ノッキンウィル5
「で、こっちがかっちゃん。斎藤和哉でかっちゃんだ」
「聞かないねぇ人の話!」
さっきからずっと近くにいて仲間になりたそうにこっちを見ていたかっちゃんを呼ぶ。
「おぉおぉ、寂しかったかい?」
「うるさいよ?…やめろっての」
軽くスキンシップでからかってると
「おい、メシアが召喚されるからやめ…いや、なんでも…」
シュウはなんかゴニョゴニョ言ってる。言いたいことを抑える性格か。なるほろなるほろ。スキンシップしたいなら言ってくれればいいのにん……。ではこちらからアクションしてゆこう。
おもむろにシュウの手を取って握手。
「……っ!」
「こんな感じでよろしく」
「どんな感じだよ」
シュウはちょっとびびった様子だったけど握り返してくれた。
ひんやり冷たかった。
午前の部活動と生活指導を含めたオリエンテーションが終わり、教室に戻ってくると早速シュウの机に集まりどこを見学するかトーキング。
「で、どこ行く?今日はとりあえず漫研と美術部だけど」
「確定事項?!あ、漫研あるなら、まぁ…」
「こいつさ、生活指導の時に挙げられた落書き騒動の犯人なんだ。いちおうどっかで謝るよう先生に言われてんだ」
「あー、あの下手くそな……」
「ひどいっ!?」
ニコちゃんマーク。自分で言うのもなんだけど、あんな丸描いてチョンチョンの簡単な絵に上手い下手もないと思うけど、シュウは厳しいなぁ…。
「(僕ならバレずにやる)…」
「ん?ごめんなんて?」
シュウはちょっとボソボソしゃべるから周囲の声に負けて聴けない時がある。
「『もっと凝ったの描けばよかった』と言った」
おぅ、そっちがいける口かい?いいねえ。
「おい…」
「アハハ、例えば例えば?」
「え、………ん~……AA?」
「ん?」
「なにそれ?」
知らない英単語が出てきタコス。
「知らない?美味しいぞ。ネット掲示板で記号使って絵を描くんだ」
「へぇ×7」
「へぇ×11」
かっちゃんと二人して机にある見えないボタンを押す。
「メールとかなら顔文字使うもんだけど、同じように改行して6、7行くらいを軽く使ってかかれるから圧巻だね」
「+へぇ×2」
「+へぇ×6」
しかし流暢によくしゃべるなぁ、シュウ。目もけっこうランランだ。




