72:歩いて帰る。
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「よし…もう帰っていいわよ…何か持ってきた人はちゃんと持って帰ってね」
「はーい…」
夕方の音楽が流れ始めると…みんなは図書室から出ていった…ここに来る前にミフユがいつも全員に掃除をさせていたので、これで帰ることができたのだ…
「そうそう…今日はザカッチ配信でしょ?…だよね?」
マユリが声をかけた
「あ!…すっかり忘れてた…じゃあオフィスで会おうね」
「ザメちゃん…建物の中で走らないの!」
先輩が注意した…しかし彼女はもう階段を駆け下りていた…
「マユリンは?…この後どこ行くの?」
アキラちゃんがマユリの方を向いて尋ねた
「私はまだ先輩の原稿を何ページも仕上げないといけなくて…今日はオフィスで作業する予定なんだ」
「そ…そうなんだ?…僕はコスプレ衣装用の小道具を買いに行かないといけなくて…」
「じゃあ…私も行く…荷物持ちするよ」
ハルが申し出た…それを聞いたアキラちゃんは涙がこぼれそうになった
「ありがとう…ハルくん…すごく助かるよ」
「お前さ…ただ荷物持ちが欲しいだけだろ…」
ユウタがからかった…彼は少し笑ってから出ていった…しかし…
「あ、そうだ…お前ら二人で買い物行くのか…それってデートって言えるんじゃないか…」
アキラちゃんはすぐにユウタのもとに駆け寄った…
「違う! そんな! 思ってる! ようなのじゃ!! ないから!!」
睨みつけながら…
「まあ…からかっただけだって…からかっただけ…」
「はは…お前ら二人、面白いなあ…」
「な…なによハルくん…もういいや…早く行こう!」
アキラちゃんはすぐにハルの手を掴んで建物を降りていった…
「はあ…可愛いなあ…」
池袋のACOSにて…
「うわ…これがコスプレショップってやつか…めちゃくちゃすごいな」
ハルは見た光景に呆然としていた。外から見るとアニメイトの下にある普通の小さな店に見えたが…中に入ってみると本当に驚かされたからだ
「そうなんだ…僕たちここによく来るんだよ…ここには化粧品も、衣装の素材も、コスプレ衣装も、ウィッグも、靴も、カラコンも、そして今日買いに来るものも全部揃ってるんだ……」
アキラちゃんはフリーレンの魔法の杖を手に取った…
「衣装用の小道具ね…」
「へ…本物みたいだな…」
「あはは…手作りの物とお店で買う物があるんだよ…この店の小道具はかなり細かく作られてる方なんだけど…もっと細かいのが欲しいならトップコスプレイヤーが特注したものじゃないとね…」
「………」
ハルが呆然としているのを見て、アキラちゃんは急に落ち着かなくなった…
「あ…とりあえず…キョウアルカナシャルドの1:1サイズの魔法の杖を探しに行こうか」
「あ…うん…賛成…」
名探偵プリキュアはもうとっくに終わっているが、キョウアルカナシャルドの人気は今も衰えていない…あ…みんなに言い忘れていた…彼らの物語は2027年の出来事だ
「それでアルカナシャルドは誰がコスするの?…もしかしてアキラちゃん…」
「うーん?…違うよ…これはザカッチがコスするんだ…マユリンはペルソナ4の里中千枝をコスして…僕は普通の白髪メイドをコスプレする予定なんだ…」
「アニメとか漫画からのコスプレじゃないのか?」
「コスプレにはいろんな種類があるんだよ…でも大抵の人はアニメやゲームを真似るコスプレのイメージが強いんだよね…」
「ふーん…あ…銃の小道具まであるじゃん…」
「ここにはコスプレに関する物なら何でも揃ってるんだよ…」
二人は話しながら小道具を探して歩いた…
「正直な…アキラちゃんは服作りとか勉強しに行った方がいいと思うんだよな…」
「まあ…ちょっと考えてみたんだけど…僕も勉強してみようかなって思ってるよ…実際、僕がやりたいことは何でも叔母さんが全力で応援してくれてるし…」
「いいなあ…うちの父さんは、家の店を経営させるために私に経営学部で勉強してほしいらしいんだ、私は本当はIT関係の仕事がしたいのに…」
「うーん…ユウタくんも同じような経験してるんだね…」
ハルは首を横に振った
「いや…うちがどんなにプレッシャーをかけてきても…ユウタの家みたいに体に暴力を振るったり、俺の大切な物を捨てたりしたことは一度もないよ…」
「………」
「あー…でもさ…あいつも、あんな綺麗なシャーロット先輩と同じ屋根の下にいられて幸せそうだけどな…」
「はは…そうだよね…」
アキラちゃんはハルの顔をちらっと見てから…最近彼が直面していることについて尋ねた
「それで…あの幼馴染の子の話なんだけど…もう連絡取ってないの?」
アキラがその子のことを話すと…ハルはすぐに数ヶ月前のことを思い出した。彼は幼馴染に振られたばかりの傷心につけこまれ、学校のある女の子に好きなふりをされて騙されたのだった
そして最終的には、それがただのからかいだったと後から知ることになった…そしてあの日…その幼馴染は彼がからかわれているのをただ立って見ていた
「もうしてないよ…アキト兄さんの話だと、その子は今、早すぎる妊娠のせいで学校を退学になったらしいんだ…」
「……ごめん」
「いや…お前が謝ることじゃないよ…でもさ…あの日…お前が俺を助けてくれた…」
僕がハルくんを守るから…彼はあの時そう力強く言ったのだった
「まだ覚えてるんだね……」
「覚えてるに決まってるだろ…お前のおかげで…俺、あることに気づいたんだ」
「何に気づいたの?」
「俺、男が好きなんだって気づいたんだ…」
アキラちゃんは固まってしまった…彼は自分の顔を軽くさすりながら、今のは自分の思い込みなのか、それとも聞き間違いなのか考えていた…
「え?」
「だから俺は男が好きなんだって…女なんて騙す奴らばっかりだ…だから俺はもう二度と女を彼女にしないって自分に誓ったんだ」
「…………」
「でもまあ…その男っていうのも…別にどんなタイプの男って決めてるわけじゃないんだけどな……それでアキラちゃんは?…お前はどんなタイプの男が好きなんだ?」
急に恋愛の話になってしまった…
「別に…特にないよ…」
「そう?…俺と同じだな あ…見つけた…」
彼は買う予定の小道具を二つ手に取った…
「あの…それでハルくん…本当に…男が好きなの?」
「本当だよ…俺は誰にも嘘をついたことないって言っておくからな……」
「じゃあ……お前……」
ハルは興味津々といった様子でアキラちゃんの顔を見つめた
「お前、女装が好きな男が好きなのか?」
今回は完成した作品を明日の朝に投稿します。ぜひご覧ください....




