失敗しない寿命の使い方
敵国からの大規模な侵攻により、町は炎に包まれ、そこに住まう命は無残にも散っていく。
数いる精鋭がその命の火を消していく中、巫女を護る立場にあった樹(いつき)は、自身を最後の砦として敵の前に立つ。
そして刀を振りぬき立ち向かい、衝突の瞬間、咄嗟の判断ミスで――死んでしまう。
ふと目覚めたのは、見慣れた自室のベッドの上。
それは、敵が侵攻してくる随分と前の日だった。
――また、戻ったのか――
過去に戻るのは、これで何度目かになる。
そしてそれを知るのは、命の循環、輪廻の渦から外れた魔術師の異端者、那由多(なゆた)唯一人。
一度目の時間遡航から世話になっている那由多に身体の異常の有無を確認してもらうべく尋ねると、今回は違った回答を聞かされることになる。
――君は、過去に戻る度、寿命を削っている。それも、年単位で、だ――
数いる精鋭がその命の火を消していく中、巫女を護る立場にあった樹(いつき)は、自身を最後の砦として敵の前に立つ。
そして刀を振りぬき立ち向かい、衝突の瞬間、咄嗟の判断ミスで――死んでしまう。
ふと目覚めたのは、見慣れた自室のベッドの上。
それは、敵が侵攻してくる随分と前の日だった。
――また、戻ったのか――
過去に戻るのは、これで何度目かになる。
そしてそれを知るのは、命の循環、輪廻の渦から外れた魔術師の異端者、那由多(なゆた)唯一人。
一度目の時間遡航から世話になっている那由多に身体の異常の有無を確認してもらうべく尋ねると、今回は違った回答を聞かされることになる。
――君は、過去に戻る度、寿命を削っている。それも、年単位で、だ――