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現代迷宮は世知辛い  作者: バトルマニア
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成長の結果と報酬確認


 拠点に戻ってきた四人は、カーテンを閉めたり虚偽のスキルを使ったりしてから戦利品を取り出し始めた。


「四級を除いて、目ぼしいものはこの4つだ」

「スキルオーブ2つと、よくわからない剣と道具が一つずつだな」

「スキルオーブはランダムの低級かな?」

「それでも上等でしょう」


 解析板を使い、とりあえずとスキルオーブを調べたが、四人の想像通り低級のものだった。そして次に剣と道具を調べる。


「再生剣?」

「迷宮地図?」


 前者は10回目に出たもので、後者は最後の20回目に出た道具だ。


「再生剣は等級が三級で、そのままの意味で再生する剣だそうです。しかも再生する度に少しづつ性能が上がるみたいですね。完全に壊れてしまえばお終いですが」

「余力を残しながら使えばいいってところか。剣術持ってるの俺だけだから俺がもらっていいか?」

「いいよ」

「その方がいいだろうな」


 完全に壊れなければいくらでも強化再生する剣を手に入れた田中は、次の迷宮地図を見る。


「じゃあこっちは?」

「え~と……こりゃ凄いですよ!一級の品で、迷宮の自動マッピングだそうです。これがあれば正確な位置がわかりますし、隠し部屋とか固定の宝箱とかの位置も丸分りみたいですね」

「あのレベルの迷宮に出ていいものじゃないだろ」

「いくらになるんだろ」


 吉泉の呟きに反応したのか、田中がサッと等価交換を使い……


「に、2億っッ!!?」

「え!?そんなにっ!?」

「う、売った方がいいのでは!?」

「ま、待て!落ち着け!」


 とんでもない金額が表示され、驚きのあまり混乱する四人。


「これは金の生る木だ。絶対に手放すなよ」

「わかってる。絶対に手放さない」

「そうですよね。持っておくべきです」

「コツコツ行った方がいいよな」


 どうにか落ち着きそう決まった。だがまだ熱は冷めないようで、そのままのテンションでスキルの方を見る。


「じゃこっちの方を見よう」

「その前にステータスの確認だ。何がどうなるか知っておきたい」

「勝手に統合されますからね」

「アナウンスでもありゃいいのにな」


 そう言いあいながら四人は自分たちのステータスを見る。




・名前 田中 啓一

・性別 男

・状態 迷宮の怨恨

・LV61

・異能 等価交換……LV1 存在するものを等価交換できる。

          LV2 交換物を保存できる。

          LV3 異能の等価交換ができる。

・スキル 剣術LV3、感知LV3、体術LV2、再生LV2、対物理LV2、健康体LV2、強靭LV1、虚偽LV1




・名前 吉泉 健太

・性別 男

・状態 迷宮の怨恨

・LV63

・異能 転移……LV1 体力を消費して瞬間移動をする。

        LV2 障害物を無視して移動できる。

        LV3 無生物の転移ができるようになる。

・スキル 刀術LV3、空間把握LV3、体術LV2、再生LV2、対物理LV2、健康体LV2、強靭LV1、虚偽LV1




・名前 西田 和希

・性別 男

・状態 迷宮の怨恨

・LV65

   共有……LV1 外部影響を共有する。

       LV2 再分配できる。

       LV3 良好状態を共有する。

・スキル 炎操術LV3、強化術LV3、探知LV3、隠密LV3、体術LV2、再生LV2、対物理LV2、健康体LV2、強靭LV1、虚偽LV1




・名前 安藤 博

・性別 男

・状態 迷宮の怨恨

・LV47

・異能 吸収……LV1 体力などを吸収する。

        LV2 強化などを吸収する。

        LV3 能力などを吸収する。

・スキル 刀術LV3、体術LV2、溶解LV2、分裂LV2、再生LV2、対物理LV2、健康体LV2、強靭LV1、虚偽LV1



「成長具合はうれしいが」

「なんか変な呪いかかってますけど」

「迷宮の怨恨?」

「体調に異常はないが?」


 上位スキルの数々より、謎の状態異常にかかっていることに驚き、一瞬静まり返るリビング。


「とりあえず調べてみましょう」

「そうだな」


 解析板に映し出されたのは以下の内容だった。


・迷宮の怨恨

 迷宮に殺意を覚えられるほどに攻略したものにかけられる呪い。それが倒されまくった魔物たちの怨念と混ざり合いより強力になったもの。

 これを受けた者には魔物を引き押せ、迷宮に敵視され殺意を向けられる。なお迷宮の攻略や魔物の討伐をした際に効果が増幅され解除時間が長くなり、副次効果として迷宮の強化ついでに報酬量や質が増幅されるが、他の呪いや加護、恩恵系の影響を一切受けなくなる。おまけに時間経過以外での完全な解除はできず、それ以外では緩和しかできない。


 推定解除まで2049日、23時間53分31秒



「え~と……魔物に襲われる可能性が高まる、らしいです」

「しかも実質解除不可って……」

「殺意高すぎだろ」

「せめてもの救いは副次効果か……?いや違うのか?」


 探索者として生きていくつもりの彼らは、魔物を倒し迷宮を攻略し続けなければならない。だがそうすると呪いが強くなり、危険な目に会い続けることになる。


「こりゃもっと強くならなきゃな」

「そうですね。早急に実力を着けなければいけません」

「戦略を考え直す必要がありそうだな」

「さてどうしたもんか」


 だが誰一人不安に駆られることなく、逆に報酬も上がるし厄介な呪い系を防げるしあっちから獲物が来てくれるものだと捉えていたのだった。なお加護などは初めから期待していないので完全にスルーする模様。



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