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この石には意志がある!  作者: 一狼
第4章 迷宮大森林・疾走編
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065.子フェンリル

「きゅーちゃんがモンスターがこっちに向かって来ているってー」


 ジルの言葉を聞いて、シロップとクローディアがそれぞれの武器を構え警戒する。


 こちらに向かって来ている気配(モンスター)は1匹と3匹。


 何故1匹と3匹とで分けているかと言えば、どうやら先頭の1匹を3匹が追いかけているようだったからだ。


 その先頭の1匹が森を抜けて俺達の居る休憩場に現れる。


「キャンキャン!」


 現れたのは小さな子犬だ。


 その子犬は真っ直ぐジルの前に来て、直ぐに振り返り追いかけてきた3匹に向かって可愛い声で威嚇する。


「キャウウウウゥゥッ!」


「ウォフ!」


 3匹のうち1匹が子犬とジル達を見渡し、直ぐに残り2匹に命令を下し囲う様に左右に散る。


 うむむ? 目の前の3匹は明らかに狼系のモンスターに見えるが、ジルの前に庇うように立ち塞がる子犬もモンスターか?




 種族:フェンリル

 属性:月

 状態:幼体

 脅威度:S




 種族:ケイオスウルフ

 属性:闇

 スキル:混沌狼Lv33

 脅威度:A(群れ:S)




 種族:フォレストウルフ

 属性:風

 脅威度:B(群れ:A)




 【鑑定】を掛けた結果を見て俺は驚く。


 え? 目の前のこの子犬がフェンリル!?


 真っ白な体には所々怪我をしていて血が流れている。


 だが脅威度Sのモンスターである故か、怯むことなく追いかけてきた3匹を威嚇していた。


 追いかけてきた3匹の内1匹――ケイオスウルフはリーダーらしく、全身が真っ黒で顔には赤黒い隈取りのような模様が脈動している。


 残りの2匹はフォレストウルフで基本は緑色の体毛をしており、背中に黄色の虎模様をしていた。


「えっとー、目の前のこの子はフェンリルでー、真っ黒なのがケイオスウルフー、緑色がフォレストウルフー」


「ええっ!? ちょっと、フェンリルって脅威度Sのモンスターじゃん! 何でそんなのがここに居るのよ!」


「いえ、見たところその子は敵対する意思は無いようです。わたくし達を守っているようにも見えます。

 寧ろケイオスウルフとフォレストウルフが厄介ですよ」


 まぁ、シロップが驚くのは無理もないよなぁ。


 幼体とは言え、脅威度Sのモンスターだ。


 脅威度で言えばリヴァイアサンに匹敵する強さを誇るはずだ。


 今のところは味方っぽいから心配はいらないが。何故だか知らないが。


 警戒は怠らず取り敢えず追いかけてきた3匹の方をどうにかしないとな。


 クローディアの言う通り、ケイオスウルフとフォレストウルフは厄介だ。


 混沌(ケイオス)の名の通り、闇属性のモンスターだ。


 先のアサシンバニーのように闇に紛れて暗殺や奇襲を得意としている。


 今はこうして目の前に姿を現しているが、だからと言って安心できるのかと言えばそれは間違いだ。


 このモンスターの厄介なところは暗殺や奇襲だけでなく、目の前に現れてからの催眠を使った戦闘なのだ。


 場を混乱させ、戦場を操るのがケイオスウルフの真骨頂でもある。


 そしてフォレストウルフも森の中では格上のモンスターすら屠ることがある、森の王者でもある。


 まぁ、格上を屠るのは群れでと言う条件があるが。


 目の前に居るのは2匹だけだが、それでも脅威なのは変わらない。


「ジルベールさんにはケイオスウルフをお願いしますね。わたくし達はフォレストウルフを倒しますので」


「了解ー」


 ジルは石空間からぼーちゃんを取出しケイオスウルフに向かって構える。


 子フェンリルもジルの隣に並んでケイオスウルフを牙をむく。


「ヴォン!」


 ケイオスウルフもそれぞれ分断された戦闘をさせられまいとフォレストウルフに命令し、互いの位置を入れ替えながらジル達に襲い掛かってきた。


 ジルの背後の影から爪の斬撃が飛んでくる。


 だがその影の爪はジルを素通りする。


「ヴォフ!?」


 ふっふっふ、まさか自分が騙されるとは思っていなかっただろうな。


 俺はケイオスウルフが向かってくると直ぐに【幻影】と【光魔法】の【ミラージュ】を使ったのだ。


 ケイオスウルフは幻影に向かって攻撃したことになる。


 ジルはその隙を突いてぼーちゃんを伸ばし、薙ぎ払い攻撃をする。


「ぼーちゃんー!」


『任せてください、マスター!』


 それでもケイオスウルフとフォレストウルフの1匹は、ぼーちゃんの薙ぎ払い攻撃を躱したが、残り1匹のフォレストウルフは弾き飛ばされる。


 その1匹にクローディアが向かう。


 向こうは任せても大丈夫だろう。


 逃げた筈のケイオスウルフに子フェンリルが果敢にも向かい、その首に牙を突きたてる。


「ヴォオン!」


「キュウゥ!」


 子フェンリルを振りほどこうと首を振り回すケイオスウルフ。


 同時に自身の影から爪を伸ばし、子フェンリルに向かって斬撃を放つ。


 させねぇよ。


 ジルがぼーちゃんで影の爪を弾きながら、やーちゃんでケイオスウルフの頭を攻撃する。


 当然、やーちゃんの貫通攻撃を防げずに、そのままケイオスウルフは力無く崩れ落ちる。


 油断大敵とばかりに完全な止めを刺すべく、子フェンリルが離れたのを見計らいめーちゃんを放つジル。


 曲線を描きながら【ストーンコレクター】のレベルアップで斬撃の形状変化を得ためーちゃんの攻撃で、ケイオスウルフの首は飛ばされる。


 ケイオスウルフは何が起きたのか分からずに倒されただろう。


 ケイオスウルフは最初の命令と追加の命令時に【催眠】をジル達に放ち、場を支配していた気になっていたのだ。


 当然、俺はそれを直ぐに【解除】と【覚醒】で【催眠】を解いていた。


 ついでに【覚醒】でジル達の身体能力のアップもおまけつきだ。


 ケイオスウルフの得意技を封じてしまえばこんな物だろう。


 シロップとクローディアを見れば、それぞれフォレストウルフを倒し終えていた。


 クローディアはあっさりとケイオスウルフとフォレストウルフを倒せていたことに少々戸惑ってはいたが。












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