一本目
喜劇?悲劇?どんなになるかは分からないけど、始まります。
サーカステントの灯りが消えた。
隣の客が興奮するのがなんとなく解る。
私はポップコーンを食べながらコーラを飲んでステージを見つめる。
司会(?)が会場を盛り上げながら何か叫んでいる。
周りが話し、叫び、笑いながら拍手している。
おっと、自己紹介を忘れていた。私/俺の名前は“ハウツハルメー・ドルトメルド”なーんて言ってみたり、嘘だけど。
本名は吉田 百夜だ、父(養父)は『あくまでギリギリ一般人』父の同僚は『普通と特殊の境界線が消えてしまったニンゲン』と笑いながら言われ、組織の同僚からは『一般人から進化したモノ』なんて呼ばれる。
そんな私/俺の役割は『処刑人兼選別者』。
切って裂いて割って潰して殴って轢いてとにかく殺す。そんな役割。
私/俺の役割『処刑人兼選別者』は七十九年前に起きた≪崩天事変≫で第一階層の『普通の世界』までは及ばなくても他の階層では通じるようにはなっている一応“世界”のバランスをとる為の役割となったからだ。
ちなみに≪崩天事変≫は第一階層でも基本的に知られている。≪崩天事変≫とは一人の“神”を名乗るキチガイによって起こされた事件でこの事件を機に多くの能力者や魔道に通じるモノや超科学に走るモノが急増した事件でもある。≪崩天事変≫前と後では多くの新法則が生まれていて、≪崩天事変≫前の兵器では一部意味を持たなくなってしまったものもある(例としては大陸間弾道ミサイル、戦術核といったものからレーダー(これは改良が加えられ使えないのは旧式のみ)などといったもの威力不足などの理由で一部拳銃)。またこれを機に今までより第二階層以下の階層に潜るモノが増えた事件でもある。
また、≪階層≫とは社会的、能力的、影響力的に区分された世界のことでもある。
≪第一階層≫『普通の世界』
≪第二階層≫『権力の世界』
≪第三階層≫『財力の世界』
≪第四階層≫『魔道の世界』
≪第五階層≫『超科学の世界』
≪第六階層≫『宗教の世界』
≪第七階層≫『暴力の世界』
≪第八階層≫『管理者の世界』
≪第九階層≫『生き残り達の世界』
といったようにそれぞれが重なりながら散って存在している。
まぁ、今はサーカスを楽しもう。
_____結論。休暇中