Prologue
初めまして、霧山です。
はじめて小説を書いてるので、何か誤字、落字、文法的なミスがあった場合、指摘をお願い致します。
そして、楽しんでください……
誰にもこんな日があるのだろうか?
誰にもこんな時があるのだろうか?
生まれる前に己の存在を定めきった、自分勝手な概念。脳が色さえ理解できずにいる頃に目が捉えた、空しい光。初めて意味を持つ言葉を吐き出すときに震わせた、無臭の空気。幼き日々から感じてきた、つまらない世界。
それらが今までにないほど愛おしく感じさせる暴力的な幻影と出会う瞬間が……
「あ……まね……」
今にでも炸裂してしまいそうな頭を叩き起こして、焦点を失った目でぼんやりとノイズの入った世界を見据えた。
「来るなっ……隠れてろ!」
疎らに木の生えた森林の奥、声を振り絞るぼろぼろの少年とその側に駆け寄ろうとする少女がいた。
「汝も邪魔ですね。倒れてもらいましょうか」
聞いたことのあるような、ないような機械的な声が空気を震わせた。
果たしてこんなことはありえるのか? ただものを言うだけで空気が変質してしまうことは。
多くの人々は想像していた。いつか、「今」と違う時を。どこか、「ここ」と違う場所を。
それらをその「多くの人々」に差し出すことができればよかったと、悠慧は思っていた。遥か昔から、遠い未来まで。
しかし、そうはいかなかった。そうであってはならなかった。
これほど光を不規則に歪み、空気を不純物で匂わせ、世界を完膚なきまでぶち壊す、朧げな夢にしか形作らない「世界」が無兆候に悠慧のすべてを取り囲んだ。
「へぇ?」
僧侶の言葉に少女はやっと抜けていた魂が遠い場所から帰ってきたかように再び周囲のことを観察する。
一瞬のうち、数多の流弾が少女の前を埋め尽くした。彼女の悠慧のように丈夫であればいいが、そうでなければ死んでもおかしくないだろう。
どの関節も悲鳴を上げる身体に対して、血が滲み出るほど奥歯を食いしばる。
それでも、悠慧はその世界に立ち向かうしか選べる行動はなかった。
それでも、悠慧は死力でその傷だらけの身体を奮い起こすしか選択肢はなかった。
最後に、よくよく思い返してみれば、これらは本当に幻影だったのか……
何せ、人々は歴史を持たない古から歩みを停めようとしていないのだから……




