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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 《Blue_echo》 ―   作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 ― 青い残響 Blue_echo ―
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12/12

エピローグ ようこそ、ぽかぽか邸へ ― after the light ―

戦いのあとに訪れた静けさ。

それは、ようやく手にした“本当の日常”。


春の風がカーテンをやさしく揺らした。

リビングには、焼きたてのパンとコーヒーの香りが漂っている。


環(たまき)が笑いながら食器を並べ、柊(しゅう)は新聞代わりのタブレットを片手にコーヒーを飲む。


そこへ、寝ぐせのままの凪(なぎ)が顔を出した。


「おはようございます……ちょっと寝過ごしました。」


「まぁ、昨日まで徹夜続きでしたからね。」


環(たまき)が笑う。

柊(しゅう)も苦笑して言った。


「寝坊も“進化の一部”ってことでいいんじゃないか。」


「進化……ですか?」


凪(なぎ)が首をかしげると、柊(しゅう)はコーヒーをひと口飲み、静かに続けた。


「焦るな。止まっても、また動き出せばいい。それが俺たちの|進化《EVOLVE(エヴォルヴ)》だ。」


環(たまき)が頷き、トーストを3等分に切る。


「じゃあ、今日からは“正式に”共同生活スタートですね!」


凪(なぎ)が少し照れながら笑った。


「はい。僕……またここでリブートします。」


柊(しゅう)と環(たまき)が顔を見合わせ、同時に笑う。



◇◇◇



午後。


3人は近くの公園へ出かけた。


桜の花びらが舞うベンチで、環(たまき)がカメラを構えながら言う。


「はい、笑って~!記念写真!」

「えっ、ちょっと待って髪が……!」

「いいのいいの、そのままで凪(なぎ)くんらしい!」


シャッターの音が、青い空に溶けていった。



◇◇◇



夜。


リビングの照明がやわらかく灯る。


柊(しゅう)がソファに座り、ノートPCを開く。

凪(なぎ)は隣で新しいセキュリティプログラムを書いていた。

環(たまき)はその様子を見ながら、紅茶を差し出す。


「ねぇ、柊。」


「ん?」


「私たち、なんだか家族みたいですね。」


柊(しゅう)が微笑む。


「そうかもな。血じゃなくても、繋がるものはある。」


凪(なぎ)が笑顔でうなずく。


「“《blue_echo》”が言ってました。進化は止まらないって。」


環(たまき)が目を細めて言う。


「じゃあ、これからも進化し続けますね、私たち。」


外では、春の雨が静かに降り始めていた。

その音は、まるで“ぽかぽか邸”の小さな幸せを包み込むように、優しく響いていた。


その音の向こうで、明日の光がそっと息をしていた。

青い残響が遠くで響く。

進化は、今日も静かに続いている。


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