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この石には意志がある!  作者: 一狼
第3章 ブロークンハート大陸・海渡編
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032.港町フォルスへ

 マックスの協力の元、ジルはサーズの町の冒険者ギルドで2・3の依頼を受け、西大陸――ハーフハート大陸へ渡る為の費用を稼いだ。


 運良く、結構高めの依頼が受けられたので2日ほどで目標の大銀貨5枚よりも少し多めの大銀貨7枚を稼ぐことが出来た。


「(これで港町フォルスに行けるねー)」


『ああ、マックスには感謝だな』


「マックスー、ありがとーねー。お蔭で直ぐに渡航費用が溜まったよー」


 ジルはこれまで協力してくれたマックスに感謝の意を示す。


「良かったな。明日にでもフォルスへ向かうのか?」


「うんー、なる早で西大陸に戻らないとー」


「そういや、敢えて理由は聞かなかったが、西大陸には何の用なんだ?」


「(きゅーちゃんー、どうしよー? 教えるー?)」


 うーむ、全部教える必要は無いが、ミニィさんに話した転移迷宮に迷い込んで東大陸に飛ばされた事は説明していいだろう。


 ここまで協力してくれた手前もあるし。


『ミニィさんに話した同じ理由でいいだろう。西大陸から転移迷宮に迷い込んで東大陸に飛ばされて来たってな』


「(分かったー)」


 マックスに重要な点を省いた理由を話すと、一応だが納得してくれた。


「なるほどなー。それで西大陸に戻りたいってわけだ。家族も待ってるんだろ? そりゃぁ早く戻りたいわな」


「うん、そうなのー。アル君――弟が待ってるのー」


「よし、それなら確実にジルちゃんを故郷にまで送っていかないとな。明日からもよろしく頼むぜ」


「えー?」


「え?」


 あれ? 何かマックスから可笑しな言葉が飛び出してきたような気が……


「えーっとー、マックス、付いてくるのー?」


「おいおい、前にも言ったじゃないか。子供を守るのが大人の役目なんだよ。例えジルちゃんがメチャクチャ強くてもな」


 そう言いながらマックスはジルの頭をポンポンと撫でる。


「だから黙って素直に大人に甘えておきな」


『そう、だな。ジル、ここは素直に甘えさせてもらえ』


「分かったー、ありがとうねー。明日からもよろしくねー」


「おう」


 こうして俺達はマックスと正式にパーティーを組むことになった。


 明日、港町に向かうと言う事で、冒険者ギルドの宿泊施設に最後のお泊りとなる。


 この3日間ですっかり仲良くなったミニィさんはジルが明日サーズの町から出ていくと知ると、一瞬寂しい表情を見せたものの、笑顔で「良かったわね」と喜んでくれた。


 因みに、ミニィさんは冒険者ギルドの宿泊施設を紹介してくれたわけだが、実は宿に泊まるためにギルドの外に出たところをトンヌラ達からの襲撃が予想されていたので、マックスがミニィさんにさり気なく進言してくれていたらしい。


 確かにトンヌラの性格を考えれば、子供1人が外でおのぼりさんをしていれば襲ってくれって言ってるようなものだからな。


「それじゃー、いろいろありがとうございましたー」


「どういたしまして。ジルちゃん、良かったらまたサーズの町に来てね。今度はちゃんとした旅行でね」


「うんー、また来るねー。将来東大陸を開拓するために来るかもー?」


「お、大きく出たわね。ジルちゃんならやってくれそうな気がするわね。それじゃ、その時を楽しみに待ってるわね」


「うんー、それじゃー、ばいばーいー」


 最後までよくしてくれたミニィさんに別れを告げ、ジルとマックスは港町フォルスへと向かう。


「港町まで馬車で20日間くらいだっけー?」


「俺達だと約6日で着くな」


「途中で他の町や村に寄るのー?」


「うーん、俺のマジックバックやジルちゃんのかめちゃんだっけ? 食料や消耗品があるから敢えてよる必要は無いんだよな」


「強いて言うならベットで寝れるとかー?」


「そうだな。野宿よりはベットで休めた方が体力もそんなに損耗しないからな。まぁ、行程が噛み合ったら町に泊まると言う事で」


 馬車とジル達の移動速度が違うからな。


 タイミングよく宿泊施設に泊まれるのはまずは無いだろう。


 港町までの旅はそれ程トラブルも無く順調だった。


 まぁ、モンスター――ファンタジーの定番・ゴブリンが襲ってきたこともあったが、ジルとマックスには今更の相手だ。


 逆にジルとマックスのどちらが多くゴブリンを倒せるかなどのゲームの相手をさせられたくらいだ。


 そして、予定通り6日ほどでジル達は港町フォルスへと到着した。


「んー? なんかべたべたするー」


『ああ、それは潮風の所為だな。海が近いと言う事は、もう少しで港町だ』


「海には塩が含まれているから風にも影響があるんだよ。そういやジルちゃんは海は初めてか?」


「うんー、初めてー」


「お、それじゃあ楽しみにしてな。海を見たら驚くぜ」


 そう言えばジルは村から出たことが無いから海も見たことが無いか。


 問題なく港町フォルスに到着し、冒険者ギルドカードを見せて町中へと入る。


 ジル1人だけだったら不審な目で見られただろうが、マックスも一緒だったのですんなり入ることが出来た。


 あー、そうか。マックスは仮の保護者の役割も兼ねているのか。


 俺もジルの保護者のつもりだが、流石に石を保護者として見てくれる輩は居ないからなぁ。


 そう言った意味でもマックスが同行してくれているのはありがたいな。


「さて、どうする? まずは宿を取るか?」


「ううんー。まずは西大陸に向かう船を捜すー」


「ま、そう言うよな。分かってるよ。船を捜してから宿だな」


 ジルの要望に応え、マックスと一緒に西大陸に向かう船を捜す。


 だが今の港町フォルスでは西大陸に向かう船はおろか、漁に出る船すら1隻も出ていないことが判明した。










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