始まり
10歳の凛side
幼い頃たくさんの本で魔法使いが魔物を倒すという物語を読んだ。
その頃の私は今より冷静な性格で魔法使いなんてこの世にいる訳がないと信じていた...。
それから4年後
14歳の凛side
(はっ、はっ、さっきの大きい獣みたいなのって一体何!?)
「ミツケタゾ、オマエミタイナマリョクノタクサンアルムリョクナヤツヲクイタカッタンダ」
『ええー、もう追いつかれたの!?』
私、福永 凛は先程からこの喋る魔物に追われています。
ガシッ...
「ヤットクエル、ハラガヘッテシカタガナカッタンダヨ」
(幼馴染みの綾乃に一緒に帰ろうって誘われた時にいつも通りに一緒に帰ってたらよかったなぁ...私ってやっぱり運が無いなー)
と思いはしたがこいつに喰われてしまうことに別に抵抗感は無かった。
ただ、喰われてしまう前に母が亡くなるまでずっと恨んでいた父親のことを1度でいいから殴りたかったけど...。
まぁ、それももう今更だよね。
私は大人しく目を閉じたすると綾乃の姿が浮かんだ。
(そういえばこれじゃ綾乃との約束破っちゃうなごめんね綾乃)
そう思っていたら、
『凛!そのまま動かないでねっ!!』
と、長年聞き続けた透き通った綺麗な声が聞こえその後私を捕まえていたヤツのグッ...っと言う声と何かがそいつを刺した音が聞こえてその後私の意識は途切れた。