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詩*日常から*

アイスクレープ

作者: a i o

レモンケーキのクレープには

ライムソルベをのせて

あの夏が待ってる

防波堤に打ち砕かれる

波の向こう


メレンゲのような雲が

そびえ立つ

あの先には

取り戻せない思い出が

貼りついていて

青空をコラージュする

目を凝らしたところで

眩しくて見えやしないものばかり


喉の奥を通りすぎる冷たさ

レモンはイエロー

ライムはグリーン

クリアな風が横切るブルー

もう忘れてしまった

あの熱を夢みてる


点々と跳ねる海原の輝き

搾った果実のようには

いかない香りを平らげ

真実ともつかない

思い出を重ね

合間合間のクリーム

溺れそうな優しさ

それだけを信じてる


まぶたに光を集めて

瞬きをすれば

弾けてくあわ波

やわらかな生地に包んでも

連れ去るのは音ばかりだから

舌先に残る甘酸っぱさに

ひとり

スプーンを噛み締めている




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