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この石には意志がある!  作者: 一狼
第2章 勇者・召喚編
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021.転移迷宮

 光が治まるとそこは先程の部屋と一変していた。


 ソファやテーブルは同じだが、この部屋は先程の部屋とは違い茶焦げ色の土を思わせる壁をしていた。


 どうやらソファやテーブルは一緒に転移してきたようだ。


 ジルは転移の影響か気を失って倒れている。


 俺はすぐさまジルの様子を見るが、どうやら体には異常がないようだ。


 俺はジルに異常がないと分かると次に【危険察知】【危険探知】【気配探知】【魔力探知】を走らせる。


 ……っほ。どうやら今の時点では危険はないようだ。


 後は現状把握だな。


 何処に飛ばされたのかを確認する為、【マップ】【鑑定】を使う。


 ん、んん~~~~?


 【マップ】によると俺達は王都から動いていないように見える。


 【鑑定】によるとここは転移迷宮2階と表示された。


 どういうことだ?


 王都のど真ん中に迷宮(ダンジョン)が存在しているのか?


 俺は更に転移迷宮を【鑑定】してみる。




 名称:転移迷宮

 種類:封鎖迷宮

 詳細:聖王国セントルイズ王都セントールの地下5kmに存在する迷宮

    その広さは王都セントールの約2倍ほど。階層は5階

    この迷宮には出入り口は無く、転移でしか出入りが出来ない




 ………………マジか。


 地下5kmに出入り口が無い、だと。


「……んー? ここどこー?」


 この時になってジルがようやく目を覚ます。


 俺は現在置かれている状況を話す。


「きゅーちゃんー、こめんー。アル君に会えば何とかなると思って見通しが甘かったー」


『いや、俺も油断しすぎた。まさかいきなりあんな強硬手段を取るとは思わなかったからな』


「だけどこれで教会は信用できなくなったー」


『ああ、少なくともあのクソババァは敵だ。となると、アルベルトが本気で心配だな。あのクソババァがアルベルト――勇者をまともに運用するとは思えん』


「うんー、一刻も早くアル君を連れ出さないとー」


『その為にはまずはこの転移迷宮から出ないとな』


「でも出入り口が無いんでしょー? どうするのー?」


『【鑑定】によれば転移でしか出入りできないから、外に出る転移魔法陣を捜すしかないな』


「でも私迷宮なんて初めてー」


『そこは俺に任せな。【百花繚乱】の多彩さの見せ所だ。【マップ】【罠感知】【罠解除】【気配探知】【魔力探知】【ライト】何でもござれだ』


「きゅーちゃん頼もしー」


 ジルはぼーちゃんとえんちゃんを取出し武装を固め、まずは飛ばされた部屋を出る。


 俺は周囲を警戒しながらジルを先導する。


 部屋の外は一般的な洞窟のような迷宮だが、何処か整理然としており人工的な感じを受けた。


 探索を開始して最初の内は【罠感知】や【気配探知】【魔力探知】で1つ1つ部屋を慎重に行動していたが、罠どころかモンスターの1匹すら見当たらず何処か拍子抜けした。


「んー? 何にもないねー」


『……ああ、何にもないのはいいことだが、ここまで何にも無いとそれ自体が罠じゃないかと疑っちまうな』


 考えたくないが、この転移迷宮に捉われたこと自体が罠かもしれない。


 出入り口が無い。つまり下手をすれば一生ここから出られないと言う事だ。


 【鑑定】には転移で出入り可能とあるから出ることは出来るはずだからそれを信じるしかない。


 ただ……このまま闇雲に動き回っていても出口の魔法陣が見つかるとは思えない。


 何せ広さは王都の2倍だからな。しかも5階層の。


 どうする?


 ―――――っ!?


『ジル! 気を付けろ! 正面からモンスターが1匹向かってくるぞ!』


「了解ー!」


 脱出方法を考慮していると【気配探知】にモンスターの反応があった。


 【マップ】のルートを見ると明らかにこちらを捉えてまっすぐ向かってきている。


『BUMOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!!』


 視界の範囲に現れたモンスターはあの有名な牛の頭を持つモンスター・ミノタウロスだった。




 種族:ミノタウロス・ロード

 属性:火・土

 脅威度:B




 やばいやばいやばい!


 現れたのはただのミノタウロスじゃない。ミノタウロス・ロード――つまりミノタウロスの王だ。


 しかも脅威度Bって何なんだよ!


 確か冒険者ギルドに登録した時に聞いたモンスターのランクは冒険者ランクに準じての強さと言われている。


 つまり、脅威度DのモンスターはD級の冒険者が倒せる強さと言う事だ。


 そしてミノタウロス・ロードはB級の冒険者でなければ無理。


 まぁ、ランクや脅威度は絶対と言う訳じゃない。


 D級で脅威度Bのモンスターを狩るジャイアントキリングがあったりするが、そう言う規格外の冒険者は稀だ。


 そして幾らジルが戦闘出来る規格外幼女だとしても流石に脅威度Bはヤバい。


『ジル! 逃げるぞ!』


「えーっ!? 逃げるのー!?」


『おまっ、相手見て物を言えよ! 目の前のモンスターはミノタウロス・ロード! 脅威度Bなんだよ!』


「んー? そうー? そんなに強く見えないけどー?」


 ちょっ、この子の目、どうかしてんのっ!?


 明らかにおっかない姿してんのに強く見えないだと!?


「まずは戦ってみるー。ダメだったら逃げるのー」


 俺が止める間もなく、ジルはぼーちゃんからはーちゃんに持ち替えてミノタウロス・ロードへ向かって行った。












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