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現代迷宮は世知辛い  作者: バトルマニア
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拠点で……


 あれからショッピングモールや周囲の店を回ったりして、軽く買い物をして拠点へと返ってきていた。そして四人はそれぞれのすることやりたいことをして、ゆっくりしていた。


「これは流石に……炎上するよね」


 スキルの新たな使い方を模索するために動画を探していた西田は、とある動画が目に入り中を覗いてポツリとそう呟く。その画面には、焼き尽くされる森の光景が広がっており、次々に魔物たちが倒されてた。そしてコメント欄には、批難の嵐が巻き起こっている。


「どうした?ああ、範囲攻撃で一気にか。できる奴にはレベリングには持ってい来いらしいが、普通は割に合わないな」


 そこに近くにいた田中が顔を覗かせ、動画を見てから答える。


「そうだよね。と言うか、それ以前の問題だし」

「だな。それに格下は相当数こさなきゃダメだし、同格以上は異能や相性次第だが基本こんな簡単に倒せない。動画のやり方じゃドロップ品とかもダメになるだろうから、ホントにバカなことしてるわ」


 範囲殲滅。やり方は様々だが、昔からある手法で、一定範囲の魔物を全滅させてレベリングまたはドロップ品を集めようとする行為である。


「まぁそれ以前に他の探索者にも迷惑かかるしな。こんな事したら数日はその階層がダメになる。下手したら変異するかもしれないな」

「だよね」


 迷宮を殺しにかかっているのではないか?と思わせるほどの範囲攻撃は基本的にNG行為である。他の探索者を巻き込むのは勿論、迷宮の修復機能が間に合わなかったり、最悪変異や暴走に繋がるからだ。


「やっても精々、迷宮内を高速で動き回って魔物殲滅とかが一番いいな」

「攻撃力と機動力とか速度系が上がるスキル取りまくってやるのがいいんだっけ?」


 一番被害が少ないのは、高速殲滅である。他人の獲物には手を出さず、ただひたすらに速度と攻撃力で魔物を瞬殺していくだけの大抵の人ができる簡単な戦略だ。ネットにはレベリングRTA動画だとか、スキル構成の最適解だとかが転がっている。因みにレベルアップ時の能力強化は、個人によって異なるので、この場合は普通より攻撃と素早さが多く強化され、最終的にめちゃくちゃ速くて力が強い人が生まれる。


「そうそう、だからこんなやり方はすぐに炎上する。てか投稿するとかバカだろ」

「まぁいつの時代にもそう言う人はいるから。あと出さなくてもすぐに特定されるってのもあるし」


 近いうちにニュースになるなるだろうなと思いながら、西田は目的の動画に変える。その動画は炎操術の使い方を紹介した動画だ。



「そういや西田。お前まだ炎操術の使い方決めてねぇんだって?」

「うん、それなりには扱えるようになってきたけど、どれも上手く行かなくて」


 動画で紹介される様々な技を見ながらそう言う西田。その殆どが今まで西田が使ってきた技である。


「火炎放射と熱線だけだもんな。慣れてるの」

「それはいつも使ってたから。他の奴はホント最近の事だし、咄嗟に出すとなるとそれぐらいしか使えないから、どうにかしたくて」


 初期から使ってきた技は問題ないが、能力が上がってから使い始めた技の練度がイマイチだった。勿論ある程度は使えるのだが、緊迫した場面では出しずらくなっているのだ。


「そう言いや思ったんだが、術系はそれらを自在に操るのが本来の使い方だろ?それ出来ないのか?」

「それは異能者とか上位の人の使い方だよ。コストとかイメージとかで考えたら技にした方が楽だから」


 その場で自在に操るのが一番だが、そうしてしまうと消耗が激しくすぐにバテてしまう。そのためあらかじめこう使おうと決めておくのが技なのだ。こっちの方が体力、技共に管理もしやすく、単品で見れば練度が上がりやすい。


「回復術はパパっと使えたからそっちもと思ったんだが、そうでもなかったか」

「回復術は、力を注ぎ込んで治るイメージさえあれば大体使えるからね。そもそものイメージのしやすさと数が少ないから」


 慣れや練度、知識などで様々変わってくるが、回復術は比較的使いやすい分類の術だ。その分消耗が大きいが、彼らはスキルの重ね掛けのお陰で、余程の大怪我をしなければ気にならない。


「まぁこれから頑張って行けばいい。なんせ俺たちはまだ新人みたいなもんなんだからよ」

「そう言やまだ半年たってなかったっけ?戦いすぎて忘れてたよ」


 言ってこの四人は探索者になって日が浅い。異能があったり、詰め込みまくってはいるが、やっている期間で言えば初心者抜けて安定してくる程度だ。探索者の業界では新人辺りがいいところだろう。


「これからどんどん戦って、迷宮攻略していくんだぞ。もっと前向いていこうぜ。どうせすぐ使い熟せるようになるって。どうせなら俺たちも似たような力手に入れる予定なんだからよ」

「そうだね。その時にはコツ教えられるように頑張るよ」


 そうして二人は、ついでにと他の術系の動画なども見ながら時間を潰すのだった。



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