三本目
一つの世界の始まりは、一つの世界の終わりを告げているのだろう。
その声が何なのか確認するまでもなく解ってしまった。
「静かにしろ、これより王たる我が選別を開始する。」
そこには頭のおかしそうな男が居た。装備しているのは旧時代の銃?意味有るのか?っていうか使えるのか?いや、そういえば何でいまだに旧式銃の需要があるのか聞いたときに養父が言っていたな。
「確かに、【第一次統一戦争】【第二次統一戦争】【解体戦争】他小規模な戦争や【危険遺跡】攻略などを通して現在の銃は【崩天】前より遥かに性能が良くなっているのは確かなことだ。だが、世界がそうある理の一端である概念を利用する類の連中にとっては弾に概念を刻み込むだけでいい旧式銃のほうが扱いやすいと思うぞ。」
ってことは、まさかアイツ概念使いか?
「テメェ!何者だ!」
やたらガラの悪い警備員の一人が銃を構えながら聞いた。
「あれ~?おかしいな~?私の《予報》だとここは厨二病患者っぽい人が乗り込んで来るんじゃなくて殺人事件が起こるとこなんだけど~?」
累が唐突に話し出す。
「珍しいじゃないか累の“予報”が外れるなんて」
「まぁ~、そうなると相手は“希少級”の達人か“固有級”だね~。」
………それは厄介だ、厄介すぎる。
パンッ
ッと乾いた銃声が聞こえると同時に警備員が全員倒れた。
外傷が一切無いきれい過ぎる死体だ。
なるほど概念使いならばこのような芸当も可能な筈だ。しかし、銃声はたった一発だった筈だ。
いくら概念使いとはいえ、いや概念使いだからこそ銃声が一発のみというのはありえない。概念使いの絶対的な理によれば銃弾に書き込める概念は一種類のみの筈だ。
「どんな能力だろうな?」
「≪鑑定≫しよっか~?」
「よろ」
「んじゃ~、≪鑑定≫の最中は守っといてね~。」
そう言うと累は“検索モード”に入った。
まぁ、そうしているうちにも抵抗した人が三十~四十ほど殺されているが、関係ない。
「おわったよ~。」
「それでどんな能力だった?」
「『人形化』と『自殺因子』だよ~。」
「やっぱり概念使いじゃなかったか。」
「ついでに名前はスザク・フェンナルドだって~」
「はぁ?あいつどう見てもアジア系だぞ?」
「さぁ~?最近流行の転生とかいうやつじゃないかな~?」
因みに≪崩天事変≫以来一部の『管理者』が人を好き勝手に殺して能力を持たせて転生させるという馬鹿な行為に走っている。そいつらはかなりちょーしに乗っている馬鹿が多いし、しかもすぐにバランスを崩すから各勢力に嫌われまくっている。そしてバランスを崩しに崩した『管理者』は即行で殺されている。
それでも俺のすることに変わりはない。
あの勝手気ままに能力を使っているバカを裁いて殺す。唯それだけ。
「んじゃ、後は俺がやるよ」
「今度なんか奢ってね~。」
ふざけんなお前が奢れ。
そう思いながらも俺は大きく息を吸って叫んだ。
「そこの腐れヤロウ今からぶっ殺すからおとなしく死ね!」
………
……………
…………………
あれ?ざわめきすらない?あっ今気づいたけど周りの人みんな死んでら、………別にいいや。
テンションを変えてと
「スザク・フェンナルド貴様を裁いて殺す。」
そう言うと同時に俺の足下から影が起き上がり鎧と槍の姿をとる。鎧といってもコートタイプだけど。
「きゃぁ-、がんはって-(笑)」
うぜー味方だけど超うぜぇー。
「ん?そこの女いいな、完全無欠である主人公の俺の後宮の一員にふさわしいこっちに来い。」
あちゃーイタい激しくイタい。てっいうか俺のことは無視?なかなかキツいんだけど。
_____結論。休日返上