目標達成!ラストスパートだ!
12月も終わりに近づき、あと数日で今年も終わるであろう日にも特に気にせずに魔物を殲滅する四人組は、安藤からの連絡が来て一旦集まっていた。
「この迷宮で得られるすべてのスキルをカンストさせた。これで次に行けるようになったぞ」
「マジか!やっぱレベルが高いと集まりやすいな」
「まさしくその通りですね。レベルももうすぐ400に入りますし」
「ボスを100以上も倒して、魔物も一人あたり40万も倒せばね」
恐ろしい数の死体の数を積み上げレベルアップにいそしんだ四人は、人気迷宮なのにもかかわらずにこれほどの数を稼げいていた。やはり人が少ないメリットが大きいようだ。
「それでなんだが、ここからはラストスパートかけて、今年終わる前に400になってから次行こうとお思うんだ」
「それいいな、節目だし」
「賛成です。400まであと数レベ程度。ボスラッシュと魔物狩りをすればどうにかなります」
「400ともなると世間一般では十分優秀な探索者だしね」
初心者を抜け、本格的に探索者として頭角を現すのが400レベだ。金持ちになる第一歩ともいえる領域に足を踏み入れることになる。
「ってことで、今日も頑張っていこう!」
「そうですねと言いたいとこなんですが、ここで朗報がありますよ」
「なんだ?」
「なんです?」
早速魔物狩りに戻ろうとしたが、西田がそれを呼び止め話を始める。
「どうやらこの迷宮である魔物が確認されたようで」
「もったいぶるなよ」
「そうだぞ、気になるじゃないか」
「まさかメタル系とかですか?」
吉泉がポツリと言う。
「違いますよ、それがですね。クリスタル系の魔物が出たんです。クリスタルプラウンらしいです」
「え?マジ?」
「経験値が多い物理特化のメタル系と、高価なものが手に入りやすい特殊特化のゴールド系、そしてその両方の特性を高レベルで持ち合わせたクリスタル系の魔物だよな?」
「これは朗報ですね。高価なものも手に入って経験値も多い。レベルアップにはもってこいです。今すぐに探しに行きましょう」
メタル系、ゴールド系、クリスタル系の魔物は300レベ以上の迷宮で極稀に発生する強力な魔物だ。その戦闘力は非常に高く、準備なしでの攻略は非常に困難とされる。しかも分が悪くなると普通の魔物はしない、逃げ出したりするので倒しにくい。
だがその分報酬も破格であり、メタル系は出たレベル帯では必ずレベルアップするほどの経験値を、ゴールド系はその迷宮で得られるものよりもワンランク上のものを、クリスタル系はメタル系やゴールド系の特化分野には若干劣るがその両方を上澄みレベルで得られる。
「詳し場所も情報も実はわかってないんだ、噂レベルのものを集めただけだからね。だから出会ったらラッキー程度にしてよ」
「まぁ興奮しすぎました、それが妥当ですかね」
「みんな独占しようとするから、なかなかそういう情報出回らないんだよな」
「当然と言えば当然だが」
実はこの魔物たち、なんと逃げないのだ。逃げる機能があるだけで、ギリギリまで戦おうとする。それのおかげで一度見つけると、そこを独占しようとする輩が絶えない。まぁ別に違法じゃないからだれも止められないけど。
「今回は一度討伐に失敗しているらしくて、そのせいで情報が漏れたらしいです」
「なるほど、なんだか人が多いのはそのせいか」
「人が多くなったとはいえたかが知れています。そもそもあれを倒せるレベルの探索者はこの町には少ないですからね」
「最深層の一つ上だからこっちの人は減って逆に活動しやすくなったからな」
最深層での活動はしやすくなったが、クリスタル系が出たとなれば話は変わる。
「ってことで早くいこうぜ。いいスキル持ってると嬉しいな」
「まぁ一体だけではたかが知れてますがね」
「ドロップ品や経験値も豊富だから」
「てかそっちがメインだろ。迷宮ボスじゃ物足りなくなってたからな」
四人は一刻も早く階層を移動して討伐に行きたいのだ。それだけドロップ品と経験値がおいしい魔物である。なので彼らは隠密を発動させてから、迷わず速攻で階層を上がることにするのだった。




