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この石には意志がある!  作者: 一狼
第1部 「幼女」 / 第1章 ファルト村・激闘編
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008.防衛線ー準備

「村長! 大変だ、盗賊団が攻めて来た!」


「何じゃ血相を変えて唐突に。盗賊団じゃと?」


 ブランの突拍子もない言葉に、村長は困惑しながらも丁寧に対応する。


「ああ、餓狼盗賊団って言ってた。村に侵入したのは1人だったけど、グレイウルフを従えてたんだ」


 グレイウルフと聞き、村長は思案する。


 おそらく、村の周辺で見かけた狼系の魔物の事を思い出したのだろう。


 先行偵察として村に侵入してきた3匹のグレイウルフを従えた盗賊は、まぁ、あっさりと撃退した。


 ジルとブラン達のたった4人で。


 うん、マジビックリ。


 こいつらのケンカ――最早ケンカのレベルを超えていた訳だが――は脅威度Eの魔物すら簡単に倒せるほどと言う事だ。


 ジルに他の村の子供を見させてもらったけど、ジルやブランほど強いと言う訳じゃなかった。


 つまり、こいつらが異常だと言う事だ。


 実際にさっきの戦闘だってグレイウルフ3匹は、ベッシュが【風魔法】で動きを阻害し、ビリガーの【二刀流】で攻撃され左程ない時間で倒された。


 ブランは盗賊の男に【騎士】スキルで襲い掛かり、ジルが3人の援護をする。


 ぼーちゃんの伸縮やめーちゃんを上手く使い、上手く3人を援護していた。


 普段からやりあっているからか、3人の連携にも上手く入り込めていたしな。


 ただ、ブランは上手く戦っていたものの、流石に大人相手は初めてだったのか盗賊は惜しくも逃がしてしまった。


 そしてジルとブラン達は直ぐに村長へと報告に来たわけだ。


「その話が本当なら、盗賊とグレイウルフはどうしたのじゃ?」


「グレイウルフ3匹は倒したけど、盗賊を逃がしてしまったんだ。仲間を引き連れて戻って来るよ。早く何とかしないと!」


「なんと! お主らグレイウルフを倒したじゃと!?」


「うんー、本当だよー」


 ブランだけの言葉じゃ信じてもらえなかったが、流石にジルの言葉を聞いて村長も信じてもらえたみたいだ。


「馬鹿者が! 子供だけで魔物を相手するとは大怪我でもしたらどうするつもりじゃ!」


 村長の怒鳴り声にジルとブラン達は思わず肩を竦める。


「で、でも、俺達倒した……」


「倒せたからいいと言う訳じゃないぞ! お主らが幾ら強くてもまだ子供だと言う事を理解するのじゃ!」


 いい訳しようとしたブランを遮り村長は4人を叱った。


 まぁ、確かに魔物を倒すほどのジル達は凄んだけど、村長の言う通りやっぱりまだ7歳児の子供なんだよな。


 うん、これは俺も悪かったな。


 グレイウルフが現れた時点で直ぐに逃げて大人たちに知らせに向かわせるべきだったんだ。


「それで、お主たちは怪我は無いのか?」


「う・うん……」


 流石に叱られたことに堪えたブランはおずおずと答えた。


 そうなんだよなぁ~。


 ジル達は掠り傷一つついてないんだよ。


 それで村に盗賊団が侵入してきたと報告するくらいに増長してしまうのも致し方ないかと。


「そうか……怪我などしなくて良かった……」


 そう言って村長は優しくジル達に言葉を掛ける。


 ブラン達も流石に自分たちが危険な事をしたと自覚したのか、申し訳なさそうに村長の言葉を受け入れていた。


 まぁ、ジルは心配をかけたのは申し訳なかったと思っているものの、盗賊とグレイウルフの撃退は必要な事だったと毅然とした態度でいたが。


 とても7歳児とは思えんな、この子。


「村長、大変だ!」


 ジル達に説教をし、怪我の有無を確認した村長は早速盗賊団に対応するために行動を起こそうとすると、そこにジルの親父さんが現れた。


 それもかなり焦った様子で。


「ジル! 無事だったか! 怪我は無いか!?」


 そして傍にいるジルに気が付いた親父さんは真っ先に駆け寄る。


「うんー、大丈夫だよー。どうしたのー? おとーさんー」


「ああ、そうだった。村長、大変だ。村を盗賊団が囲っている」


「ああ、それはこの子たちからも聞いた。先に村に侵入してきた盗賊が居り、この子たちが退けたのじゃ」


 ジル達が先行した盗賊を撃退したことを知った親父さんはギョッとし、再びジルに詰め寄った。


「盗賊を撃退したって、無事なのか!? 怪我は無いのか!?」


「おとーさんー、それさっきもやったー。大丈夫だよー、怪我は無いよー」


「そ、そうか……怪我が無くて何よりだ。

 村長、村を囲っている盗賊は餓狼盗賊団だ。グレイウルフを従えて村を包囲している」


「そうらしいの。ハル、お主は直ぐに主だったものを集め、村人の避難と防衛の準備をするのじゃ。ブラン達は直ぐに教会へ避難じゃ」


 ジル達が撃退した盗賊が村を包囲している盗賊団に戻れば直ぐにでも襲撃してくるだろう。


 余裕を見せていたぶるつもりが、逆に反撃を喰らい面子を潰されたのだからな。


「え、でも村長、お父さんやお母さんが……」


「大丈夫じゃ、直ぐに家の者も教会へ避難させる。まずはお主たちだけでも先に避難するのじゃ。これから避難する教会への連絡係と思ってもらえばよい」


 ブラン達は子供だけが先に避難する事に難を示していたが、連絡係と聞いて直に教会へと向かった。


「おとーさんー、気を付けてねー」


「ああ、ジルもお母さんやアルの事を頼んだぞ」


 ジルは親父さんに母親とアルベルトの事を頼まれて、ブラン達の後を追って教会へと向かった。




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