、椿さん。無駄な時間を取らせてしまったみたいで」

「いや、気にしなくていいよ。頑張ってね、夕さん。翔も指示ばっかりじゃなくて走れよ~」

「ありがとうございます!アンタはとっとと走れ!四つん這いになって犬のように走れ!」

「何でだよ!?可笑しいだろ!?椿もこの態度の違いに気付けよ!!」

「屑が!さんをつけなさいよ!!何様!?」

「クラスメイトだよ!?悪いか!?」


ギャーギャー騒ぎながらもグラウンドを走り出す二人。

後輩達の倍の速度で走りながら叫びあう。

そんな二人を見て、教室に向かいながら観想を言う椿。


「……ホントに、夫婦だな」


陸上部部長と副部長の言い争いは、喧嘩夫婦として有名だった。

そんな、朝の話。




◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇




友人が背負い投げされているのを見ながら、放課後の予定を思い出す。

今日は用事もなく、そのまま家に帰れる。

男子が遊ぶ教室で、黙々と掃除をする椿。

掃除の邪魔になりそうな男子は、とある女子が投げ飛ばしている。

友人が二回目の背負い投げを食らった。

掃除も終わったので、クラスメイトに軽く挨拶をして教室を出る。

後輩が手紙を差し出してきた。


「み、翠川先輩!こ、ここここれをお渡しします!良かったら見てください!」


ラブレターを渡される椿。

戸惑いつつも受け取ろうとしたら、一人の男子がその手紙を奪っていった。


「お前だけ彼女持ちにはさせねぇ!!」

「やめんか馬鹿者が!!」

「すまないな御嬢さん。こいつは俺達が片付けるから、頑張ってくれ。ほれ、ちゃんと返事してやれよ」


翔が男子を止め、友人が手紙を椿に渡す。

椿は手紙を読み、後輩を見詰める。


「気持ちは嬉しいけど、ごめんね。でも、友達からなら始められるよ?」

「は、はい!!」


元々断られると思っていのか、友達からと言われてとても嬉しそうな表情の後輩。

ちなみにこの後輩の名前は清水 静乃だ。

何故か三回目の背負い投げをされて、気絶した友人を担いで帰宅。

特にすることもないので、ゲームを起動する。

今日は、町の市場を見ることにしたようだ。

市場はNPCが店を開いていて、武器やアイテムはここで揃えるのが一番楽である。

プレイヤーが物を売る時は、出店カーペットと言うアイテムを借りなければいけない。

一日10000L(リナ)だ。

ポーションの素材である薬草が10Lだ。

現段階でアイテムを売ったら赤字間違いなしなので、アイテム関連の売り物は存在しない。

一次職の鍛冶師見習いになったプレイヤーが、武器や防具やアクセサリーを売っているぐらいだ。

戦闘を楽しんでいるプレイヤーが大抵の出店に集中していて、どんな武器が売っているのか見れない桜だった。

ブラブラ歩いていると、隅の方に客が誰もいないで店を発見。

近づいてみると、店主が美人エルフだった。

居眠りしているようだ。

このゲームは本来、キャラクター種族選択をしなければならない。

ヒューマン、エルフ、ドワーフなど他にも様々な種類の種族がある。

桜の場合は、友人が勝手に選択したデータを桜に渡したので当然知らない。

エルフを観察してみる。

綺麗な金髪と整った顔立ち。

服はヨレヨレの作業着だが、そんな服だからこそ大きな胸が自己主張している。

飢えている訳ではない桜はエルフの観察もそこそこに、並べられている武器を見る。

どれも攻撃力などは店売りのものより弱い。

ただ一点、耐久値のみがかなり高い。

手に取って見たいが、何も言わずに取ると泥棒と間違われないかと心配する桜。

そのまま武器を眺めていると、エルフが起きた。


「ひゃ!?誰!?誰なの!?」

「客です」

「え、そうなの?いらっしゃい~」


ふにゃっとした笑顔で接客してきた。

とりあえず、手に取っても良いかを聞き、了承を得たので剣を持ってみる。

片手で持って軽く振ってみる。

ヒュンヒュンと風を斬りながら、剣先がブレる。


「ほぇ~すごいねぇ~剣補正上昇持ってるの?」

「いや、持ってない。なかなかいいな」


そう言って剣を置き、大剣を持つ。

意外と重かったようだが、持ち方と重心の位置と体重のかけ方を工夫した結果、片手で振っていた。

ソレを見て、口をあけて驚くエルフ。


「すご……え、嘘でしょ?特化しても大剣なんか片手で持てないよ!?なんで!?」

「欲しいけど、金が無いからな……冷やかして悪いね」

「え、あ、その、私の武器、良かった?」

「ん?」


少し不安そうに言うエルフ。

上目遣いで可愛らしい状態だが、特に気にせず感想を言う。


「そうだな、俺は他の武器なんてあんまり知らないが、コレはなかなか使い易そうだった。だけど、少し偏りがあるのか分からんが、違和感を感じたな。もうちょい軽くした方が、一般受けするかもしれんな」

「そっか……うん!ありがと!どうせならお金にしたいけど、どうせ売れないからタダであげちゃう!どれが欲しい?」

「タダでくれるのか?じゃあ全部で」

「……え?」


呆然と桜の顔を見たエルフ。

そして少し考えて、一つの疑問をぶつける。


「もしかして、死神に挑んでたりしない?」

「あぁ、挑んでるな。それがどうしたんだ?」

「うわ~本物だ~フレンド登録してください」

「別にいいけど」


エルフとフレンド登録した。

エルフの名前は、安売りしてるよ!だった。


「ごめん!そっちじゃなくてこっちだった!そっちはスレ用の名前だね」


エルフの本当の名前は、エリーゼと言うそうだ。

桜の名前を見て、フムフムと頷くエリーゼ。

疑問を感じつつも、新しい武器が手に入ったことでホクホク顔の桜だった。

アイテムインベントリを開いて新しい武器を確認していると、知らないアイテムがあった。

黒の魂や深遠の雫といった謎のアイテムだった。

少しだけソレを見詰めて、エリーゼなら何か知ってると思い聞いてみることにした。


「コレ何か分かるか?」

「ん~どれどれ~……おぉう、昨日のイベントの時のアイテムだね。しかも、凄いレアだ。頂戴!!」

「いいぞ」

「やっぱりダメ……え、いいの?」

「その代わり、いい武器が出来たら売ってくれるとありがたい。次までには何とか稼いでおく」

「こんな良い素材なら私のレベルも上がるし、どんな武器でも最高のができるから製作者としてとても嬉しいけど……ホントに私なんかでいいの?エルフの鍛冶だよ?」


レベルが何か気になったが、エルフの鍛冶について考える。

鍛冶師の代表といえばドワーフだ。

魔法使いの代表といえばエルフだろう。

つまり、力のある鍛冶師のドワーフと非力なエルフの鍛冶師の作る武器なら、当然ドワーフの方がいいだろう。

エルフだと、何かマイナスに補正がかかるのだと予想をつけて、アイテムをトレード欄に移動する。


「別に、エルフだろうとドワーフだろうとどうでもいいな。それに、武器をタダでくれたからね。信用できなくても信頼は出来るよ」


柔らかく微笑みながらトレードを実行する桜。

パッと見美人とはいえ、完璧超人な美青年な桜に微笑まれたエリーゼ(24歳独身)は、顔を真っ赤に染め上げた。


「え、えええと、その、ど、どういたしまして……ぶ、武器、で、出来たられんりゃくする、ね……桜、君」

「あぁ、楽しみに待ってるよエリーゼ」


名前を呼ばれてさらに赤くなるエリーゼを見て、最近のゲームは感情も表現できてホントに凄いな~と考えていた。

そして、新たな武器を掲げて死神へと向かっていったのだった。




◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇




今回は、死神のHPを一割削れそうだった。

HPバーは敵にのみあり、数字は書いてないが単純な目安にはなる。

戦闘方法が人間離れしていってるが、ゲームなので気にする必要は無いだろう。


「さぁぁぁぁぁくぅぅぅぅぅらぁぁぁぁぁ!!!」


土煙を上げながら桜に向かって来るフレンがいた。

とりあえず、銃を装備して発砲。

フレンの額に命中し、スライディングのように突っ込んでくる。


「ごほぁ!?」


エリーゼの店で貰ったリボルバータイプの銃だ。

この反動がバックステップにも使えて、かなり良い使い心地だった。

銃は反動が鬼畜過ぎるなどとβテストの時に言われ、絶賛不人気武器だったりする。

そんな銃の反動を利用して、空中で一回転。

フレンの腹の上に両足で着地。

そこで決めポーズ!


「十点!」

「十点!」

「十点!」

「十点!」

「九、いや!十点!!」

「文句無しの満点だ!!」


ワァァァァァ!!と無駄な盛り上がりを見せた。

下敷きになっているフレンは、泡を吹いて気絶していた。

何か用事だったのだろうが、とりあえず邪魔にならない所に寝かせておく。

盛り上がったプレイヤーがいろいろ言っていたが、正直半分も理解できない桜だった。

あげぽよだのなうだの、桜にはまったく意味が分からなかった。

とりあえず、にこやかに笑っておくことにしたようだ。

友人曰く「とりあえず笑っとけ!そうすれば上手くいくから!」だそうだ。


『はぅ!?』

『イケメンが憎い!!』


どの発言がどの性別か、言わなくても分かるだろう。

フレンが起きないので、ログアウトすることにした桜だった。

今日のGM


「殴らせろ」

「なん、だと!?」

「今日の死神戦は……もうちょいで1割削れそうっすね!あの称号が、もう少しで人の手に!興奮してきたぁ!!」

「最近、あんまりいいPVが作れなくてさ~ストレス溜まってんだ。発散させてくんね?」

「だが断る!!」

「遊んでないで仕事してくださいよ」

「会話しながら仕事は基本だぞ?」

「遊びながら仕事が出来ないようじゃ、まだまだだね」

「……主任UZEEEEE」

「ふむ……死神一割削れたら、PVにしていいかプレイヤーに聞いといてくんね?」

「あのね、俺達の仕事はアイテムとかモンスターの事を専門にしてる部署だから。それは情報部の仕事だから」

「あ~悪い。忘れてたわ。じゃあ、今からいくかなぁ~メンドクセ」

「おぉ~十点!」

「何が?……なんと!?十点!」

「お前等、大丈夫か?……十点!」

「「「流石は桜だ。動きが逝かれてるぜ」」」

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