63話:終焉―終わりの始まり
その頃、朱野宮家の屋敷下。大空洞。そこには、社があった。黒いローブを被った男と中年くらいの男がいる。中年の男の身体は、屈強に鍛え上げられ、傭兵を彷彿とさせる。そう、《神道》と呼ばれる男だ。この社への侵入方法は、二つ。朱野宮の隠し階段を使う正当な道と、隠し穴を通る道。しかし、隠し穴はすでに閉じられている。よって、ここへの侵入は、朱野宮家の人間しか出来ない。一般人は愚か、《PP》すら侵入は出来ないだろう。
「さて、これで、我々の計画は、成功するだろう。後は、奴等に、発表するだけだ。《神道》」
《神道》は、一通のメールを送信する。
『さあ、終焉の時は来た。我ら《死の結晶》が、全てを終わらせる。《焉》』
メール送信後、《PP》。
「このメールは……」
《PP》の管理を勤める人々が会議を開いていた。しかし、会議は、同じ事を繰り返すだけの、無意味なもの。そこに、ある女性が乗り込んできた。
「《PP》、《指揮官》クラスの小向匡子よ。この話、私に指示件をもらえませんか」
周りの反応は、明らかだった。
「《指揮官》クラスが何故ここまで来れたかは知らんが、低脳な奴に任せるわけには……」
そういいかけたところで、最高管理者と思われる男が口を開く。
「黙らんか」
その一言で、全員口を閉じる。そして、最高管理者は続ける。
「小向、貴様が、指揮を執るというのか」
「ええ」
簡潔に答える。
「そうか。お前なら、問題ない。任せよう」
「か、管理長?!何をおっしゃっているんですか?!《指揮官》の小娘に任せるなど……」
一人が声を荒げる。しかし、最高管理者は睨むように、見る。
「彼女は、本来、私の位置に立っている人間だ。私の言っていることに不服だと言うのなら、ここにいる価値はないが」
「し、失礼しました」
話はついたようだ。匡子は部屋を出て行った。
とある部屋。そこには、四人の女が居た。小向匡子、姫野咲耶、姫野飛鳥、東雲紀乃の四人だ。
「話を整理するわ。よく聞いて」
匡子が、大声で話す。
「今《PP》に居る中で、最も腕が立つのは貴方達と私よ。《幹部》三人のうち二人がいないけど、同等のが二人居るから問題はないはず。例のメールが送信された場所は、朱野宮家。ここは、警備が厳しくて、侵入は難しい。でも、入らざる負えないわ。敵かもしれない相手に許可も取れないし、厳重警戒で侵入を試みるわ」
こうして、朱野宮侵入作戦が開始されたのだった。




