地図埋め完了
最後の階層に辿り着き、その光景を見た四人は驚きの声を上げる。
「これは……」
「随分と……」
「そうですね」
「無茶苦茶だな」
まるでバグったように作り出された空間は、建物が重なっていたり、建物の上に同じ建物があったりと無茶苦茶な作りとなっている。
「一応通れるところとか、道になるようなところはあるんだがな」
「うん、でも罠も魔物も多い」
「サッと確認した範囲でもいくつも気を付ける部分ありますよ」
「小さな隙間から魔物が出てきたり、簡単に背後取られたりか」
しかも浅いところと違い、魔物の行動範囲が広まっていた。カラスであれば屋内にも入ってくるようになり、植物も遅いが動き回るような種類に変わり、屋内限定だったカメレオンはどこまでも追いかけてくる仕様と変わっている。呪いの件も合わせればもっと酷くなっている可能性もあるが、それはおいおい分かるだろう。
「早速だな」
「くそこいつら、頑なにスキル持ってねぇ」
「対策されているんでしょうね」
「迷惑な話だ」
近くの建物に入り地図埋めを開始するが、さっそく人形たちがお出迎えしてくる。うまみのない殺意満点でだ。
「だがその分倒しやすいだろ?普通のに比べたらだが」
「まぁそうだな」
「高いとはいえ、基礎能力だけじゃ限界ありますからね」
「経験値としては優秀だよ。安定して250レベはあるし、高いと270代だよ」
四人を確認した人形たちは一気に距離を詰めたり、後ろで何かをしようとするが、強化モリモリの四人にあっさりと全滅させられていた。いくらレベルの差があるとは言え、魔物側はこれと言った得意スキルを持たずに、相性も悪い上にスキルに強化に能力とてんこ盛りにした相手には流石に勝ち目がない。
「これで学習して強力なスキル用意してくれると助かるんだがな」
「ないだろ、流石に」
「ですね。安々相手に力を与えるなんて考えられませんね」
「うん、あるとしても確実に殺せるとかそう判断された時じゃないかな?っと来たよ」
一息つき時間はあっても、次の瞬間には待ち構えていた魔物の群れが襲い掛かってくる。勿論それも瞬殺して、雑談しながら余裕そうに進み続けていた。
「にしてもスキルないとこんなに弱いんですね。驚きました」
「特殊系は特に差が出やすいらしいからな。なんか、相手から根こそぎスキル奪ったり、封じたら一気に弱くなったって聞くし」
「魔物って言っても色々種類あるからな。一概には言えないんじゃないか?スキルなくしたら弱くなるのは人も同じだし」
「だな。大量のスキルと重ね掛けが無かったら、こんなレベル差埋めれねぇし」
あらゆる好条件がそろっているから四人は50レベ越えのレベル差をなんてことなく進めているが、少しでも違えば半分も進めずに逃げ帰っていただろう。
「カラスとかは厄介だね。急に窓とかから出てくるから」
「まぁそうは言っても素早いだけで脆いから一撃なんだがな」
「植物も遅いですし、遠くから熱線放てば一撃ですよ」
「これ見よがしに待ち構えてるからな。やっぱ感知系は大切だな」
確かに空中を飛び回るカラスも、蔦を伸ばしてきたりする植物は厄介だが、対策のしようはいくらでもあるので脅威ではない。一息付ける分、前回の迷宮よりは楽だと言えるだろう。
「で、カメレオンはどうする?あいつは厄介だぞ」
「隠密系のスキル持ちになってるからね。確認しずらいよ」
「同色のスキルを持ってる奴もいるらしいから、視覚は役に立たないかもね」
「たまに持ってる奴が出るって話だもんな。今のところは見えないが」
スキルを調整して出していることから、安藤に吸収されないように何かしら対策を講じているのだろう。現在カメレオンは様子見をしているだけで襲っては来ていないので、四人には確認のしようがないが。
「まぁ同色のスキル持ってたって役に立つかわからんがな。どう使うかも想像付かんし」
「それもそうだな。周囲の色とかと同じになるだけだろ?錯覚でも利用しながら戦うのか?」
「そう考えると便利そうですね。相手からしたら急に攻撃が現れる的な感じでしょうか?」
「でも体だけ色が変わってもね。服とか武器は違うだろうし、感知系があれば割と意味ないかも?」
人に適応されたときや高レベルになったときは分からないが、通常の使い方では役に立つビジョンが浮かばない。自動発動とかだったらなんか気持ち悪いビジュアルになるのでは?それはそれで役に立つかもと話して攻略を進める四人は、とある場所で足を止める。
「囲まれたな」
「分かっていましたけど」
「そうなるだろうね」
「しかも全員同色のスキル持ちか」
外側から時計回りで地図埋めをして、最後の中心にある開けた広場のような場所で、四方八方を通常よりも一回り大きい軽自動車サイズのカメレオンに囲まれていた四人。その数は想定していた倍以上の数がおり、隠密特化とは言えスキル構成もガチ目である。
「素の身体能力ではあのデカいカメレオンが一番だもんな」
「ですね」
「まぁだからと言ってな」
「僕たちに勝てるかと言うと甘く見すぎかもしれませんけどね」
近くにいたカメレオンが飛びつきや舌を伸ばして四人に襲い掛かるが、それを安々と斬り捨て、熱線で斬り刻まれる。
「さて、強化を最大にしましょうか」
「真正面からじゃ隠密は生かせないと思うけどね」
「分かりにくい相手が数で攻めてくるのは脅威だと思うが」
「ま、せいぜい肥やしにでもなってもらおうぜ」
仲間がやられてもお構いなしに次々に襲い掛かってくるカメレオンたちを前にそう言った四人は、ここからが本番とも少しも考えずに戦いに挑むのだった。
なんか他人目線とか書いた方がいいんですかね?主人公たち外ではそれなりに色々起きているので。
この主人公たちは趣味兼仕事で迷宮攻略と将来安定した生活をするために行動しているので、イベント事には極力関わらないタイプです。一応ことある毎にちょこっとだけ?関わりますが、基本的にその場限りで大事にならなかったり、一般探索者として巻き込まれたスタンスで話が進みます。
何か意見在りましたら感想とかにお願いします。
あとヒロインとかは全く出てきません。そもそも女性キャラどころか登場キャラも少ないので……




