表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この石には意志がある!  作者: 一狼
第3章 ブロークンハート大陸・海渡編
33/357

030.テンプレ2

 コカトリスを無事倒し、ジルとマックスは行きと同じくらいの時間でサーズの町に戻ってきた。


 まぁ、町に近づくとふーちゃんの速度を落としてなるべく注目を浴びない様にするが。


「いやぁ~、それにしてもパーティーを組んで移動時間がこれだけ節約になったのは初めてだなぁ~」


「もしかして、ソロで居るのはスキルの所為ー?」


「まぁな。最初の頃は仲間と一緒に居たんだけど、その内俺のスキルの影響で移動や戦闘が突出してきてな。色々あって今じゃ1人だよ」


 【韋駄天】スキルは有能だが、それはそれで落とし穴があったんだな。


「今はソロの方が気楽で、たま~にパーティーを組んで助っ人に駆り出される感じだな。っと、サーズの町が見えてきたな」


 サーズの町が見えてきたところでふーちゃんの速度を落としゆっくりと歩を進める。


 だが町に近づく間に【気配察知】に反応があり、俺達を付けている3つの気配があるのに気が付いた。


 んん~? この【気配察知】に引っかかった気配は何処かで感じたような……


 まぁ、取り敢えずマックスにも付けている奴が居ることを教えておく。


「お? ジルちゃんもしかしてスキル無しで気配を感じることが出来るのか? 流石だなぁ」


 いえ、俺のスキルのお蔭です。


 マックスの言う通り、この世界は別にスキルが無くてもそれぞれの技能が使えたりする。


 例えば【剣術】スキルが無くても剣を振ることが出来るからな。


「付けている奴はそれほど心配しなくてもいいぜ。多分だがあいつらだからだろうからな」


「あいつらー?」


「そ、あいつら。お、噂をすればわざわざ向こうから姿を現してくれたぜ」


 サーズへの町の道すがらで、一番人通りが少なくなる場所に差し掛かったところで【気配察知】で近づく3つの気配を感じ取る。


「けっ、韋駄天に助けてもらって一丁前に一人前気取りか? てめぇみてぇなコスイ野郎が冒険者とはサーズの町の面汚しだな」


「ハァハァ、可愛いお嬢ちゃんのお持ち帰り、お持ち帰り……」


「んー、せめて自力で依頼を達成して欲しかったなぁ。ちょっと君の事は期待してたんだよ」


 因みにジルは女の子だから野郎じゃないんだがな。


 はぁ~、なるほど。こいつらか。


 テンプレ3人組。


 別名かませさん。


 わざわざ咬ませ犬になりに来たんだな。


 と言うか、俺達が依頼から戻って来るのをわざわざ待ち伏せしていたのか? 暇人さんめ。


 まぁ、どの依頼を受けたか分からないから町に戻って来るところを狙っていたんだろうが。


 コカトリスの卵の採取の依頼を受けていたと分かっていたら襲う真似なんかしなかったのかもしれないが……


 あ、いや、それは無いか。


 マックスに寄生して依頼を達成したと思うだろうな。


「おいおい、言っておくが俺はただちょこっと手伝いをしただけで、依頼を達成したのはジルちゃんの実力だぜ」


「うるせぇ! 韋駄天、てめぇには聞いてねぇ! と言うか、てめぇも気に入らねぇんだよ! ソロを気取って二つ名が韋駄天だぁ!? 生意気なんだよ。ソロの分際で」


 え~~、マックスにまでいちゃもんをつけ始めてたよ、トンヌラ(こいつ)


 って、マックスはB級だろ。お前らD級。差がありすぎるんだが。


 よっぽどマックスが気に入らなかったのか、それともマックスのB級はハッタリだと勘違いしてるのか。


 もしかしてこいつらは【韋駄天】をただの移動力だけで戦闘力に結び付けることが出来ないのかもな。


「ねぇー、わざわざ私達を付けて何をしたいのー?」


 このまま黙っていれば永遠に悪辣を言い放ちそうなトンヌラを遮ってジルがここに来た目的を聞いた。


「あ゛あ゛!? そんなのてめぇらを仕置に来たに決まってるだろ! てめぇには実力に見合わない冒険者をやっていたことを後悔させてやる。韋駄天は生意気に増長したその花をへし折ってやりに来たんだよ!」


「すっごい理不尽な理由ー」


「ははっ、世の中は理不尽なことだらけなんよ、お嬢ちゃん」


 カッコつけながらポーズを取る取り巻きその2(カングルン)


「さて、後悔するのはどっちかな? 相手の実力を見極める目を持つのも冒険者としての実力の1つなんだが、どうもお前らはその能力が欠如しているようだな」


「けっ、ふざけてろ。おい、お前ら! あいつらに冒険者をやっていたことを後悔させてやれ!」


「はいはい、リーダーはサーズの町思いだねぇ」


「ハァハァ、アニキ、お持ち帰りしていい?」


「ああ、持ち帰って好きなだけ可愛がってやりな」


 うーむ、こいつらもしかして陰でこういう事色々やっていたのか?


 町の為とか冒険者のメンツとか言いながら駆け出しとか突出した冒険者を陰で襲っていたとか。


 何か、常習犯っぽいんだが。


「ジルちゃんならこいつら程度問題ないだろうから、1人でやって実力差を見せつけてやりな。いざとなったら俺が助太刀するよ」


「うんー、それは構わないけどー、もしかしてこうなることを見越して私とパーティーを組んでくれたのー?」


「……さぁ、それはどうだろうな。見て分かる通り、あいつら素行がちょっと怪しかったからジルちゃんを囮にして釣り出したかもしれないぜ」


 あー、そうか。ジルを心配してパーティーを組んでくれたってのもあるか。


 あそこでいちゃもんを付けられ目を付けられたからな。


 わざわざマックスが出張ってきたのはこうなることを見越してか。


 まぁ、マックスが照れ隠しで釣りの餌代わりにしたと言っているが、そこはご愛嬌だろう。


 そしてジルとマックスの会話でテンプレ3人組の相手をジル1人ですると分かるとトンヌラは目に見えて怒りを顕わにして憤怒の表情で襲い掛かってきた。


 うん、さっきの会話は挑発の意味もあるんだろうな。


 と言うか、どんだけ沸点が低いんだ、こいつ。


 ジルは取り敢えず無力化を優先して、殺傷能力が低いぼーちゃんを取出し迎え撃つ。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ