起障
ふとした思いつきで殴り書き?してみました。
ごちゃごちゃしてるかもしれませんが、1度目を通していただけると幸いです。
「うぅ~~、はぁ~」
大きな伸びをして、僕は寝ぼけまなこでベッドから出た。
つまづいて、そして目が覚めた。
すると家の下から
「素機、早く出て来いよー、遅刻するぞー」の声だ。
ふと時計を見る、8時15分だった。
もう一度目をこすり見直した。
やはり、8時15分だった。
身支度もほどほどにすぐさま家を飛び出した。
僕は素機。機会の機が、名前に入ってる読みは普通で『もとき』だが、漢字が珍しい系のやつだ。
そして、声の主は秀太だった。
秀太は名前の通り、勉強面は優秀でテストは8割が最低点というところだった。
しかし、それ以外は———。
そんな彼が、珍しく時間通りに来ていた。
「わりぃ、わりぃ、昨日のアレやりすぎたよ」
一応謝った。
「いいってことよ。それよりアレ面白かったろ?」
「あぁ、面白かったぜ! まだ始まりのところしか出来てないけどな」
「これからってとこだな。 まぁ期待してやっていけよ。」
秀太にかなり勧められて、寧ろ、無理矢理やらされる形でとあるゲームを始めたところだ。
「それにしてもこのゲーム、名前が『遊碼』だなんて、どんなゲームだよ。読みは普通だが、漢字が珍しいだろ!僕かよ!」
なんて風に自分でツッコミを入れてみた。
しかし、本当はどんなゲームなんだろうか気になる。
だか、それは置いといて、秀太と話しながら歩いて行った。
そうこうしているうちに、学校に到着し、チャイムが鳴り、授業が始まり、授業が終わり、気付けば放課後だった。
そうして、家に着いた。
毎日、こんな感じに生活している。
そしてゲーム。
果たしてこんな生活でいいのか悪いのかはわからないが、少しばかり、日に日に不安が積もっていることは確かだった高校2年生の9月。夏休みが明けて3週間、残暑が和らいできている日。太陽が段々と高くなっていく一方で、僕の成績は段々と低くなっていく一方だった。
—————————————————-
今日の朝は8時に声がした。
秀太の声と、由美香の声だった。
由美香は、同じクラスで普通に仲の良い友達だ。たまに、秀太と一緒に誘いに来てくれる。(時間に余裕を持ってきて来るため、ありがたい。)
そして、途中に共通の友達の遊樹を誘い4人で学校に行った。
普段から仲のいいメンバーではあるが、4人揃うのは珍しい。
まぁみんな忙しいのだろう。
そうこう考えてる内に、また放課後になった。僕の1日はどんな風に進んでいるのか、時間の進み方の違いを知りたかった。
たが、知ったところで何もならないことを知っていたので、特に変えようとは思わなかった。
果たしてこんな生活でいいのか悪いのかはわからないが。
ともあれ僕は、ゲームをしていた。
やっぱり楽しいし、面白い。
なによりも、現実を忘れさせてくれる。
大人はお酒を飲んで嫌なことを忘れるっていうけど、僕の場合、それはゲームだ。
それにこの「遊碼」(ゆめ)というゲームには、どこかなんとなく期待をしていた。
説明も何も書かれていない箱に、入っていたゲームソフト。
白色で、ただ白色で塗られたのか、元の色なのか、わからない白色の箱。
ソフトも白色で、何も分からない。
しかしそれが全てを物語っている様相だった。
2日目の今日、チュートリアルは全て終え、自分の思い通りに進行できる時が来た。
チュートリアルなんて、スキップしたいくらいだった。そのチュートリアルも物語の説明はなく、操作の説明を極めるようなものだった。
果たして何からしようか?
というよりは、何をすればいいのか?
どうして、説明書は付いていないのか?
秀太から聞いていたことは、
「取り敢えず、チュートリアルを終わらせろー」だった。
そしてそれは終わっている。
特に達成感も、何も得られないまま、途方にくれていた。
そんなところに着信があった。
「取り敢えず、これからはゲームを付けて寝ろ」というような内容だ。
まぁやることもない僕は従い寝ることにした。ゲームを付けたまま。なぜなのだろうか。
朝になった。
けれど、秀太の声は聞こえなかった。
由美香の声もなかった。
「まぁ、僕が早く起きたのだろう。」そう考えた。
しかし、時計を見ると8:15だった。
アラームは7:30のはず...
イヤホンをしており、アラームが聞こえなかったようでとにかく急いで学校へ行った。
なんだかんだで、始業時間には間に合い、気付けばまた、放課後だった。
秀太は学校には来なかった。
サボりぐせがあり、まぁそんなものだろうくらいにしか考えなかった。
(実際、秀太の親は朝が早く、秀太よりも先に家を出る。そういう事情で、休んでもバレにくいのだ。いいなぁと思う反面、寂しさも感じられる。)
由美香も珍しく来なかった。
まぁ、でも、至ってほぼいつも通りの1日だったと思う。
違いといえば、今日の朝、珍しくユメをみた。秀太と由美香も出てきた。何をしたかは詳しくは覚えていないが、何かをして遊んだことは確かだった。
ただ、ユメなんて誰だってみるし、物珍しいものでもない。
だから結局はいつも通りの1日だったに違いない、僕はそう思った。
そうして結局今日もゲームをつけたまま眠りに着くのだった。
——————————————————
ふと、目が覚めた。
「時計、時計~~」
時間が気になり、仰向けで寝ているまま、左側にあるであろう目覚まし時計を手探りで探した。
冷たい感覚がし、何か金具を触ったような感じがした。
「あったー」
暗いだろうと目を開けずにそれを掴もうとした。
しかし、掴めなかった。
だから掴み直そうとした。
しかし、掴めなかった。
目を開ければいいものの意地になってしまい、少しの間、時計らしきものと、勝手な暗闇空間で格闘した。
気づけば8時15分。
疲れてしまい、寝ていたのだろうか。
今はそんなことはどうだってよかった。
「ヤバイ」
遅刻しそうな僕は、前のことを振り返っている時間はなく、ただ前にあることに目を向けることしかなかった。
学校には間に合った。
教室のドアの前に立つと、聞き知った声が耳に入ってきた。
会うまでもなく、秀太だと分かった。
それとともに、由美香の声だとも分かった。
わかったと共に、会話も耳に入ってきた。
「あの遊樹からもらったゲームやってる?
パッケージとか、ディスクとか全部真っ黒のやつ。」
「真っ黒で気味が悪いからやってないわ」
「あと、友達に薦めなければ……ってやつは?」
「あれはやったよ。……さんに薦めたわ。やってくれているかはわからないけど。」
「そーなのか。おれはやっているんだが、指令がでるだけで、なんのゲームなのかよくわからないだよなー。」
「秀太は誰に薦めたの?」
「あ~、おれは…」
ここで、チャイムが鳴り、教室に入らざるを得なくなった。
果たして、誰だったのか、どうなるのか、大事な部分が何もわからないまま、今日一日過ごさなければいけないと思うと、なんだか、1日が長くなりそうな予感がした。
1時間目が終わってから、秀太に話しかけに行った。
朝のことが気になったからだ。
しかし、結果から言うと、何も引き出せなかった。ずっと話しをあやふやにしながらうまく流されてしまった。
次に2時間目が終わってから、由美香にも話を聞こうとしたが、教室内に見つからず断念した。きっぱりと。
3時間目の授業に臨もうとした。チャイムが鳴り、自分の席に座り、授業が始まった。
その時、一瞬目の前が暗くなったかと思うと次の時には目には天井が映し出されていた。しかもそれには既視感があった。
「えっ、あっ、えっ?」
状況がよく飲み込めないまま、左手が勝手に動き、何かを探していた。こういうのは反射と言うのか、学習と言うのかどちらでもよかったが少しだけ考えようとしてみた。
(「こんなこと考えるなんてバカだ。」)
頭の中で呟いてみた。
そんなことを考えるよりは、どうして手が伸びたのかを考えるべきだった。
というより、天井を見た時から、薄々、自分の状況は勘ではあるが、どこか理解は出来ていたのかもしれない。
そこは自分の家の自分の部屋の自分のベッドだった。
さっきまで教室にいたはずなのに・・・。
少しの間僕は、無意識に手を伸ばしたことと、なぜ今天井を見ているかの理由を考えていた。結局わかったことは自分が、ベッドの上にいる。この状況は分かった。更に、天井が見えているくらい明るいから、少なくとも夜ではないことも分かった。
さっき頭の中で呟いたように、僕はバカだ。こんな状況なのに、ゲームの電源を触ろうとしていた。あのゲームを。
——————————————————
さて、どのくらいが経ったのだろうか
気付けば日が暮れていた。
不思議なことにゲームはしなかった。
代わりに、ずっと考え事をしていた。
何があったのか?
ここは現実なのか?夢なのか?
‘親に聞けばいい ’
と言われても、
「頭がおかしいんじゃないか」
と言われて終わるだけだと思うし、聞いたところで、それが本当かどうかもわからない。
とりあえず、時計を確認した。
18時20分
ところでさっきは一体何時だったんだろうか?まぁ、いいか。
それから少し経って、晩ごはんを食べに一階へ行った。
少しでも平然を装って何気ない風に接そうと心掛けた。この世界がどんな世界かも理解し得ないまま。
そうして僕は何事もなく、その後、ご飯を食べ、お風呂に入り、諸々をし、自分の部屋に戻った。
と、次の瞬間、瞬きをするくらいの間だろうか、それくらいの瞬間、自分は教室の自分の席にいた。
「はぁ?」
という第一声とともに、視線が刺さるのを感じた。
——————————————————
本当に何が起こっているか分からない。
目を閉じれば自分の部屋に居てるし、瞬きするだけで教室に戻ってきていた。なんなんだろうか?
混乱状態。いや、錯乱といってもいいだろう。
しかし、ここで普通に考えてみよう。
‘教室で寝てしまい、自分の部屋にいる「夢」をみていた。そうして起きて、今、教室にいる’
こうゆうことではなかろうか。
しかし、普通ならこう考えるというだけであって、僕自身考えが浮かばず、ただただ戸惑っているだけである。
いや、さらに言ってみても、あの‘普通’の考え方こそ、というよりそれ以外はうかばないはずである。
しっかりと完結まで持っていきたいと思いますので温かい目で見守っていただけたらありがたいです。