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現代迷宮は世知辛い  作者: バトルマニア
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毒鼠迷宮のボス


 吉泉が退室したと同時に、軽自動車程の大きさを誇る病魔の大鼠が田中へ攻撃を仕掛け、田中はそれを容易く避ける。


「おっ~、スゲ~避けやすい」


 取得した回避と把握のお陰で、相手の動きや周囲の状況が手に取るようにわかり、基礎能力的には格上のはずの病魔の大鼠の動きも思考加速や並列処理の合わせ技で脅威にならない。


「ほいっと」


 リズムよく回避し、そして剣で病魔の大鼠を斬り裂く。


「……流石に攻撃は通りずらいか」


 だが放った斬撃は大した傷にならず、回避や反撃 ヒットアンドアウェイを駆使しながらどうしようかと考え始めた。


(さっさとケリつけたいんだが、流石はボス格だな)


 通常時でもそこらの魔物とは格違いなのに、レベルでも上回られており特殊条件まで付いている目の前の病魔の大鼠は、まさしく格上の強者だろう。


「基礎能力ってやっぱ重要だな」


 この圧倒的差についていけている理由は、共有による重ね掛けのお陰であり、本来スキルはここまでの性能を発揮しない。過剰な強化を感じ取れる田中たちは、基礎能力の重要性をしみじみと感じていた。


 だからこそ田中は、迅速かつ確実な勝利のためにホンキを出す。


「じゃやるか」


 その瞬間、強化を最大まで引き上げた田中は、高速で移動しながら病魔の大鼠を斬り裂く。それに驚いた病魔の大鼠は鳴き声を上げながら反撃と言わんばかりに爪を振るう。


「当たるかよ」


 しかし当たらない。田中の圧倒的速度の前には意味をなさない。


「無駄なんだよな」


 負傷覚悟で大暴れをしながら攻撃を繰り出す病魔の大鼠だが、機動力で劣っている病魔の大鼠の攻撃は虚しく空を切るばかりで一向に当たらない。その間も田中はホンキで剣を振り、瞬く間に病魔の大鼠の体力を削っていく。


(これでもそこそこ時間かかるな。術式系覚えておいた方がよかったか)


 高出力な術式を覚えておけば、格上でもそこそこダメージを通せるのを思い出し後悔する田中。だが今はそんなことより目の前の病魔の大鼠だと、隙を見つけて今度はもっと深く斬るために踏み込みを深くする。



「ッ!?」


 だがそれは誘い込みだったようで、いきなり方向転換からの尻尾の叩きつけで壁まで吹き飛ばされていた。


(賢いッ!?」


 すかさず噛み殺そうと向かってくる病魔の大鼠のギリギリを滑るように回避し、足を斬り裂く。


「はぁっ!」


 続けて剣を振り落とし横腹を斬り裂き、暴れだす前に病魔の大鼠を蹴り剣を引き抜きながら距離を取る。


(流石に弱って来たな)


 病魔の大鼠は勢い余って壁に激突して、足と横腹を負傷し息が上がっている。それに対し田中は、この迷宮の得意技である病魔も通じておらず、スキルと仲間から送られてくる回復で常に全力状態だ。


(あともう一押しだな)


 剣を構え、走り出す。


 それに合わせて病魔の大鼠も、負けじと強引に田中を迎え撃つ。


 はずだったが――


「じゃあな」


 田中は病魔の大鼠の前で急停止し、攻撃を撃たせてから体勢が崩れた病魔の大鼠の顔面に剣を振り落とす。それにより病魔の大鼠は止めを刺され、あっけなく消えていく。



「ふ~、さてと。報酬はなんかな」


 そして病魔の大鼠が消えた後に残った首飾りを拾う。


「三級の退病の首飾りか。効果はまぁまぁな状態異常耐性か。本来の三級品よりかは劣るが、推奨レベル100以下なんて五級の何かが出ればいい方なのに、やっぱブーストされてるだけあるな」


 本来なら出ないような高価な品を引き当て上機嫌になった田中は、ステータスに情報共有のために今回の事を書き込んでいく。


「確か、次は西田と安藤、で最後が吉泉だったな」


 吉泉以外は重ね掛けが可能で、このレベルの報酬が期待できるのかと心躍らせる。更に言えば、今回は最適解と行かなかったが、西田ならもっといいものが出るのでは?とも思っていた。


「ま、出るか。そんで周回だな」


 そうして田中は退室するのだった。



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