3、しいな
タバコタバコ、タバコが吸いたい。
ついでにお酒・・・つまみもほしい。
だが、今は昼中である。
我慢我慢
誰が名古屋をこんなにタバコが吸えない街にした?
路上禁煙、駅構内禁煙・・・・・
「すみませ~ん」
ふふっ
この人、絶対私のことやばい人だと思ってるよ。
やばい人に声かけられたって顔してるよ。
笑ってはいけない、そう思えば思うほど
思い出し笑いの連鎖が起きてしまう私である。
ふふっ
「この辺で、タバコが吸えるとこないですかね?」
みんな怪訝そうな顔で無視していく。
このアウェー感が、私をハイにする!
もうタバコなんてどうでもよくなって、
いろんな人に話しかけた。
「すみませ~ん」
「この辺で、タバコ吸えるとこないですかね?」
あ、やばい、この子高校生だ。
制服着てるもん。
知ってるわけ無いか、って思うと
より笑えてきてよけいテンションが上がった。
「私未成年なんでわかりません」
あ~あなたはこんな狂ったファンキーガールにも
優しくしてくれる、天使のような女子高生なのね!
そんなこと考えてる自分に爆笑しながら
その子の心を心で感じた。
「残念。ありがとう。あなたのカレシ、
急に外せない用事が入っちゃっただけで、何にも悪気は無いと思うよ」
くぅぅ~!!
私、かっこいい・・・・
この言葉だけ言い残して去っていく私・・・
かっこいい・・・・・・
そして、私は私が想像しうる中で一番イケてる表情で
”タバコ吸えるとこありますかゲーム”
を、とっぷり日が暮れるまで行って帰宅した。
「もうクリスマスかぁ~」
白い煙をふぅ~~っと吐き出しながら
家路に着いた。
天使の女子高生を思い出しながら
「あのカップル、クリスマスが正念場だな~」
って、つぶやきながら、私ってイケてるって思った。