ノッキンウィル19
「ん…」
「え…」
そして、コインをかっちゃんに渡す 。
「俺もかよ…」
とか言いながら早速構える。
「この方が楽しいじゃん?」
「えー…じゃ、(表で)部活(続ける)」
ピーーン……パシッ。
結果は表。ありゃー。
「ほい、続行」
「えー」
ま、これ自体が遊びだし、いいけど。
そだな、二人が続けるならしょうがないし、続行するかぁ。
かっちゃんがシュウにコインを差し出す。
「……やるの?」
「「………」…こういう奴だ、つきあってやってくれ」
かっちゃんのダメ押しでしぶしぶコインを受けとる。
しかし、しばらくシュウは興味深そうにコインを眺める。
「これさ、なんか…すごいな」
お、お目が高い。
コインは文字も絵も何も潰れてて真ん中に三角の穴が空いてるだけ。昔の貨幣みたいなのは四角の穴が空いてるのは知ってるけど、これは三角だ。
「(顔刻んだのは)自分で?」「うん」
「よくこんなに…すり減るもんなの?」
「まぁ、貰った時からけっこうそんなだったよ?」
「ゲーセン……とかじゃなく?」
「そ、貰い物。昔友達と遊んで。記念に、て。名前とか忘れちってもう会ってない。貰ってすぐに顔描いちった」
「もったいな…まぁ、1枚じゃ値も知れてるか……僕も部活……よっ!」
ピーーー………ン
さて、確率は2分の1。ごまかしなし。
ィィィ…………ペツッ…ッカーーン!
「あ…」「お?」「げ…」
コインを取ろうとした手は見事にぺチッて真横に飛ばし、傍の机の角にあたった。そして、跳ね返ったコインはなんとビシッと座ってた女子のほっぺにぶつかった。
カラララララ……ン。
音が止むまでしっかりその子はさっきやったテストの残りの書き取りを静かに埋めてたけれど、鳴り終わってようやくこちらを向いた。
「………………………………」
「…………」「…………」「…………」
怖い。超怖い。怒ってる。超怒ってる。
…………。
あ、コインは(`Δ´)だね……。…………。
「…………(ちょい)」
「…………あ、ご、ゴメン」
かっちゃんに小突かれてようやく謝るに至るシュウ。
コイントスの結果にしても運がないねー。
「………(ペシ)」
コインをぶつけられた女の子は何も言わずにコインを机に置いて返してくれた。そして、プリントやかばんを持って二席離れたとこに座り直してしまった。
「………」「………」「……」
「で、じゃあぼくはこれで」
「ほんとに帰んのかよ」
「いや、校舎見学するよ。かばん置いてく~。この時間帯、どこがどうなってんのかまだまだ知らないし」
僕はシュウを見る。
「………何?」
「いや、どうするのかな、て。正直どっちでもいい」
コインは裏目。けど、占いで悪かろうが良かろうが行動なんてそうそう変える?
「…………」
そしてチラリと、シュウはさっきの子を見た。
「出る」
いやっほーい♪




