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大会開催

 また、不思議な夢を見た。


 燃え盛る地獄があった。血涙の止まらぬ悲劇があった。怨嗟に溢れた悪夢があった。誰も何も得ない戦争があった。幾星霜に積み上げられた憎悪があった。それこそ悪魔震災が霞むような暗闇があった。人類種がこの世界に溜め続けてきた負の感情全ては、星そのものを汚染している。


 数え切れないほどの負の情景の中で、一人の少女は泣いていた。


 道端に捨てられた赤ん坊の為に泣いていた。親友に裏切られた少女のために泣いていた。災厄に襲われた青年のために泣いていた。悲哀を文字に綴るしかない詩人のために泣いていた。我が子を手にかける母親のために泣いていた。不在の神に祈る巫女のために泣いていた。報いを受ける暴君のために泣いていた。潤いを知らない貧者のために泣いていた。後悔に沈む科学者のために泣いていた。祖国を奪われた民衆のために泣いていた。狂気に溺れた殺人鬼のために泣いていた。空襲に震える少年のために泣いていた。病を呪う医者のために泣いていた。恋人を守れなかった兵士ののために泣いていた。愛を信じない老人のために泣いていた。名前を忘れられた死者のために泣いていた。どうしようもないくらい救い難い人類のために泣いていた。泣いていた。泣いていた。泣いていた。


 世界に溢れる悲しい全てを見て、滂沱の涙を流していた。


 世界に悲劇があるのは当然だ。誰かが幸福になれば、その分だけ誰かが不幸になる。幸福値は平等ではない。戦争の終わらない国と平和ボケした国では価値観が違う。望んでいるものが違う。だが、共通していることがある。本当は、他者の幸福など誰も望んではいない。誰だって自分が大切だ。欲しいものは同じで、守りたいものが違うから、戦いは止まない。分かり合うことなんて出来ない。そんなことは誰だって分かり切っていることだ。完全な相互理解など不可能だと割り切らなければ、人生という橋は渡れない。


 なのに、どうしてこの少女は泣いているのだろう。彼女の涙が何かを変えるわけではない。本当、どうしてだろう。世界は、こんな無力な少女を笑わせることさえ出来ないというのだろうか。


 数多の地獄を見ながらも泣くことしできない少女に対して、俺が出来ることは胸を貸すことくらいだった。所詮、ちっぽけな人間にできることなど限られている。少女の涙が止まらぬなら、せめて温かいものを感じてもらうことしか出来なかった。明けない夜や止まぬ雨はないと、救いのない言葉を掛けることくらいしかできなかった。


 何もできないことが君の罪なら、俺が共に償おう。


 その言葉を発した瞬間、彼女の嗚咽は激しくなった。結局、夢から醒める瞬間まで、俺は涙の止まらない少女を抱きしめていた。


 随分前に、同じような現実ゆめを見た気がする。




 栄治の住む町は、地方都市だ。海に面した国道を中心とするチェーン店やビルが多くある繁華街と、それに添う形になる住宅街という構図である。大きな港があるが、漁港としての機能はなく、純粋な貿易港として使われている。水質と地形の関係もあり、海水浴が出来る範囲もほとんどない。町の発展は貿易と共にあり、造船技術が地域名物なほどだ。また、繁華街から少し離れた場所に大学があるため、学生街としての面もある。住宅街には学生用のアパートやマンションも多く、休日の繁華街は学生が羽を伸ばすため大変賑わう。食べ物で言えば、団子が有名だ。江戸時代の商人たちが好んでいた名残らしい。


 そんな町の駅前には、大きな市民会館がある。普段は生け花や料理教室、たまに学校が行事で使うことがある。その他の大きなイベントの際も、この市民会館が使われることが多い。そして、本日レジェンドロワイヤルの地方大会会場として扱われるということだ。メインホールには二十台ほどビリヤード台のようなものが配置されている。これはレジェンドロワイヤル用のバトルボード、通称『レジェロワボード』という装置である。それなりに高価なものであるため、地方都市ではこの台数が限界である。むしろ、二十台もあり、カードゲームのために市民会館を貸し切ってくれる市長殿に頭が下がる思いだ。


 大会開催は本日、六月某日日曜日。形式はトーナメント。受付は一週間前の午後五時まで。参加費は五百円。優勝商品は大会限定カードである【進化龍アルティメット】と、全国大会の切符である。準優勝から8位までは未発売の拡張パック1ダースで、それ以下は参加賞として発売済みの拡張パック3つである。


 市民会館のメインホールは、レジェンドロワイヤル地方大会の会場兼待機所となっている。狩道中学カードゲーム部の面々も来ている。面々と言っても、部長の古林後楽、一年生の空津栄治、新城智明の三名だが。


 三名の中で最も目立つのは、後楽だ。中学生離れした肥満体というのもあるが、それ以上に言動が他者の視線を悪い意味で集めていた。


「ふっはっはっは! ついに来ましたぞ、この古林後楽が真にあるべき栄冠を手に入れる日が! これで世界があるべき姿になるというものですな!」


 また始まった。栄治は智明をそっと見るが、どうでもよさそうな顔をしていた。どうやら慣れてしまったらしい。諦めたとも言える。悲しいが、あと二年近くこの男と付き合うことを考えれば、賢明な判断かもしれない。


「それにしても不思議ですな」

「一応訊きますけど、何ですか?」

「誰も自分にサインを求めて来ないのですぞ! 去年この大会に参加した時もこうだったのですが、こんなのおかしいですぞ!」

「そうですか。話しかけないでください。知り合いだと思われたら、恥ずかしいんで」

「何ですぞ、その態度は! この世界で最も偉大なるレジェンドロワイヤルプレイヤーである自分の傍にいるというのに、どうしてそんな言葉が出るんですぞ!」

「てめえの胸に聞け、クソ野郎。あと、偉大なレジェロワプレイヤーはてめえじゃねえから。俺の師匠だから」


 思わず本音が出てしまったが、後楽は最初から栄治の言葉を聴いていなかったらしく、一人で勝手に語りだす。


「全く、下民どもはどうして自分の、いえ、我が古林家の偉大さを理解できないのでしょうな。このような大会をするなど無意味、最初から自分にカードを渡して欲しいものですぞ。どうせ自分が最強なのですから。世間の愚鈍さは最早国家反逆罪レベル、父上や御祖父様もお嘆きになっていますぞ。いつになったら、下民は自分達の偉大さを理解できるのか。我が古林家が己の偉大さに気付いた瞬間より説いているというのに、誰も納得しないのですぞ。父上など古林家のことを義務教育で教えるべきだとわざわざ推奨しているにも関わらず、国家はそれを拒んでいると訊きますぞ。くだらぬ陰謀が渦巻いているのでしょうな。我が一族の素晴らしさを伝えることの重大さに比べれば、この国の他の国民の未来など塵芥に等しいと言うのに。私欲に塗れた政治家のせいで我が一族の偉大さを知らぬ可哀相な人間がいると思うだけで、涙が出てきますぞ。この無駄な時間を消すためには、どうすれば愚劣極まる下民にも我が一族のことを伝えられるのか学習しなければなるますまい。少しは凡俗の考えることを理解する必要が……いや、そのような考え方は我が古林家の尊さを穢してしまいますな。危ないですぞ、あやうく自分はとんでもない過ちを犯すところでしたな。それに気付くとは、やはり自分は偉大ですぞ。自らの偉大さを自覚できるとは、言葉に表現できない素晴らしさ。ああ、凡人であれば目が潰されてしまうでしょうな。自分で自分の偉大さが怖いですぞ。この世界のどこに自分より偉大な人間がいるのでしょうな。ならば、しょうがありませんが、世界が正しく理解できる瞬間を待つとしますぞ! 何、我が一族の偉大さはこの宇宙の星の合計よりも遥か上。如何に下民が愚かであろうと、我が一族の輝かしさにすぐ気付くでしょうぞ! 我が一族を待たせた不敬を不問にするつもりなど全くありませんがな。さあ、今日はその輝きの一片を世界に見せてやりますぞ! まあ、自分と戦えるという名誉に伏して、降参する者が多いでしょうがな! 何の価値もない雑魚の分際で自分と戦おうなどと考える不届きものは流石にいないはずですがな! ふっはっはっはっは! 空津! お前に命令をしてやりますぞ! 自分の偉大さがどんな馬鹿にも分かるようにプリントにまとめるのですぞ! まあ、自分の偉大さはどれだけ賛美の言葉を並べても表現しきれないでしょうが、三億ページまでなら許可できますぞ」

「よく舌も噛まずにそれだけ喋れますね。いや、俺これから試合なんで」

「なっ! 自分の命令を無視するとは、天罰がくだりますぞ!」

「それ、俺が入部してから何回目ですか?」


 本当に後楽の言う通りに天罰が下るなら、栄治はすでに百回は死んでいることだろう。言葉にする内はいいのだが、この先輩は本当に手を出そうとするから面倒だ。本人の身体能力の低さと周囲の『古林後楽は危ない奴』という認識もあって暴力沙汰にはなっていないが、もし事件になったら栄治や智明にも飛び火するのだから勘弁して欲しいものだ。そうでなくとも、後楽と同じ部活というだけで白い目で見られるというのに。


 何はともあれ、栄治は受付で配られた紙を見る。そこには栄治の試合時間と場所が書かれていた。


「えーと、Aの3番は、あれか」


 そこにいた同年代の少年、おそらく対戦相手であろうと人物を見て、栄治は固まった。より正確には足が止まった。


 まず、目つきが悪い。鋭いを通り越して、尖っている。それから、髪型が跳ねている。俗に言う天然パーマだ。体格は栄治より一回り上だろうか。口に咥えているキャンディーらしき物体の棒がタバコにしか見せない。常人がネタで着るような『夜露死苦』と背中にプリントされた真っ黒な上着が妙に似合っている。全体的にだらしなく、気だるそうな雰囲気で椅子に座っている。狩道中学校にはいないタイプだ。早い話、不良っぽい。


「あん?」

「ひっ!」


 相手の視界を受けて、栄治はつい後ずさってしまう。対象的に、人相の悪い少年は顔面を笑みで歪めた。


「蓮下中学一年、岩倉いわくらさとるだ。ヨロシク! てめえは?」


 同い年であることに驚きつつ、栄治は答える。


「か、狩道中学一年、空津栄治だ。よろしく」


 栄治が名乗ると、目つきの悪い少年こと岩倉悟は手を差し出してきた。握手を求めているようだ。人相や言葉使いは悪いが、礼は尽くすタイプのようだ。栄治は快く握手を返した。


 うちの部長よりもちゃんとした人間だな、いやアレとの比較は失礼だよなと考えながら、栄治は自らのデッキをボードの上に置いた。空津栄治、中学生になってからの初の公式戦が開始された。





「先攻は戴くぜ!」


 悟 手札5→6


「俺は【プロトケラウス】を召喚だ!」


【プロトケラウス】

「コスト」3「種族」《恐竜》「PW」1500

「効果」×


 召喚されたのは、四足歩行の恐竜。姿は角のないトリケラトプスと言ったところだ。おそれもそのはずで、このモンスターは、恐竜の中でも、「角竜」の原点とされている恐竜がモチーフとなっている。


「トリガーをセットして、ターンエンドだぜ」


 悟 エナジー3 手札4 ライフ5 トリガー1 フィールド【プロトケラウス】


「俺のターンだ」


 栄治 エナジー3→4 手札5→6


「俺は手札から、【スターレッド】を召喚!」


【スターレッド】

「コスト」3「種族」《戦士》「PW」1000+

「効果」自分のバトルステップ時、このモンスターのPWは+1000される。


 栄治が赤き星の戦士を召喚すると、悟は眉をひそめた。


「【スター】使いか。《戦士》ってのは戦い方が多いから厄介だぜ」

「そう言う岩倉は《亜竜》か」

「まあ、俺は守りとか性に合わないからな。攻撃特化の《亜竜》は肌に合うんだな、これが!」


 レジェンドロワイヤルにおいて、《種族》にはそれぞれ特色がある。《幽鬼》ならば墓地からの特殊召喚、《精霊》ならばライフの回復、《植物》ならばエナジーのチャージといった具合だ。後楽の《幻獣》は様々な効果のモンスターがおり、「特徴がない」ことが特色である。そして、《亜竜》の特色は、攻撃に関する効果のモンスターが多いことだ。破壊力では《悪魔》に劣るが、攻撃力そのものは《亜竜》が全種族で最高だと言われている。


《亜竜》のカードのモチーフは爬虫類であり、中でも「恐竜」をイメージされたものは人気が高い。岩倉悟もその魅力に魅せられた一人というわけだ。


「トリガーをセット。バトルステップに移行。【スターレッド】で攻撃!」

「ライフで受けるぜ!」


 悟 ライフ5→4 エナジー3→4


「ターンエンドだ」


 栄治 エナジー4 手札4 ライフ5 トリガー1 フィールド【スターレッド】


「俺のターンだ」


 悟 エナジー4→5 手札4→5


「俺は【ラッシュ・ドロー】を発動するぜ」


【ラッシュ・ドロー】

「コスト」3「種族」サポート

「効果」①デッキから2枚ドローする。


 悟 手札4→6


「追加で【チビラプトル】を召喚だ」


【チビラプトル】

「コスト」2「種族」《亜竜》「PW」0+

「効果」①このモンスターは、PWが0の時、攻撃できない。②このモンスターのPWは、フィールド上の他の《亜竜》1体につき+500される。


 召喚されたのは、小型の恐竜。子猫ほどの大きさしかないが、これでも立派な肉食恐竜である。


「バトルステップだ。【プロトケラウス】で【スターレッド】を攻撃するぜ!」

「このタイミングでトリガー発動、【ビルドアップ】!」


【ビルドアップ】

「コスト」3「種族」サポート

「効果」①トリガー(相手の攻撃宣言)。②このターン、自分のモンスター1体のPWを+1000する。


「【スターレッド】のPWを+1000だ」


 サポート効果でPW2000となった【スターレッド】に対して、【プロトケラウス】はPW1500である。見事に返り討ちとなってしまった。


 しかも、それだけではない。【チビラプトル】は自身の効果によって、味方の《亜竜》がいなければ攻撃が出来ない。よって、悟はこのターンで攻撃することが出来ない。


「ターンエンドだぜ」


 悟 エナジー5 手札5 ライフ4 トリガー1 フィールド【チビラプトル】


「俺のターンだ」


 栄治 エナジー4→5 手札4→5


「俺は手札から【スターグリーン】を召喚」


【スターグリーン】

「コスト」5「種族」《戦士》「PW」1000

「効果」①このモンスターの破壊時、デッキからPW1000以下の【スター】と名前にあるモンスター1体を特殊召喚できる。その後、デッキをシャッフルする。


「バトルステップ、【スターレッド】で攻撃!」

「ライフで受けるぜ」


 悟 ライフ4→3 エナジー5→6


「ターンエンドだ」


 栄治 エナジー5 手札4 ライフ5 トリガー0 フィールド【スターレッド】、【スターグリーン】


「俺のターンだ」


 エナジー6→7 手札5→6


「【アーマーサウルス】を召喚するぜ!」


【アーマーサウルス】

「コスト」4「種族」《亜竜》「PW」1500+

「効果」①自分のアタックステップ、このモンスターのPWは+1000される。


 その名の通り、全身甲冑の恐竜が召喚された。四足歩行と小さな頭、背中にある数枚の板のような部位から察するに、モチーフはステゴサウルスだろう。


「更に、2体目の【プロトケラウス】を召喚して、トリガーをセット。バトルステップだ! 【アーマーサウルス】で【スターレッド】を攻撃するぜ!」

「【スターグリーン】で防御!」


 甲冑恐竜の突進に、星の戦士はみっともないくらい吹っ飛んだ。だが、緑の星の戦士はただで死ぬほど安くはない。


「【スターグリーン】の破壊時効果により、デッキから2体目の【スターグリーン】を特殊召喚する!」


 その瞬間、悟は待っていたとばかりに笑んだ。


「その特殊召喚、もらった! 【進化の火】をトリガーで発動するぜ!」


【進化の火】

「コスト」4「種族」サポート

「効果」①トリガー(相手モンスターの特殊召喚)。②自分モンスター1体を破壊する。その後、自分はデッキの上から4枚を表向きにする。その中から破壊したモンスターよりコストの高い《亜竜》1体を特殊召喚する。それ以外は墓地に送る。


「【チビラプトル】を破壊! デッキの上から4枚をオープンする!」


【チビラプトル】、【アーマーサウルス】、【進化の火】、【ティラノ・レックス】


「破壊した【チビラプトル】のコストは2! それより高いコストのモンスターを特殊召喚だぁ!」


 カードから溢れる重圧。それもそのはずだ。この恐竜のコストは7であり、この数字が意味するのは上級クラスの証明なのだから。


「見ろ、これぞ太古の暴君! 吠えろ、【ティラノ・レックス】!」


【ティラノ・レックス】

「コスト」7「種族」《亜竜》「PW」3000

「効果」①自分のバトルステップ、このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、このモンスターはスタンドする。


 召喚されたのは、真紅の恐竜。人類の先祖が木陰に怯えるように生きていた時代、我が物顔で大地を歩き、現世にて『暴君』と呼ばれる生命体。その名に相応しい王者の風格がそこにあった。


「【ティラノ・レックス】で【スターレッド】を攻撃だ!」

「無駄だ! 【スターグリーン】で防御!」


 暴君の名を冠する爬虫類は、星の戦士を一瞬で飲み干した。だが、暴君の腹の虫が戦士一人で賄えるはずもない。


「無駄? それはこちらの台詞だ。だって、【ティラノ・レックス】は戦闘で相手モンスターを破壊した時、スタンドするんだからな!」


 爬虫類の暴君は再度立ち上がり、口から涎を垂らして、餌を探す。


「くっ! だけど、【スターグリーン】の効果でデッキからデッキから【スターイエロー】を特殊召喚! その効果によって、墓地の【スターグリーン】を手札に戻す!」


【スターイエロー】

「コスト」3「種族」《戦士》「PW」1000

「効果」①このモンスターの召喚時・特殊召喚時、墓地の【スター】と名前にあるモンスター1体を手札に戻す。


 栄治 手札4→5


「【ティラノ・レックス】はスタンドする! 今度こそ【スターレッド】を攻撃させてもらうぜ!」


 今度こそ捕食された赤き星の戦士。


「三度、【ティラノ・レックス】はスタンド。【プロトケラウス】と【アーマーサウルス】でライフを攻撃だ!」

「受ける」


 栄治 ライフ5→3 エナジー5→7


「本当なら【ティラノ・レックス】でもライフを攻撃したいんだが、がら空きってのも無用心だからな。ターンエンドだ」


 悟 エナジー7 手札3 ライフ3 トリガー1 フィールド【アーマーサウルス】、【ティラノ・レックス】、【プロトケラウス】


「俺のターン!」


 エナジー7→8 手札5→6


「……俺は【スターブルー】と【スターグリーン】を召喚!」


【スターブルー】

「コスト」3「種族」《戦士》「PW」1000+

「効果」①相手のアタックステップ時、このモンスターのPWは+1000される。


「【スターイエロー】、【スターグリーン】、【スターブルー】の3体を墓地に送ることで、ゲートから【スターシグナル】を特殊召喚!」


【スターシグナル】

「コスト」7「種族」《戦士》「PW」3000+

「効果」①自分のメインステップ、自分フィールドの【スター】と名のつくモンスター3体を墓地に送ることで、このモンスターをゲートから特殊召喚できる。②このモンスターのPWは、フィールドの【スター】と名のつくモンスター1体につき+500される。③このモンスターの戦闘時、相手モンスターを戦闘で破壊した場合、このモンスターはスタンドする。


「その特殊召喚に対して、2枚めの【進化の火】を発動する! 破壊するのは【プロトケラウス】! デッキから4枚をオープン!」


【ラッシュ・ドロー】、【アーマーサウルス】、【スピア・プテラ】、【チビラプトル】


「俺は【アーマーサウルス】を特殊召喚!」


 単純にモンスターが強くなったというだけではなく、スリープ状態だったモンスターが防御可能なスタンド状態のモンスターに変わったとも言える。特に、【スターシグナル】に戦闘破壊される前に交代が出来たことは大きい。


「やるな。トリガーをセットして、バトルステップだ。【スターシグナル】でスリープ状態の【アーマーサウルス】を攻撃!」

「通すぜ」


 武装恐竜を倒した後、星の大戦士は再び立ち上がった。この戦士は、破壊されるかライフを破壊するまで止まらない。


 しかし、栄治はここで攻撃を止める。先程の悟ではないが、防御できるモンスターがいない状況というのも危険だ。焦ることはない。【スターシグナル】を超えるPWのモンスターなど簡単に召喚できるわけではないし、仮に召喚されても戦闘を避ければいいだけの話だ。次のターンに【スター】シリーズを召喚すれば【スターシグナル】のPWも上がるのだから。


「ターンエンド」


 栄治 エナジー8 手札3 ライフ3 トリガー1 フィールド【スターシグナル】


「デカいのが来て危機一髪って感じか? だが、俺はそれを一発逆転してやるぜ! 俺のターンだ!」


 悟 エナジー7→8 手札3→4


「俺は【アーマーサウルス】をコストに超召喚、【ボンバー・パキケファロ】!」


【ボンバー・パキケファロ】

「コスト」6・コスト4以上の《亜竜》「種族」《亜竜》「PW」4000

「効果」①このモンスターの攻撃時、このモンスターよりPWの低いモンスター1体を破壊できる。


 装甲を破って登場したのは、石頭を持つ恐竜。爆弾を彷彿とさせる危険なオーラを纏っている。だが、まだ終わらない。


「更に、手札から【スピア・プテラ】の効果を【ボンバー・パキケファロ】に対して使用するぜ」


【スピア・プテラ】

「コスト」3「種族」《亜竜》「PW」1000

「効果」①自分のメインステップ時、このカードを手札から墓地に送ることで発動できる。このターン、自分の《亜竜》1体のPWを+1000する。


「これで【ボンバー・パキケファロ】のPWは【スターシグナル】を超えた。トリガーをセットして、バトルステップだぜ! 【ボンバー・パキケファロ】でライフへ攻撃、攻撃時に効果を発動するぜ!」

「くっ! 【スターシグナル】が!」


 栄治にとって切り札である星の大戦士であったが、強化された石頭竜の一撃で粉砕されてしまった。これでは栄治は丸腰だ。


「効果で破壊しただけで、ライフへの攻撃は終わってねえぞ!」

「ライフで受ける」

「【ティラノ・レックス】で攻撃!」

「攻撃重視の《亜竜》だ。こっちの場ががら空きになればそう来ると思っていたよ。それもライフで受ける!」


 栄治 ライフ3→1 エナジー8→10


「そして、トリガー発動! 【リベンジ。ドロー】!」


【リベンジ・ドロー】

「コスト」4「種族」サポート 

「効果」①トリガー(自分のライフが3以下となる)。②このターン中、減少したライフ1つにつき2枚ドローする。③このターン中、破壊された自分のモンスター1体につき1枚ドローする。


「モンスター1体、ライフ2つで5枚ドローだ!」


 栄治 手札3→8


「手札が増えたみたいだけど、次のターン、お前のエナジーで召喚できるモンスターは3体ってことだろ。ライフの数と同じだが、トリガーがある状態で攻撃できるならやってみろよ。ターンエンドだ」


 悟 エナジー8 手札2 ライフ3 トリガー1 フィールド【ティラノ・レックス】、【ボンバー・パキケファロ】


「俺のターン」


 栄治 エナジー10→11 手札8→9


「ん? この手札なら……岩倉」

「あん? 何だよ、降伏サレンダーか?」

「いや、先に言っておく。このターンで終わらせてもらう」

「は?」


 予想外の言葉に、悟は怪訝そうにする。当然だ。レジェンドロワイヤルはライフを1つずつ破壊するという形式のため、モンスター同士の戦闘ならともかくプレイヤーの勝敗によるオーバーキルは発生しにくい。一度の攻撃で複数のライフを破壊する効果は存在するが、【スター】シリーズには存在しなかったはずだ。


「まず、【スターホワイト】を召喚して、【隕石の環】を発動。手札から【スターブラック】を特殊召喚」


【スターホワイト】

「コスト」3「種族」《戦士》「PW」1000

「効果」①自分のメインステップに1度、自分の墓地から【スター】と名前のつくモンスター1体を選択する。このターン、このモンスターは選択したモンスターと同名モンスターとして扱う。


【隕石の環】

「コスト」4「種族」サポート

「効果」①自分のメインステップ、モンスター1体を破壊することで、このサポートを手札から特殊発動できる。②手札からコスト5以下の【スター】と名前につくモンスターを特殊召喚する。


【スターブラック】

「コスト」5「種族」《戦士》「PW」2500

「効果」×


「うん? 何でこのタイミングでそんなモンスターを?」


 栄治が掲げるのは、銀河の光。


「回れ、天の星々よ! 降臨、【ギャラクシードラゴン】!」


【ギャラクシードラゴン】

「コスト」6「種族」《豪龍》「PW」2500+

「効果」①このモンスターのPWは、自分の墓地に存在するモンスター1体につき+500される。


 召喚されたのは、銀河の龍。眩いばかりの光翼を広げる白銀の異形。宇宙を幻視するような神秘的な容貌をしている。


「俺の墓地のモンスターは7体! 【ギャラクシードラゴン】の現在のPWは6000だ!」

「はあ!?」


 その途方もない数字に、悟は目をむく。4000で攻撃力が十分高いと言われるレジェンドロワイヤルにおいてはありえない数値だ。攻撃重視である《亜竜》ですらその攻撃力を得るためには複数のカード効果を重複しなければならない。


 だが、この龍は自らの能力だけでその超攻撃力を実現しているのだ。ただ墓地のモンスターが多いという下準備だけで。レジェンドロワイヤルボードのホログラム装置も、通常のモンスターよりも巨大かつ鮮麗な立体映像を発生していた。


 幻想的に美しい龍を見てテンションを上げる人間は、対戦相手である岩倉悟だけではなく、二人の対戦を眺めていたギャラリーもざわついていた。銀河の龍はそれだけのカードなのだ。特に声を張り上げていたのは、少し離れた所で見ていた古林後楽だった。


「なんと! 【ギャラクシードラゴン】とは……。超レアカードではありませんか! そのようなカードを持っていたとは……」

「ええ、師匠みたいな人からの貰い物ですけど」

「今すぐ自分によこすのですぞ! 空津のような雑魚よりも自分のような最強が使った方が、カードのためというものですぞ!」

「寝言は俺に勝ってから言ってください」

「ぐぬぬん! ではこの大会で優勝して証明してみせますぞ、自分こそが最強のレジェロワプレイヤーであると!」


 周囲の視線が後楽に集まる。それはどれも奇異の視線だった。しかし、多くは数秒見ただけで離れていった。関わりたくないとばかりに。


「なんか、大変だな」

「言ってくれるな。恥ずかしい」


 現在、栄治の心情の割合は、気疲れや苛立ち以上に羞恥が勝る。部長の妄言には慣れた。だが、第三者からアレの関係者だと思われるのは耐え難い屈辱だった。だが、そんな栄治の苦渋など理解する素振りを見せず、奇異の視線を向けられているはずの本人はなぜか誇らしげだった。


「ふはははは! これほどファンに見つめられるとは、全く照れてしまいますな! 矮小な人間ならば萎縮してしまうでしょうが、自分は寛大な人間ですので、許しますぞ! 有り難く褒め称えるといいですぞ! さあ、サインを書くので恥ずかしがらずにこっちに来るといいですぞ! カードの献上も許しますぞ!」


 だが、周囲の誰もが後楽から視線を外す。嫌なものを見たとばかりに苦い顔をしている者ばかりだ。足早に去っていく。


「……どうしたのですぞ。世界で最も偉大なる偉人、古林後楽にカードを献上するという誉に預かれると言っているのですから、さっさとカードを寄越すのですぞ! この雑魚ども!」


 そんなことを大声で喚き散らす後楽を指差して、悟は栄治と顔を合わせる。その目に宿っているのは侮蔑ではなく、困惑だった。より正確には、嫌悪と忌避もある。


「なあ、あいつマジで何言ってんの?」

「ああ。どうもあの野郎の頭の中では自分が世界で一番偉いってことになっているらしい」

「はい?」


 理解できないといった表情だ。首を傾げて、唖然としている。まだ「自分が求める前に献上するというのが雑魚たるお前達に与えられた最高の栄誉だというのになぜ渡さないのですぞおお!」と言っている後楽を一度見て、視線から外す。その後、しばらく眉間を押さえた。


「どうしたよ、空津。さっさと続けろよ。てめえのターンだぞ」


 どうやら完全に意識から外すことにしたようだ。この様子だと、記憶から抹消することも決定したのだろう。羨ましい限りだ。大会以外では出会わないであろう悟と違って、栄治は学校に行く度に出会うのだから。


「……ああ、そうだな。ゲームを再開しよう」


 そうは言っても、栄治


「トリガーをセット。バトルステップ! 【ギャラクシードラゴン】で【ティラノ・レックス】を攻撃!」

「何?」


 ここで悟が疑問を感じたのは、栄治がライフではなくモンスターを攻撃したからだ。このターンで終わらせると宣言したにも関わらず、ライフを攻撃しなかった。もっと言えば、【ギャラクシードラゴン】1体でどうやってライフ3つを破壊しきるのか。


 ただのプレイミスかと考えつつもここで悟が発動できる効果はない。そのまま通すしかないと悟が判断した瞬間、栄治は宣言する。


「トリガー発動、【ダイナミック・ステップ】!」


【ダイナミックステップ】

「コスト」5「種族」サポート

「効果」①トリガー(相手のコスト6以上のモンスターへの攻撃時)。②自分のモンスター1体を選択する。そのモンスターが相手モンスターを戦闘によって破壊した時、選択したモンスターと破壊したモンスターのPWの差が1000につき相手のライフを1つ破壊する。②このカードを使用したターン、自分は1度しか攻撃できない。


「【ギャラクシードラゴン】と【ティラノ・レックス】のPW差は3000! よって、ライフを3つ破壊する!」

「はあ!? そんなのありかよ! だって俺のライフは……」

「ああ、残っているライフは全部もらう!」


 悟 ライフ3→0





 栄治の勝利でゲームが終わると同時に、岩倉悟は栄治の鼻先に指を突きつける。負けたばかりだというのに、その目には明確な戦意が宿っていた。


「ちっ。【ダイナミック・ステップ】なんて産廃カードの代表格じゃねえか。【デスミラー】に次ぐぞ」


 一見すると強力なカードに思える【ダイナミック・ステップ】だが、実際は使い勝手が悪い。本来のコストは重いため、トリガーとして発動するしかない。しかし、『コスト6以上へのモンスターの攻撃』というのが曲者なのだ。コスト6以上ということは、単純にPWは3000以上である。そんなモンスターに1000単位でPW差をつけなければ効果は発動しない。そして、『攻撃』した時に効果が発動されるため、相手もトリガーで対処しやすいのだ。早い話、実は決まりづらいカードなのだ。おまけに、発動したターンはそれ以上の攻撃が出来ない。発動を失敗した場合のリスクが高いということだ。


 栄治自身、【ギャラクシードラゴン】がいなければデッキに投入していないカードだろう。逆に言えば、ほぼ無限にPWが上昇できる【ギャラクシードラゴン】との相性は抜群だ。極端なことを言えば、相手のライフが5であろうと一発逆転も出来る。


(それを差し引いても、【デスミラー】はそれ以上の欠陥品なんだよな。本当、チアキは何であんなカードを使っているんだか。……デッキに入っているだけで使った瞬間見たことないけど)


「【隕石の環】で【スターホワイト】を破壊したのは、墓地を増やすためか。なるほどな」

「ちなみに、あのトリガーは?」

「ありゃ【リベンジ・ドロー】だよ。ちくしょう。どうにか発動して耐えれば、俺の勝ちだったのによ」


 確かに、栄治が数で押し切ろうとモンスターを複数召喚すれば、スター


「でも、あのタイミングで【ギャラクシードラゴン】と【ダイナミック・ステップ】のコンボとか鬼畜過ぎるだろう」


 やがて、悟は何かを決したようにしきりに頷いて、栄治に対して右の握り拳を突き出した。肉体労働でもしているのか、生傷や肉刺が目立つ手だった。


「……決めた。この敗北は百倍にして返す。いいか? 次に俺と戦う時まで、誰にも負けるんじゃねえぞ!」


 栄治が何のことか理解する前に、「覚えてやがれー!」と定番の台詞を吐きながら走り去っていく悟。その様子に栄治は呆然とするしかなかった。


 随分と一方的にライバル認定されたが、不快感はなかった。遠まわしに優勝しろと言われたからだろうか。古林後楽に慣れ過ぎたのかもしれない。いや、岩倉悟の人格によるものが大きいだろう。口調は荒いが、気立てはいいようだった。攻撃に特化した猪突猛進な《亜竜》らしいデッキ。


 また次回の大会で逢うことになるだろう。


「まあ、何事も合縁奇縁か。まあ、レジェロワをしているのも縁と言えば縁か……」


 栄治が物思いに耽り、意識をそれほど遠くはない昔に向けようとした瞬間だった。彼を呼ぶ声が響く。大きな声ではあったが、小さな声で呼ばれようと栄治は気付いただろう。何故なら、その声の主と栄治はずっと会いたかったのだから。


「あー! いたいた! おーい、栄治ー!」


 そこにいたのは、垢抜けた美少女。薄い桜色のワンピースが似合っている。細くて白い手を振りながら、天真爛漫を絵に描いたような笑顔を浮かべている。


「ま、蒔菜?」


 どこか自信なさげに栄治は少女の名前を口にする。それに対して、少女はハイテンションに反応した。


「そうだよ、YOU! 板村蒔菜ちゃんだYO!」

「何でラッパー風?」

「気分KANA!」

「それは何か違わなくないか……?」

「え、そう? うーん、じゃあやめようか」


 うんうんとしきりに頷く蒔菜。


「ちょっとした用事でこの町に戻ってきてね。折角だから、栄治やチアキに会っておこうって話になって。前々から大会に出るって言っていたから、ここに来たの。そして、こうして再会したわけですよ」

「な、なるほど……。いや、昨日も電話したんだから言ってくれればいいのに」

「サプライズです!」

「あー、いや、確かに驚いたし、嬉しかったけどさ……」


 あまりの事態に精神がついてこないというのが正論だ。栄治は元々予想外の出来事に強い方ではない。レジェンドロワイヤルのプレイングなら反応できなくもないが、コミュニケーションとしての会話は訳が違う。


「どうやら一回戦は勝てたみたいだね」

「まあね。今回は優勝狙いだからさ。蒔菜にも広樹さんにもいい報告をしたかったし」

「へえ? そいつは嬉しいね」


 言葉の通り、顔に喜悦を浮かべる蒔菜。見ていてこちらも笑ってしまいそうな、綺麗な笑顔だった。


「やっぱり、蒔菜は笑っていた方がいいね」

「え?」

「あ、いやさ。夢で君が泣いていた夢を見てさ……」


 そこから先を言おうとして、栄治は言葉を止める。強烈な違和感を覚えたからだ。確かに泣いている少女の夢を見た。だが、その少女は蒔菜だっただろうか。顔は見えなかったというか、分からなかったはずだ。だが、あれは蒔菜だったと奇妙な確信があった。自分でも説明できないが。


「……そっか」


 栄治の夢について追及することもなく、蒔菜はただ微笑んだ。先程の太陽のような笑顔とは違う、どこか神秘的な泉のような微笑みだった。


「じゃあ私、帰るね」

「え、もう?」

「ついでだって言ったじゃん。まあ、またすぐに逢えるよ。大会、結果が出たら教えてね。お兄ちゃんと一緒に楽しみにしているから!」

「あ、うん、了解」

「しーゆーあげいん!」


 棒読みの英語で別れを告げると、蒔菜は嵐のように去っていた。走り去る蒔菜の背中を見つめながら、栄治は明確なときめきを感じていた。


「いやあ、しばらく見ない間にまた別嬪さんになっていたね」


 突然の声に我に返った栄治が横を見ると、智明がいた。いつからそこに立っていたのか全く分からなかった。


「高嶺の花ってのはああいう子のことなんだろうねえ」

「だな。なんか遠いよ」

「じゃあ頑張れや」

「だな」


 この大会で優勝した理由が、また一つ増えた。


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