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現代迷宮は世知辛い  作者: バトルマニア
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 とある探索者の外食

 雷久保と清水は、行きつけの、ショッピングモール内にある、食い放題店に来ていた。


「いつも思うが、この値段で食い放題はうれしいな。ま、探索者目線での話だがな」

「そりゃ、大抵の探索者は儲けてるからな。それにレベルが高い人は大食いが多いから当然だ」


 とある四人の来ている店でもあるが、そんなことにも気づかずに二人は空いている奥の席に向かう。そして見つけた席を取って、料理を取りに行った。


「こんな時間にも迷宮に潜ってる奴らがいると思うと気の毒だぜ」

「特に個人事業主な。自由な分安定した基盤がないから、一日の大半を迷宮内で魔石とドロップ品集めてるらしい。実力があればいいが、そんな奴は少ないから大半は常に金稼ぎらしいな」


 山ほど料理を取って席に戻った二人は、食べながらそう話す。二人の言う通り、企業に属していない探索者は、稼ぎが少ないか割に割に合っていない者が多い。そのため、下は生活ギリギリで、上は青天井だ。


「命がけだからな。実力相応の所しか行かないから仕方がないらしいがな」

「そりゃそうだ。誰だって自分の命は欲しいもんだろ」


 個人でレベルを上げるのも楽ではないし、上に行けば行くほど危険度が増すので、みんな一定の所で止まってしまう。そして限られた稼げる迷宮で、取り合いが発生して稼ぎが減ることもあれば、それを避けて多少の不利を承知で辺境の迷宮へ行く者もいる。


「コスパが一番いいのが300レベ台だったよな。それ以上は罠が厄介で仕方がないんだろ?」

「罠だけで大怪我じゃ話にならんからな。仲間を揃えるのも楽じゃねぇから当然だな」


 自分で罠対策するのも大変だし、そう言う人材は集めるのが大変だ。なので、本格的に罠が出ないところでそこそこの罠を対策をし、戦闘力を高めておいた方が楽に稼げる。


「罠が厄介で、魔物も強い。やっぱ才能か金がないと上には行けないな」

「そうだな。やっぱ俺たちみたいな異能者じゃなきゃダメだな」


 あらゆるものが集まる巨大企業か、才能ある一握り、古参勢などでないと上位の迷宮は碌に挑めない。てか命欲しさに誰も挑まないのだ。そして彼らに利益が集まり、そのサイクルが生まれる。資本主義とはこんなものだ。



「ところで最近、あいつら見かねないな?」

「あの四人組か?どうせどっかの辺境迷宮で細々としてんだろ。多少は根性見せて欲しいもんだな」


 話は変わり、四人組の話を持ち出す。ちょくちょく確認して、良さげなら下につけてやろうと思っていた二人だったが、どうにも最近見かけないようだ。


「草原迷宮ぐらいなら来てもおかしくないと思ったんだがな」

「バカ言え。あそこは五階層以降じゃなきゃ生活できるほど稼げねぇよ」


 草原迷宮は、初心者にはいいが本業としてやっていくには心伴い稼ぎしかできない迷宮だ。こうやって簡単に潜れる迷宮が増えたことにより、産出量が増し下位の迷宮の産出品の価格が下落したのが原因だ。だがこれでもマシになった方で、組合の力が弱い頃はもっと安く買い叩かれていたこともあった。


「そうか。でもよ。それ以外の迷宮なんてもっと悪いだろ?」

「そうだよな?どこで攻略してることやら?」


 稼げるかで言うとないわけではないが、それが割に合っているかと言われればNOだ。それ以前にここらには、四人が稼げるような下位の迷宮は二人は知らない。


「分かれて一人一人で潜ってたり?それなら稼げるだろ」

「ないない。流石にあのレベルで一人なんてリスク取らねぇだろ」


 四人で一つの迷宮となると、安全と引き換えに稼ぎが落ちてしまう。だが分かれて迷宮を攻略しているのならできなくもない。しかし二人は、スライム迷宮にあれほど苦戦しているであろう姿を見ているので、そんなリスクは取らないだろうと思っていた。


「だったら探索者辞めたんじゃね?」

「それも難しいだろ。今のご時世じゃよ」


 就職にスキル取得が必須となった社会なので、別職業のスキル持ちは就職が難しい。なぜなら、それだけ専門職に後れを取っているという事だからだ。持っていたら凄いから、持っているのが当然になり、今では高レベル保持者が当たり前になりつつある。これも時代が進んだ影響だろう。


「職が固定化されるのか。厳しな~」

「高品質、低価格を求めるのは世の常とはいえな~」


 悲しい話だが、そちらの方がコスパがよくなるのだ。そして儲けやすくなる。高度化する代わりに極端化すれば、その隙間に入り込みやすくなるからだ。ホントに世の中世知辛いものである。


「ま、いつもの事か。稼げぎゃいいだけだ」

「それもそうだな。っと御代わりいくか」


 話しながら食べていたこともありペースは遅いが、一定の速度で食い切った二人は、次の料理を取りに行くのだった。



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