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この石には意志がある!  作者: 一狼
第2章 勇者・召喚編
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Side-2 アルベルト1

 おかあさんといっしょにきょうかいにぶれっしんぐをうけたら、ゆうしゃだっていわれた。


 そしたらおおぜいのおとなのひとがきて、おかあさんからはなされどこかにつれていかれた。


 いま、めのまえになんかこわいおばあさんがいる。


「初めましてアルベルト様、私は枢機卿のマリアベル・グレンタールと申します。Alice神教を代表して心よりご歓迎申し上げます」


「あ、あの……ぼくゆうしゃだっていわれたけど……」


「はい、アルベルト様は我々が探し求めていた勇者になります。アルベルト様にはここで力を付けて頂いて魔王を討ってもらいます」


 ゆうしゃっていわれてすごくうれしいけど、なんかこのおばあさんこわい……


「おとうさんとおかあさんは……? おねえちゃんは……?」


「残念ですが、勇者となられたアルベルト様とは一緒には居れません。最早アルベルト様は世界を救う希望の星なのです。今は一刻でも早く力を付けて頂いて、世界の先頭に立っていただかなければなりません」


 ……そんなのやだ。おとうさんやおかさんといっしょにいたい。おねえちゃんといっしょにいたい。


 いっしょにいられないんだったらゆうしゃなんていらない。


「やだ。おうちかえりたい」


「不安なのは分かります。なので全ては私達Alice神教にお任せください。まずはアルベルト様の潜在能力を見る為に早速その力を拝見いたしましょう」


 こわいおばあさんは、ほかのおとなたちといっしょにぼくをつれてどこかひろいばしょへきた。


 ぼくはいやがったけど、なんだかこのこわいおばあさんのいうことをきかなければとおもってしまった。


「ユーグ部隊長、アルベルト様の力を計りなさい」


「ふーん、こいつが勇者かぁ。見るからに弱っちいガキだな。本当に勇者か?」


「【鑑定】でも間違いなく【勇者】のスキルが表示されてます。御託はいいから早くなさい」


「へいへい。おら、ガキ。こっちへ来い」


 つれてこられたばしょにはおおぜいのおとなのひとたちがいた。


 そのなかでおとうさんのようにこわいひとがこわいおばあさんとはなしている。


 そのこわいひとはぼくをひろばのまんなかへつれていききでできたけんをわたしてきた。


「なにをするの……?」


「お前の強さを見るんだよ。なぁ~に、何にも心配はいらねぇ。好きなように掛かって来な」


 おとうさんはこわいかおをしているけどやさしい。


 でもこのひとはこわいかおをしたこわいひとだ。


 かかってこいっていわれたけど、こわくてできない。


「おら、どうした。てめぇは世界を救う勇者じゃなかったのか?」


「ぼく……ゆうしゃじゃない」


「けっ、こりゃあ駄目だな。ブルっちまっている。こんなんなのが今代の勇者かよ。ま、その方が俺達にとっては都合がいいか」


 なんだがよくわからないことをいってたけど、こわいひとがいきなりけってきたのでぼくはそれどころじゃなかった。


「っげほ!」


「はっはー、まともに入ったぜ。すこしは反応したらどうだい、勇者様」


 いたいいたいいたい!


 おなかがやけるようにいたいよ!


「体の丈夫さはまずまず、今度は剣の腕を見ますよっと」


 こわいひとがきのけんでぼくをたたいてくる。


 なんどもなんどもなんども。


「いたい! やめて! いたいよ!」


 ぼくはきのけんをほうりだしてまるまる。


 それでもこわいひとはたたくのをやめない。


「部隊長ー! やっちまえ!」


「ははっ、所詮勇者って言ってもあんなもんだな」


 ひろばにいたおおぜいのひとがなにかいってるが、ぼくはたたかれるのがいやでまるまっていてきこえない。


「ま、こんなもんか」


 こわいひとがたたくのをやめてぼくにちかづいてきた。


「勇者が現れるまで俺達が一番偉かったんだ。お前が現れた所為で俺達は1段下に格下げだ」


 こわいひとがぼくのかみをつかみあたまをむりやりあげされる。


「表向きはお前の下に俺達が付く。だが実際はお前が下だ。勇者に選ばれたからって勘違いするなよ。所詮お前はただの駒に過ぎないんだ。俺達の華やかな生活の為のな」


 いたみでなにをいっているかわからないうちに、こわいひとがぼくをじめんになげすてる。


「あまり無茶はしないで下さい。壊れたらどうするのですか」


 こわいおばあさんがきてこわいひとにおこっているようにみえた。


「けっ、これくらいで壊れるかよ。仮にも勇者様だぜ。この世は勇者様のご都合のいいように出来ているってな」


「はぁ~、体ではなく心が壊れたらどうするのかって聞いているのです」


「ふははっ、何を神妙な事を言ってるんだか。寧ろそっちの方が都合がいいんじゃねぇか?」


「今から壊れてしまうと後が面倒なのですよ」


「ま、その辺りの調整はあんたに任せるよ。その為のスキルでもあるんだろ、あんたの【指導者】のスキルは」


「そこまで都合のいいスキルではないのですがね……まぁいいでしょう。これからもアルベルト様の訓練をお願いしますよ」


「了~解~」


 こわいひとがこわいわらいがおをしながらどこかにいってしまった。


「さて、アルベルト様。まずはお怪我の治療を。その後は今度は魔法の力を拝見させて頂きます」


 こわいおばあさんがこわいわらいがおをしながらぼくをみてくる。


 いやだ。こわい。かえりたい。


 でもこのこわいおばあさんはぼくをかえしてくれない。


 おねえちゃん、たすけて……










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