プロローグ
全ての命に約束されているものがある。
それはどう足掻いても覆すことの出来ない絶対的なもの。
そう、それは”死”
この運命から人は逃れることは出来ない。
だが、この残酷な運命をも覆す奇跡を起こした少年と少女がいた。
これはそんな彼らの日々を描いた物語である。
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ある廃工場にて
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「おい、お前ら覚悟は出来ているんだろうな?」
金髪のヤンキーが俺達にむかって言い放つ。
「そういうお前はどうなんだ?後ろに仲間がいるってことは一人じゃ心細いってか。ハハハ、笑えるぜ。」
「鷹臣、挑発するなって。この間も痛い目見たばかりだろ。」
俊樹が諭す。が、それでも鷹臣は聞く耳を持たない。
終いにはいつも鷹臣と無茶を繰り返す琢磨も
「そうだぜ。あの時もサツが来なかったらお前は死んでてもおかしくなかったんだぞ。」
と同調した。
これには、訳があるのだ。
(回想)
「あんたら、邪魔なんだよ。」
「アア゛ァ〜!死にたいのか!!」
「おい、止せって。」
「ホント、お前らってカスだよなあ。群れなきゃ行動すら出来ねえんだろ。」
「琢磨まで何言ってるんだよ。ケガさせられるのがオチだって。」
「お前ら・・・殺しちまえ!!」
「うわあ〜〜、ヤバいって!!」
「大丈夫だっつの。行くぞ琢磨!」
「了解、鷹臣も遅れんなよ!」
そう言って、二人は突っ込んでいった。
「ハァ〜、仕方ない。」
そう言いながらも二人の後に続く俊樹。
「フッ、ハァ!」
俺は相手の右フックを屈んで避けアッパーを食らわせる。
その隙を狙い後ろから突っ込んでくる奴に今度は蹴りをかます。
琢磨はパンチしてきた相手の腕を逆手にとり横から襲ってくる奴にむかって投げ飛ばす。
俊樹は回し蹴りを相手の横っ腹に食らわせ右フックを続いて襲ってきた相手に食らわせる。
「この程度か。つまらねえな」
「もっと、楽しませろよ」
「ふぅ、危なかった」
三人が気を抜いたその瞬間
ドスッ!
何かが鷹臣の腹部に刺さった。
ナイフだ。後ろに隠れていたヤンキーの仲間が不意打ちを仕掛けたのだ。
「「鷹臣!!」」
俺はその後、その場に倒れ気を失った。
病院で目が覚めた後、聞かされた話だが俺は生死の境をさまよっていたらしい。そして四日間目を覚まさなかったそうだ。
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「・・・ってなことがあったのにまた同じことを繰り返すつもりか」
俊樹がいつもより厳しく言った。
それでも鷹臣は
「大丈夫だって、あの時は油断してただけだから。今回は問題無い。」
と言う。
俊樹と琢磨は呆れて何も言えなかった。
「今回はマジで大丈夫なんだろうな」
琢磨が念押しする意味でもう一度聞いた。
「ああ、今回は一人でも余裕だぜ。」
鷹臣は親指を立てグーサインをした。
そして
「かかってこいよ」
と言った。
そしてヤンキーが言った。
「お前ら、やっちまえ!!!」金髪のヤンキーの仲間であろうチンピラが津波のように襲ってくる。
ざっと見て10人はいるだろう。
だが、負ける気は全くしない。
「来いよ、遊んでやるぜ!!」
そう言いながら突っ込んでくるチンピラを迎え撃つ。
一人は顔面に右ストレートをかまし、後ろから襲ってきた二人を回し蹴りで一掃する。
右フックで襲ってきた相手は屈んで避けアッパーを食らわせる。鉄パイプで襲ってきた相手の手首を殴りパイプを奪い腹を殴る。
「テメェ!調子のってんじゃねえぞ!」
他のチンピラが叫ぶ。
「負け犬が、吠えてんじゃねえ!!」
そう言いながら鉄パイプを武器にしてその場で一回転し寄ってきたチンピラをぶっ飛ばす。
「さあ、後はお前だけだ。」
俺は言い放った。
だが、命令していた金髪のヤンキーは慌てる様子もなく
「そいつは、どうかな?」
「おい!それはどういう・・・。」
スタタタ・・・。
後ろから何かが走ってくる音がした。その直後
ドカッ!
「何っ!?」
俺は後頭部に強い衝撃を受けた。
どうやら金属バットで頭を殴られたようだった。俺はそのまま倒れた。
「「鷹臣!!」」
俊樹、琢磨が叫ぶ。
「さて、コイツをどうしてやろうか。」
金髪のヤンキーが鷹臣に近づく。
「クソ・・・ここまで・・・か・・・。」
その時、外からサイレンの音が聞こえた。
「チッ、サツが来たか、退くぞ。」
そう言うと、他のチンピラ共も退いていった。
「「鷹臣!!」」
二人が俺の元に駆け寄ってきた。
俺はかろうじて立ち上がるも、血を流し過ぎたのか
その場に倒れ、気を失った。




