初めてのレベルアップ!と思ったら……
1・経験値はプライスレス
2・変身、だと!?
3・夢落ち
遅くなってすいませんでしたm(_ _)m
もうね、時間が無い、思いつかない、文字数少ない、ダメダメですね。
次回は出来る限り早く投稿できるといいな~
ではでは、本編どうぞ!
第二陣プレイヤー参入から早くも1ヶ月。
3日前に新しくアップデートが実施され、未だに【名も無き英雄の伝説】は大人気である。
そして、今日も今日とて桜は死神へと挑んでいた。
【深淵の樹海】は今、戦場と化している。
そろそろ戦闘回数が死神だけで1000回は超えそうなぐらいの勢いだ。
チャクラム、ブーメランが飛び回り、鎖鎌、鋼糸が木々に絡まり、魔法が発動し、大鎌二つがぶつかり火花を散らす。
桜と死神が、空中で上下左右360度全てを使った人外機動で戦う。
桜は【ミラージュステップ】で自分を四人増やし、5人で死神へと襲いかかる。
死神も影魔法と大鎌で応戦する。
桜は大鎌、剣、槍、大剣、銃、槌、双剣、トンファー、棍、太刀、鉄球と武器を変えながら攻め続ける。
「ハァッ!!」
「■■■!!」
桜の気合の声と、死神の聞き取れない音が混ざり合う。
激しい衝突音が音楽の様に響き渡り、桜と死神が合わせるかのように踊り戦う。
今この時は桜と死神だけの世界。
何人もその世界に侵入することはできない。
「フッ!!」
「■■!!」
桜の戟の一撃が死神に当たると、死神の【死への旋律】が発動して漆黒のオーラを纏う。
漆黒のオーラを纏ったと同時に、死神の顔面に拳を叩きつける。
反動を利用して一旦距離を取り、双剣を構える。
死神が俯き、ユラユラと揺れる。
そして、バッと顔を上げた死神の目の赤い光が桜を貫く。
桜は背後に向かって右手の剣を振るう。
何時の間にか移動していた死神の大鎌と桜の振るった剣が甲高い金属音を響かせる。
桜は左手の剣を死神の顔へ投げつけるが、死神は後ろに下がることで避ける。
しかし、それは桜の罠。
二つのブーメランが死神の手へ、チャクラムが顔面へ命中する。
ほんの僅かに仰け反った死神は、鎖の魔法陣で囲まれたトラップエリアに足を踏み入れた。
MP消費の少ない爆発系の魔法が死神へと殺到する。
ほとんどは死神のローブで無効化されるが、桜の目的である目晦ましとして死神の視界を完全に奪った。
ここで桜は【武器適正・B】を外して付けた【気配遮断】をしつつ、死神を弓で攻撃する。
真上に雨の様に降り注ぐ矢に、死神は桜の居場所特定ができないでいた。
そして、死神の真下に鋼糸で作られた魔法陣が光り、多段ヒット型の【ホーリータワー】の魔法が発動する。
光の柱が立ち死神に五ヒット、つまり五ダメージを与える。
光が消える瞬間に、桜はランスを逆手に持って死神へ投げる。
死神の額へとランスが当たり、顔が空を向く。
ハンマーが死神の顔面に直撃する。
桜は油断せず、一旦息を整える為に距離を取る。
死神は何事も無かったかのように桜は赤い光で見つめ、すぐに襲いかかった。
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
死神が【死への旋律】を使ってから10分後。
死神は【鮮血の断頭台】をすでに使っているが、残りHPが3割に近づいていた。
初見時よりも余裕を持って死神の攻撃を避け、逸らし、防いでいた。
HPが三割を切ると、赤黒い血の様なオーラを纏う。
【残酷なる真実】という死神固有で全ステータス3倍というチートである。
しかし、桜はそれすら超えて見せた。
死神の速さは体感で、強化無しから五倍は違う。
速過ぎて残像が見えるほどだ。
桜は扇を両手に持ち、当たれば即死の大鎌を踊る様に逸らす。
跳んで避けたり、回りながら扇で防ぐ。
死神が大鎌を振り下ろし、桜が避けて地面に刃が突き刺さる。
瞬間、桜は死神の顔へと拳と蹴りを連続で叩きこむ。
拳の基礎スキル【拳衝撃】、当てた相手に一撃からなる三連続のダメージ。
ただし、アタック半分でのダメージ計算となる。
拳の基礎スキル【疾風脚】蹴りから衝撃波を放つ。
蹴りを当てた後にも出せるので、2ヒットを狙える。
蹴りも拳スキルに分類される。
桜はもう一撃当てられると拳を突きだそうとして、何かを感じ咄嗟に後ろへと跳ぶ。
桜が一瞬前までいた場所を死神の大鎌が薙ぎ払う。
ここでお互いが向かい合い呼吸を整える。
死神は呼吸などしてはいないが、AIが今攻撃しても無駄だと分かっているから隙をしっかりと窺っていた。
「フゥ……」
「■……」
呼吸を整えた桜は、一歩で死神の目の前へ移動する。
先ほどよりも激しい戦闘が繰り広げられる。
~それから40分後~
死神も桜も限界に近づいていた。
死神はHPが、桜は集中力が。
お互いに次の一撃が最後だと直感的に察していた。
桜は一振りの刀で居合の構えをとって目を瞑る。
死神は赤い光を揺らめかせながら、大鎌を横薙ぎする様に構える。
一切の音が無くなる数秒の静寂。
何かを合図にするでもなく、桜と死神の両方が同時に動く。
一瞬の交差。
桜と死神は互いに武器を振り抜いた状態で背中合わせになり、一切動かない。
そして、均衡を崩すように動いたのは、死神の大鎌だった。
最初にパキッという音から罅割れ、その罅が次第に大きくなり大鎌全体に至る。
そのままガラスが砕けるかのように、大鎌が砕け散った。
赤い目から光が消えていき、倒れた死神のローブが影にしみ込むように消え、死神の頭蓋骨のみが残る。
これは演出の一つで、死神は倒されると大鎌から消えていくようになっているのだ。
それ故に今回勝てたと言える。
「……やった?……やっと、やっと勝ったぁぁぁ!!」
このゲームを始めてずっと戦い続け負け越してきた死神に、やっとの思いで一勝することができた桜。
流石に疲れたのか、地面に大の字で寝っ転がる。
桜は一分ほど空を眺めた後、死神の頭蓋骨を触ってみた。
すると今までと違ったクエストが発生した。
◇◇◇
シークレットクエスト【神へと至る者】2/12
死神の影を倒したアナタは資格を手にした。
その資格が一体なんなのか知る為、アナタは真なる死神を探し始める。
進む先に何が待ち構えているのか、それは誰にもわからない。
1.死神の影を倒す【クリア】
2.クエストアイテム【資格の証】の入手【クリア】
3.真なる死神と出会う【未達成】
4.???【未達成】
5.???【未達成】
6.???【未達成】
7.???【未達成】
8.???【未達成】
9.???【未達成】
10.???【未達成】
11.???【未達成】
12.???【未達成】
◇◇◇
以上がクエスト内容である。
今までプレイヤー達に認識されていた死神は、死神の影であり倒しても専用の武器防具素材少量とランダムでクエストアイテムがドロップが手に入るだけなのであった。
つまり、どれだけ倒しても経験値が手に入らない。
なので、桜のレベルは未だにLV1のままである。
それはさておき、桜はクエスト内容を見て真なる死神について心当たりを思い出していた。
光神教会の地下の死神だ。
「……よし!」
桜はやりたかったことはやり終えたので、次の目標として今出たクエストクリアを目指すことにした。
とりあえず、疲れたのでログアウトするのだった。
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
電話にて友人に戦勝報告をする椿。
「やっと死神に勝ったよ」
『……え?今なんて言った?』
「ん?だから―――」
『呼んでるんだから返事ぐらいしろ!』
『げっ!?いきなり入ってくんなよお袋!』
『ん?電話してるの?もしかして、椿ちゃん?代わりなさい!』
『今俺が話して、やめ、ちょ!?』
『もしもし椿ちゃん!』
「はい、椿です。夕香さん、どうかしたんですか?」
『あぁ!ごめんね?うちのバカにやってもらいたいことがあるから、今すぐの用事じゃないならまた明日学校で話してもらえる?』
「あ、わかりました。なんだかすいません」
『いいのいいの!こっちこそ邪魔しちゃってごめんね?あ!また一緒に買い物行きましょうね♪』
「えぇ……女性下着がなければ」
『ふふ♪了解♪またね♪』
「はい、また」
椿は何事も無かったかのように携帯を置き、眠りにつくのだった。
今日はグッスリ眠れそうだと思う椿だった。
今日のGM
「流石桜君!俺達に出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!」
「うっわ……ホントに人間か?嘘だろ?こんなゲームを作った覚えはないんだが」
「生まれてくる世界間違ってないか、桜君」
「今日こそ!今日こそいける!!やるんだ桜君!奇跡を見せてくれ!!」
「コイツはコイツでウゼェ」
「ちょっとトイレ行ってくる」
「フォォォォォ!!!いいよいいよ!そのまま攻め立てろ!!ヒャッハー!!」
~四十分後~
「いける……ホントにいける」
「死神は、残りHP1じゃん」
「全員集合!ついに糞難易度のクエストが拝めるぞ!」
『わ~』
「いけ、いけ、いけ……………いったぁぁぁぁぁ!!!」
『おぉ~』
「マジか……アレって勝てるのな」
「絶対無理だと思ってたわ」
『同じく』
「感動した……もう、思い残すことはないっす」
「それじゃあ、仕事しよっか♪」
『あ、所長だ』
「アップデートで死神調節しろって、言わなかったっけ?」
「ななななんのことかわからないでござる!?」
「そっかそっか♪じゃあ、今から死ぬ気でやれ」
「了解賜りましたぁぁぁぁぁ!!!」
『……コワ』
「まったく……皆も仕事仕事!」
『は~い』
「ふぅ……桜君ね。なんか、どっかで見たことある気がするのは気のせいかな?まあいっか!サボらないようにね~」




