死神戦前の準備と死神戦後の新たな戦い
短いけど出来た。
あと、少し前の話で忘れてたアビリティーの追加とか、誤字修正とかいろいろあります。
なんかもう、どんな話だったのか忘れかけてて、読み返したりして大変だった……
あ、もしまだ忘れてるのとかあったら教えてほしいです。
とりあえず、本編どうぞ~
時を少し遡って、桜が死神の影に勝つ一日前。
桜は、アイリに二日前のアップデート内容の説明を受けていた。
ゲームにログインしなかった二日間の土曜と日曜は、母の菖蒲、友人母の夕香、友人父の斉藤一哉、空、空母の川波蓮花、空父の川波龍雅の七人で温泉に行っていた。
川波家が偶然母二人のいる病院に献血をしに来たことが原因で、このメンバーで行くことになった。
偶然にも全員土曜日曜が開いていたので、どうせならと温泉旅行に行ったのだ。
友人はゲームの為に留守番をかってでた。
温泉では友人父が椿に対して「最近嫁が冷たい……若さが足りないんだろうか?」と相談したり、空父が「娘が無視することがあるんだ……女心は、昔も今もわからんよ……」と愚痴ったりしたが、椿的にはとても楽しめたようだ。
余談だが、二人とも渋カッコイイイケメンである。
女性陣の着替えシーンに遭遇してしまい、夫二人が妻二人に笑顔でボコされたり、空がナンパされてるのを椿が助けたり、いろいろあったが全体的に仲良くなって温泉旅行は無事終了した。
ちなみに友人父は有名会社の社長で、椿のゲーム機器を用意した人物でもある。
空の母は画家で、A4サイズの絵で五十万以上は稼げる凄い人。
空の父は航空機のパイロットで世界中を飛び回ってる。
それはさておき。
アップデート内容である。
「今回は【フィールド・ダンジョンの障害物の追加・修正】【NPC・ボス系統のAI強化】【ステータス表示修正】【新アビリティー追加】【称号設定一部変更】ですね」
「最後のはどんな変更?」
「えっとですね……称号の複数装備化ですね。ステータスを開いて称号を確認してみてください」
「わかった」
桜はアイリに言われた通りステータスを開く。
◇◇◇
ステータス【桜】
職業・初期職【旅人】
レベル・1
アタック・19
ガード・6
マジック・22
レジスト・3
スピード・46
ラック・10
☆装備☆
一覧表示【91】
☆称号☆
【死神に刻みし者】
【未設定】
【未設定】
☆使用アビリティー☆
【空歩・Ⅳ】61/100
【ミラージュステップ・Ⅳ】79/100
【見切り】MASTER
【武器適性・B】37/100
【不壊の極意】MASTER
☆控えアビリティー☆
【眼力】97/100
【速度上昇・LV7】3/100
【強奪】1/100
【気迫】0/100
【気配察知】8/100
【気配遮断】14/100
【管理】0/100
【救助】0/100
【捕獲】0/100
【発見】0/100
採取場所や採掘場所などを見つけられるようになる。
熟練度によって罠なども見分けることが可能になる。
《獲得条件・自力で見つける》
【武帝】0/100
あらゆる武器を使いこなす事の出来る英雄の証。
武器装備時アタック+5%
熟練度によりアタック上昇率変化。
《獲得条件・システムアシスト無しで武器を複数使いこなす》
☆紋章☆
頭部【武器制限解除】
右手【ステップ準備短縮】
左手【熟練度上昇・小】
◇◇◇
桜は結構変わったステータスについてアイリに聞き、ステータスの変更点を知る。
まず、装備について。
桜のには一覧表示の横に【91】と出ているが、これは装備を8以上持っている場合のみ出る様になっている。
つまり、桜は91の装備を持っているということだ。
次にアビリティーについて。
熟練度が数値化されるようになった。
それと、熟練度によって効果が変わるモノにⅡ~Ⅴの数字が付くようになった。
これは、Ⅱが熟練度20~39、Ⅲが熟練度40~59、Ⅳが熟練度60~79、Ⅴが熟練度80~99となっている。
増えているアビリティーは今回追加されたモノで、若干職権乱用した後である。
ただ、普通なら【武帝】というのは破格の性能なのだが……桜は別段ステータス強化に興味が無いので使うことはそうそうないだろう。
そして、桜が知りたがっていた称号については、見ての通り三つ装備可能となっている。
桜の持っている称号は以下のモノだ。
◇◇◇
【蒼穹に挑みし者】
【大海への挑戦者】
【繋ぐ者】
【武神への挑戦者】
【武具の覇道】
【死神に挑む者】
【死神を追う者】
【死神に刻みし者】
【死神に憶えられた者】《獲得条件・死神に7割以上のダメージを与えた》
アタック+90%
マジック+90%
ガード-100%
レジスト-100%
スピード+500
死神のステータス及びAI強化
この称号は死神と戦う時以外効果を発動しない。
◇◇◇
桜は持ってる称号を見て、装備する称号をあっさり決める。
【死神に挑む者】【死神を追う者】【死神に刻みし者】の三つを装備した。
完全に死神と戦う気満々である。
新しい死神称号は、桜的に名前が気に入らなかったようだ。
それから、【武器適正・B】を【気配遮断】へと変更する。
「情報は御役に立ちましたか?」
「あぁ、かなり助かったよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね♪」
ニコニコしているアイリと桜は、傍から見るとカップルにしか見えなかった。
そんなこんなで、男性プレイヤー達から憎しみを受け取って一度ログアウトする桜。
レベル一で死神に勝つのは、明日の御話し。
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
桜が死神の影を倒して向かったのは、光神教会。
いつぞやの女性神官が話しかけてきた。
「貴方様は何時ぞやの……まさか!?資格を、得たのですか?」
「多分?」
「見せていただけますか?」
「別にいいけど」
桜は女性神官に死神の影から手に入れた【資格の証】を見せる。
このアイテムは、死神の絵が彫られた六角形のメダルだ。
「……人の身で、成し遂げられるなんて貴方様は……いえ、私が知るべきことではありませんね。ここに来たということは、試されるのでしょう。どうぞ、先へ」
「あぁ……そう言えば、貴女の名前は?」
「私の?そうですね……もし、貴方様が人を超え、神へと至ったのならば、御教えしましょう」
「良くわからないけど、まだ無理ってことか……じゃあ、行ってくる」
「えぇ、行ってらっしゃいませ。貴方様の未来が幸福であることを祈っております」
女性神官に見送られつつ、前回行った場所へ向かう。
そして、扉の前に立つ。
前は開けることすら躊躇われた扉。
しかし、今の桜に戸惑いは無かった。
扉を開け、その先へ進む。
今まで戦っていた死神よりも、より強い死神に挑むために、一歩を踏み出した。
《資格を得た人よ……汝に試練を与えよう》
最強初心者桜の、新たな戦いが始まった。
レベルは、まだまだ一のままである。
死神戦勝利時の昨日のGMと明日のGM
「さくらくんがいないさくらくんがいないさくらくんがいないさくらくんがいないさくらくんがいない……」
「とうとう壊れたか。まあ、いつか壊れるとは思ってたけどな」
「……ハッ!?桜君キタァァァァァァァァァァ!!!!!」
「あ、元気になった」
「今日も死神と戦、わないのかよ!?ログアウトしちゃったよ!?イヤァァァァァァァァァァ!!!!!」
「ねぇねぇ、もう殺していいよね?ね?」
「……あと五分待ってやれ」
「ざぐらぐん……カムバァァァァァック!!!」
◇◇◇
「死神も倒したし、もう観察とかしなくていいんじゃね?」
「いやいやいやいや!?何言ってるんですか!?これからでしょう!?」
「流石にこれ以上は、法に引っかかる」
「……理由がリアル過ぎません?」
「これが現実ってもんだ。あ、飲み物買ってこい。コーラで」
「俺は玉露で」
「私はアイスティー」
「了解っす……いっちきます」
「行ったな?」
「行ったぞ」
「行ったわ」
「よし、あのクソ野郎が勝手に増やしたアビリティーとか、パソコンからデータ抜いて纏めるぞ。社長に突き出して一週間不眠不休で働かせてやる」
「「異議無し」」
「ククク……恨むなら自分の愚かさを恨むんだな」




