PVPトーナメント・一戦目&二戦目前半
今出来たので投稿しちゃいました♪
次回は二戦目後半です。
三戦目はその次。
桜は、四名ほど知ってる名前がトーナメント表にあったことに少しだけ驚き、控室に戻って精神統一を始めた。
何故精神統一をするのかと言うと、10分間一切身動きをしないければマジックが+1されるからである。
そして、二十分経過後にアナウンスが入る。
《第四試合の選手は転移ゲートの前にお立ちください》
桜はアナウンスに従って転移ゲートの前に立つ。
パパッと前試合の勝者を確認。
一回戦はレミエール・S・K・ルシフェル、二回戦は勇者、三回戦はフレン。
つまり、ここで桜が勝てばフレンとの戦闘である。
桜はゲーム内で普段からフレンをボコボコにしているが、フレンと戦うことをかなり楽しみにしていた。
その理由は、フレンの特技に関係しているが、今は目の前の相手をかたずけることを優先する桜。
一度目を閉じ、開く。
すると、転移されて闘技場の舞台の上で、対戦相手のアッシュと向かい合っていた。
「それではぁぁぁ!!注目の第四試合を始めるっすよ!!赤コーナー無名なれど、提示版では有名人!アッシュ選手だぁぁぁぁぁ!!!」
《アッシュさん頑張って!》
「今の音声は、提示版にてアッシュ選手をいつも見守っているプレイヤーさんっすよ!!顔見せはアッシュ選手に会い辛くなるとかでNGっす!!音声だけでお送りしちゃってるっす!!ちなみに、男の娘っすよ!観客の皆さん一言!」
『もう付き合っちゃえよ♪』
「ちょ!?お前ら待て!!」
「君の一言は求めてない!!というわけで、青コーナー紹介行きますよ!」
「えぇ!?」
「青コーナー!死神狂いと名付けられ、チートスペックなプレイヤースキルで一撃必殺!桜選手だぁぁぁぁぁ!!!」
『わぁ―――』
『キャァァァァァ!!!』
「女性プレイヤーの絶叫で鼓膜が破れそうっすね!!はいそこの男性プレイヤー諸君は壁ドンしない!それでは、両者準備はOKですか!?」
「死ぬ準備なら出来た!!」
「何時でも」
「了解!レディーーーファイトォ!!」
「ファ!?」
司会者の合図とともに、アッシュの顔面が燃えた。
桜の魔法である。
ゲーム内なので火傷は状態異常として以外にはならないのが、それでも人間として反射で目を瞑ってしまう。
そんな隙を桜が逃すわけも無く、鋼糸をアッシュの足に巻きつける。
転ばせながら足下に引き寄せる。
流れるような動作で眉間にレイピアを突き刺す。
アッシュが何かを言う前に、開いた口の中に【ファイヤーボール】を放つ。
そして、ハンマーを振り上げて、顔面に叩きつける。
桜はここで一回距離をとる。
この間、約10秒。
「な、な、なんだ今のわぁぁぁ!!スムーズ過ぎて何が何だかわからなかったぞぉぉぉ!!やった桜選手が凄いのはわかりますが、やられたアッシュ選手はトラウマになってないかぁ!?」
「もうおうちかえる……」
「完全に戦意喪失だぁぁぁぁぁ!!!だが彼を責めることは、今この場にいる誰にも不可能でしょう!!これ以上の戦闘はアッシュ選手の心が壊れる可能性があるので、レフェリーストップです!!」
『うわぁ……』
《アッシュさん……今からお見舞いに行きます!》
こうして、桜のトーナメント一回戦は終了した。
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【レミエール・S・K・ルシフェル】VS【勇者】の戦いは、ギリギリでレミエール・S・K・ルシフェルの勝利となった。
そして、これから【桜】VS【フレン】の勝負が始まる。
「青コーナー!予選時にかなりせこいことをやっていたが、しっかりとした実力を持っている!最前線攻略プレイヤーにして剛斧破砕のフレン選手だぁぁぁ!!」
「フッ崇めるがいい!!」
『ひっこめフレン』
「お願いだから、せめて声にもっと力入れて!凄いガチっぽくてへこむから!!」
「対する赤コーナー!予選では圧倒的なプレイヤースキルで多くのプレイヤーを薙ぎ払い、トーナメント初戦では相手選手にトラウマを植え付けた!我らの死神狂い……桜選手だぁぁぁぁぁ!!!」
『うわ―――』
『キャァァァァァァァァァァ!!!!!』
『桜様ファイト!!』
「黄色い声が凄いっすね!!はいそこ男共、イライラしない。舌打ちもしない。涙は流してていいからさ……え~では仕切りなおして、さぁ、これから始まる試合、どうなるのかしっかりとその目に焼き付けるっす!それじゃあ!バトル、スタート!!」
「そう来ると思ったぜ!」
桜は開始の合図と同時に鞭をフレンへ薙いだが、それを予想していたフレンはバックステップで回避する。
が、フレンが予想できるように桜もこうなることは予想できていたどころか、そうなるようにしていた。
フレンがバックステップをしたことにより、約一秒間の回避不可の浮遊状態に入る。
鞭を薙いだ時に足に溜めをしていた桜は、一秒の隙を突く為に【ソニックステップ】でフレンの目の前に移動する。
「ゑ?」
フレンはカチャという音を聞いた。
桜はフレンの顎に、銃のリボルバータイプを構えていた。
そして、桜は引き金を引く。
反動で腕が下がる前に武器を大鎌に変えて、刃をフレンの肩に乗せる。
リボルバーの一撃を顎に受けたフレンは、必然の様に上へ飛ぶ。
そのまま肩に置かれ大鎌の刃が、フレンを切り裂く。
桜は大鎌を手甲に変更し、フレンの真下になるように移動する。
未だに飛んでるフレンの背中を、真下から拳で打ち上げる。
桜はフレンが落ちてくる前に、舞台に鎖で魔法陣を作り上げる。
現在使える全MPを消費して発動した魔法は、上級の攻撃魔法【ガイアドライブ】というもので、この魔法は魔法陣内の地面を無数の特大針山にするというものだ。
本来ならスピードの無い大型のモンスター用の魔法である。
フレンがこのまま落ちれば、石で出来た巨大な針に突き刺さるだろう。
だが、桜は針山を足場にしてフレンが突き刺さる前に鳩尾に鉄球を当てて吹き飛ばす。
桜的にはこの魔法はただの地形変更でしかないので、無意味に突き刺さられると時間がかかるから突き刺さらないようにしただけだ。
吹き飛んだフレンは、変わり果てた舞台の上にやっと立つことができた。
吹き飛ばされつつ寸前のところで体勢を立て直すことができたので、今立っていられる。
一方的にやられているようだが、他プレイヤーよりはかなり耐えられている。
いくらVRゲームだとはいえ顎、背骨、鳩尾への連続攻撃を浴びて、立っていられるということが普通ではないのだ。
これも、普段の生活の賜物である。
「ヤバいこれ、リアルちびってるわ」
まあ、耐えられるからと言って我慢できるとは限らないのだ。
足をガクガクさせながらも、ここでやっと武器を構えるフレン。
「ちょっとは手加減しようぜ?」
「?してるぞ」
「OH……それ、本気で言ってんのか?嘘だよな?嘘だと言ってよ、バー○ー!」
「誰だそれ?嘘じゃないんだけど」
そう、ここに至るイベント中、本気を出していない桜だったりする。
死神とLV1で渡り合うプレイヤースキルというのは、本気を出せば現段階のプレイヤー程度のステータスなら、首を一撃で落として即死させることぐらい造作もないのだ。
「ふむ……もう少し加減するか?」
「お願いします!!」
桜の手加減発言に、恥などいくらでも!というようにフレンは答えた。
お互いに武器を構える。
そして、二人はぶつかり合った。
今日のGM
「生き生きとしてるアイツを○したい」
「永眠させてぇ……」
「書類が1029枚、1030枚、あ……数え間違えたぁぁぁぁぁ!!!また初めからだぁぁぁぁぁ!!!」
「桜君すげぇ……てか、こんなことできるんだ」
「へぇ~今度のアプデ、状態異常に気絶とか追加してみようかな?」
「誰か~コ~ヒ~砂糖とミルク10個で……」
「入れすぎですよ」
「すいませ~ん。あの、こちら直接配達するように言われて持ってきたんですけど」
『あぁ、この前の助っ人君ね。今日もよろしく』
「え?……ゑ?」




