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アップデートするらしい。

久しぶりに投稿。

私用が、終わらない。

ちなみに、今回は少し変な感じになってるかもしれませんが、気にしたら負けですよ。

ではどうぞ~

クエスト終了後、桜達は広場の噴水に集まっていた。

今回のクエストについて、というより桜について話し合っていた。


「まあ、なんというか……」

「流石死神狂い」

「かっこよかった」

「流石リアルチート!強すぎワロタwww」

「予想より早く終わり過ぎて、暇になったな」


オタク男子二人以外は、普通に凄いと思っている。

桜はそんな五人の会話を聞きながら、周りの出店を見渡す。

すぐ傍で鉱物を扱っている店に近づき、鉱物を物色する。

店主であろう猫耳に尻尾の生えた獣人の少女に話しかける。


「鉄系の鉱物って、どれですかね?」

「ニャニャ!御客さんニャ!ここにあるのは、全部鉄系ニャ!」


この人は、何で変な喋り方をしているのだろう?と思いながらも、どの鉱石が良さそうか見てみる。

素人が選ぶものよりは、店員さんのオススメの方がいいかもしれないと思い、猫店員に聞いてみた。


「鍛冶師が欲しがりそうな鉱石は、どれだろうか?」

「鍛冶師ニャ?それニャら、真ん中に置いてあるのがいいのニャ!+付きニャから、きっと欲しがるニャ!」


+付きとは、普通のものよりも効果が高いのだ。

例えば、普通の鉄鉱石で剣を作ると、攻撃力50~65程度だ。

鍛冶師によって出来た物の良さは変わるが、そのぐらいだろう。

鉄鉱石+で剣を作ると、攻撃力60~80ほどになる。

ただし、+付きはアビリティー【レアモノハンター】を装備し、ラックが高くないと手に入らない。

なので、+付きはあまり出回らないのだ。

ちなみに、何故売れていないかというと、純粋に値段が高いのだ。

しかも、+付きは5つで1つのインゴットにしなければ、何の役にも立たないのだ。

だが、今桜の目の前にあるのは、素人目に見ても黒の色が濃く、ツヤのある鉄鉱石で、間違い無く良い物だ。


「ありがとう、参考になったよ。それじゃあ、真ん中の全部貰えるかな?」

「どういたしましてニャ!でも、全部ニャ?値段が凄いニャよ?」

「さっきクエストクリアして儲けたから、多分大丈夫だと思う」


クエストクリア報酬は、パーティーメンバーにランダムでレア武器ドロップと30000Lだ。

初クリア時のみの報酬なので、次の報酬は10000Lと回復アイテムだ。


「そうかニャ!じゃあ、1個500Lの鉄鉱石+を50個ニャから、25000Lニャ!」

「結構高いんだな。はい」

「毎度ニャ!こんなに買って貰えるとは思わなかったニャ!少量ニャけど、低級魔鉱石+もいるニャ?鍛冶師ニャら、きっと欲しがるのニャ!」

「ありがたいが、5000Lしか残ってないよ」

「カーペット代は、もうゲットしたニャ!10個で3000Lで良いニャ!あと、御得意様になってくれれば、言うことなしニャ!」

「じゃあ、フレンド登録でもしようか。あと、はいお金」

「毎度なのニャ!また来るニャ~」


尻尾を立て、手を振る猫少女。

桜は、フレン達のところに戻る。

桜に、男達からの嫉妬の視線が突き刺さる。

ちなみに、猫少女の名前はタマさんとなっていた。


「なんだ?」

「畜生、リア充め……」

「羨ましい羨ましい羨ましい」

「何でゲームの中でまで……」


訳も分からず首を傾げる。

桜は気を取り直して、アリスと花吹雪にこれからどうするかを尋ねる。


「狩り、行く?」

「特に予定も無いし、いいんじゃないの~」

「そうだな……ん?」


二人の言葉にどうするかを言おうとしたら、一通のメールが届いた。

差出人はスカイのようだ。

見てみると『死神関連の隠しクエスト見つけたんだけど……やる?』と書かれていた。

桜の予定が決まった瞬間だった。


「急用が入った。行って来る!」

「ん」

「いってら~」


男三人は何故か歩いていたプレイヤーを捕まえて、最近のアニメについて談義していた。

そして、走って行く桜を見ながら花吹雪が呟く。


「良い笑顔、しやがって」

「そうだね」


とても嬉しそうな笑顔で走る桜を見て、女子プレイヤー達が行動不可になったのは、別の話。




◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇




「あ、こっちこっち!」

「死神関連のクエストって?」

「早速本題なんだ。まあ、いいけどね。ここの教会の地下で受けられるみたいだよ」


教会は、場所によって種類が変わる。

ある所では、火神を信仰する教会。

ある所では、水神を信仰する教会。

信仰する神によって、能力値の上昇値が増えたり、属性魔法が強くなったり、属性耐性が上がったりする。

ただし、この信仰にもレベルがあり、自身の信仰する神の教会に行って、五分間祈りを捧げないと経験値が入らない。

ちなみに、ここの教会は光神教会だ。

そして、光属性はβテスト時代に使い難さが異常で、不人気だ。

最初に使える魔法が【ライト】という明かりを灯すだけの魔法しかないのだ。

次に覚える魔法も【シャイン】という不死系にしか効かない魔法だったり、光属性はかっこよくて強いという幻想を打ち砕かれる仕様だ。

桜とスカイは、一緒に教会へ入る。

すると、女性の神官が話しかけてくる。


「この教会に何様ですか?」

「地下に行きたいのですが」

「……止めておいた方が良いですよ」

「NPCにも止められる難易度か~どんな内容かやっぱ気になるよ」


スカイは、クエスト内容を知らない。

とあるクエストをやっていて、そこから断片的に集めた情報で、この教会に死神関連のクエストがあることをしったのだ。

もっと簡単に言うと、暇だったから情報収集していたら見つけた。


「それでも行かさせてもらう。死神は、俺の獲物だ」

「ッ……わかりました。着いて来て下さい」


神官に促され、鍵の付いた扉の奥へと入る。

下へ向かう階段を下りていく。

階段が終わると、一つの扉のある部屋に着いた。


「あの扉です。どうか、お気をつけてください」


それだけ言うと、ここに長く居たくないとばかりに階段を上っていく。

それを見届け、扉に近づく桜とスカイ。

近づくと、ドアの隙間から謎の黒い靄が溢れているのが見える。

明らかにヤバイ扉だった。

それでも、危ない扉が在ったら開けたくなるのがスカイであり、死神と戦いたい桜の二人がとる行動は、予想しやすい。


「開けるぞ」

「何時でもオッケー!」


それぞれの武器を持って、扉を開けた。




◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇




「……」

「……」

「なんだったんだろうか?」

「さぁ?」


死に戻りで広場に出た桜とスカイは、呆然としていた。

扉の向こうで、二人に何があったのかを見てみよう。



~扉を開けたところ~



扉の向こうには、死神がいた。

だが、襲い掛かってくる様子が無い。

不思議に思い、桜が一歩近づくと声が聞こえてきた。


《汝、資格有る者か……》

「資格?」

《汝からは、資格を感じられぬ……》


死神の動きがブレる。

スカイは反応しきれず、その首を飛ばされる。

桜は、何度も見たことのある攻撃だったので、ギリギリで避ける。


《資格無き者が、何故抵抗できる……》

「慣れだ」

《資格を持たずに、我の力を求めるか……》

「力?そんなものいらん。俺はただ、死神を叩きのめしたいだけだ」

《分からぬな……》


死神が、自身の鎌をユラユラと振り子の様に振る。

それを見た桜は、恐怖していた。

その行動は、一度も見ていない。

つまり、この死神は……今までの死神とは違うことを示している。

何かされる前に離れようとするが、入った部屋が密室になっていた。

扉が、無くなっていた。

避けようにも、今までの森と違い、限られた空間で死神から逃げるのは無理だろう。

そして、桜の勘が告げている。

この攻撃は―――


《資格を持って、また来るが良い……》


部屋全体(・・)が、黒き死神の鎌にて、切り裂かれた。

そして、桜はスカイと合流。



~広場にで茫然自失中~



「アレは、無理かもしれん」

「私には、最初の時点でアウトだよ」

「今日は、もう終わらせる」

「そっか。明日はアップデートだね」

「アップデート?」

「知らないの?なんか、緊急アップデートだって。やっと正式サービスし始めたのに、もうアップデートしちゃうのって感じだけど」

「そっか。まあ、いいや。また明日」

「うん。また何時ものとこでね~」


桜はログアウトし、少し考えてから携帯を取り出す。

メールを打ち、送信。

メールの内容は『奥が深い』で、宛先は友人。

椿は携帯を置き、母親の手伝いをしにいった。

椿がいなくなった後、携帯がメールを受信する。

その内容は『意味が分からないから!?』となっていた。

そして、桜のレベルは何時上がるのだろうか。




◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇




今日はアップデートの日なので、ゲームはお休みだ。

桜の日常は完璧なので、友人の日常を見てみよう。


「朝飯~」

「もう、だったらもっと早く起きなさい。はい、お弁当とおにぎり。学校に着いたらおにぎりでも食べなさい。あ、椿君にも食べさせて、感想聞いてきてね♪」

「……クラスメイトと不倫とかやめてくれよ」

「ま!何を言ってるのよ~そんなことする分けないじゃない~」

「……行ってきます」


顔を赤くしてクネクネし始めた母親を放置し、学校へ向かう。

学校に着くと、最初にすることが椿の下駄箱及び机チェック。

女子からのラブレターが良く入っているからとか、男子からの不幸の手紙が偶に入っていては翌日血文字でごめんなさいを羅列させられている手紙が入っていたりするから、といった理由からの確認ではない。

椿の評判を貶めるためか、○○本が入っていることがあるのだ。

女子も、それで椿が女性に興味を持つならと黙認していたりする。

コレを漁って、ニヤニヤするのは止められない日常になっていた。


「……お前」

「た、田中!?これは、その」


田中慎冶(しんじ)という男で、生徒会書記というインテリメガネだ。

何時もは、見つけた本を持ってトイレに直行するのだが、今日はおにぎりがあったのだ。

そのせいで、田中に見られてしまった。

友人は考える。

こいつを、殺すべきか?と。

だが、田中は溜息を一つ吐き、自分の席に座る。


「な、なんで……」

「理由なんて無い。それに、それを入れてる奴に心当たりがあるから」


予想外の行動と言葉に混乱する友人。

生徒会が、そんなんでいいのか?

でも、見逃してくれてありがとう!

と言う訳で、トイレに直行した。

先客と一緒に興奮したった。

そして、放課後。


「椿」

「なんだ?」

「コレいるか?」


そう言って、友人はブックカバーを付けられた本を椿に差し出す。

そう、友人達がハッスルした本だ。

なんとなく嫌な予感がした椿は、拒否する。


「いらない」

「そう言わずに」

「いらない」

「そこを何とか」

「いらない」

「持ってるだけでいいんだ」

「いらない」

「お願いしますよ~」

「いらない」

「……」


徐々に無表情になっていく椿に恐怖した友人は、逃げた。

帰宅した友人は、持ってきてしまった本を自身の机に置いて、パソコンを使ってゲーム情報を見る。

三十分ほどして、ベッドに移動して寝た。

そんな友人の部屋に、おにぎりを食べたであろう椿の感想を聞きに来た母の夕香。

寝ていた友人を見てリビングに戻ろうとするが、机の上に置かれた本を見つけてしまった。

この日、友人がどうなったのかを知る者は、いない。

後、椿からのメールで『死神って……すごいな』というのが受信されていた。

このメールに対するツッコミメールは、次の日に送られたとか。

今日のGM。


「桜君、何処に行くんだろうか?」

「知るか。そう言えば、お前に言われたからアップデートゴリ押ししたけど、何がしたいんだ?」

「決まってるじゃないですか……武器の増量です!!」

「……は?」

「桜君を強化したいですが、それをしてしまうと他のプレイヤーからの批判や他部署からの暴力が厳しいでしょうからね。武器を増やすことで、桜君を強化するんですよ!あと、桜君に合った職業も」

「あぁ~なるほどな。まあ、分からなくも無いか。だけど、結構いろいろ出してるぞ?他にあるか?」

「HAHAHA!そんなの簡単ですよ~例えば……おぉ!このクエストは!」

「例えばなんだよ……これか!」

「だけど、このクエストは……」

「あぁ、まだ早いな……」

「主任」

「分かってる。これはもう、強化するしかないな!」

「流石主任!」

「とりあえず、徹夜な」

「……ゑ?」

「アンタ達楽しそうね。まあ、頑張んなさい」

「アップデートなんてゴリ押ししやがって、こっちの身にもなれよな」

「……マジッスカ?」

「大マジだ」

「……栄養ドリンク買ってきます」

「おう、逝って来い。その間に準備しておいてやる。徹夜のな」

「……こんな職場、嫌いだぁぁぁぁぁ!!」

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