とある探索者の介入
とある探索者が洞窟迷宮に迷宮に入る。
「ここがクリスタル系の魔物が出た迷宮か」
人がそこそこいるはずなのに、彼に誰も気が付いていないようで、まるでそこに誰もいないかのよう周囲は流れていく。
「深層付近だったか、暇つぶしに狩っていこうか、あいつの戦力にされたら面倒だし」
そう言い散歩するように迷宮を歩く、その足取りは軽く、なんと魔物でさえ彼に気が付かず素通りさせていた。
(所詮は低級の迷宮か。それにしてもなんでこんなに嫌な気配がするんだ?同業者でもいるのか?)
サーベルを適当に振り回し、隣にいるはずなのに不意を突かれたかのように切り殺されていく魔物たち。仲間が殺されてなお、混乱するだけで男の姿を捉えられずに一方的に消されていく。
そのまま順調に、罠すら発動せずに深層まで軽く到達した男は、探知を広げて迷宮全体を俯瞰した。
「あ~こりゃ確定だ。いるな『非公式組』が。なりたてか?同業者とは今回が初対面ってことろか」
うまく隠しているが漏れ出ている嫌な気配をまとう四人組を見つけ、ニヤリと笑った男は同時に、クリスタルプラウンを見つけ少し表情を歪めた。
「あいつらどんなけやらかしてんだよ。ありゃ確実にきてるな」
特殊条件『攻略不可能』に達しているクリスタルプラウンを確認した男は安保を見る目で四人組を見ていた。攻略不可能とは、迷宮の適正レベルを一回り上回った程度の探索者ではどうあがいても勝てず、蹂躙されるほどの差があることを言う。
(俺はまぁ勝てるな、でも安心した。あのレベルまで達したら支配も通じないだろうから、あいつの手ごまになることはないだろう)
この世界には魔物を支配や使役する異能やスキル、道具があるのだが、クリスタルプラウンは強化の果てに使役や支配を受け付けなくなっていた。強さというより、そういう対策が施されているのだ。
「まぁ念のためだ、経験値の足しにもならんが遊び相手にはちょうどいいからな」
そう言うと彼は静かに闇に紛れその姿を誰も認識できなくなったのだった。




