安藤フィーバー
三人が新しい迷宮に挑んでからおよそ一か月が経とうとしていた。そんな中準備を終えた安藤も、新しい迷宮でスキルを得まくっていた。
「この一か月の収穫は、病魔、嚙砕、念力、同色、溶解をカンストさせて、新しく炎上、発光、鋭利を手に入れたってところか。新しく入ったスキルも異能にレベルが追い付いたからか、10万ぐらいでカンストしたし」
この一か月間、スキルの底上げに重視し、日一万と言う普通の探索者の10~100倍程度の数の魔物を狩りまくった。てか今も『高草迷宮』で、襲い来る魔物たちを斬り捨てて燃やし尽くしている。そのお陰もあってか、すでにカンストしたスキルも複数出来ていた。
「特性スキルってのは、操術に比べると自由度は低いけど、コスパと使いやすさは中々だな」
特性強化系のスキルは、そこまで万能性はないし、操作できることも少ない。その代わりに、単純で使い勝手はいいのだ。
「炎上は適当にばら撒いとけばいい火力出るし」
手から出た火炎放射は、カマキリと草木を焼き尽くす。特に労力もかけずに全身のどこからでも高火力な炎が出せのだ。不満点と言えば、射程と操作性が悪いぐらいだ。
しかし――
「発光は目くらましに」
燃え盛る炎を突き抜けて来たカマキリに、目が焼けるほどの光を浴びせ
「鋭利は斬撃を強化してくれるし」
鋭利を組み込んだ気を纏った刀で抵抗もなく斬り裂く。
まぁこの通り、他のスキルを組み合わせればどうとでもなる。
(欲を言えば他のスキルももっと欲しかったんだがな。流石に対策されてるか)
流石に暴れ過ぎたのか、迷宮側も対策をしていた。すでにシステムの新調も終え、情報も相応に出回っている。それは、特殊なスキルを魔物たちに取らせず、代用可能なスキルを優先させてきたのだ。
(単純にレベルが高くなれば、スキルでの補助がなくても特性ぐらい普通に使えるみたいだしな)
真面に使えるようにしたり、もっと強くしたりと言う意味合いでスキルを付与しているのだ。最初からある程度使えるのであれば、わざわざスキルを奪いに来る相手に塩を送ることはしない。
(流石にこっちも、スキルの補助なしで人間とかけ離れ過ぎてる魔物の特性は使えないからな)
異能『吸収』は、単純な力から、相手の特性までも取り込み、特性系のスキルすら得られる結構使える異能だ。しかし人間のカタチから離れるような事はできないので、慣れない特性の使用はスキル頼りになっている。
(異能レベルを上げればいけるようになるかもしれいが)
方法はいくらでもある。一番わかりやすいのが人間を辞めてキメラか、改造人間みたくなる事である。のちの社会生活に影響が出るかもしれないが、迷宮産の道具やそっちの方向性への異能の進化でもさせればできなくもない。
(まぁ今考えても仕方がないか、すでにある分はいくらでも手に入るし)
追加で特殊なスキルや特性スキルを抑えられただけで、初期から備わっているスキル、こちらがすでに持っているスキルに関しては余裕で手に入る。迷宮側はそれを出し渋れば、この迷惑パーティーを倒せないのだから。
「ってことで、あと5000はやろうか。それで一万だ」
ざわざわと草木が揺れ、全方位から攻め立ててくる魔物たちを殲滅しながらそう言うのだった。




