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Si Vis Pacem, Para Bellum  作者: 黒桃姫
朱野宮家編
33/73

31話:S事件―屋敷

 朱野宮家の屋敷は、兎に角広かった。まさにお金持ちの家と言った風貌の西洋風の屋敷。屋敷に足を踏み入れると、あちらこちらに、侵入者用の仕掛けがしてあり、俺も、事前に、指紋、声紋、網膜などを採取された。もう登録済みだから、安心だが、登録していなかったら、《幹部》クラスでも、太刀打ちできないほどの侵入者対策だ。

「それでは、ここが私の部屋ですので。信也さんは、お隣の護衛部屋を使ってください」


 護衛部屋という部屋は、名前に反して、綺麗で広い部屋だった。しかし、何もかもが急だったためか、まだ、前の護衛たちの私物が残っている。私物といっても、護衛のときにきていたと思われる黒のスーツが数着と携帯電話だけ。ん?携帯電話?何故、携帯電話が部屋にあるのだろうか。車が襲撃ということと、この屋敷の侵入者対策を考えれば、襲われたのは外でのこと予想はつく。それなのに携帯電話が部屋にあるのはおかしい。隠蔽事件でも、重要な所持品は返されないはず。少し調べてみるか。そう思い、携帯電話を開く。ロックはかかっておらず、普通に閲覧できる。通話履歴を覗くとそこには《影》という表示。《影》という人物は、誰なのだろうか。その人物がこの件に深く関わっている気がしてならない。念のために、この携帯電話は、《PP》に送ってこう。


 俺は、匡子先輩に持ってくるように頼んでいた制服、スマートフォンを受け取った。明日からは、ここから学園にいくので、制服がないと困るのだ。スマートフォンは、持っていない間に、誰かから連絡がきたら困るから。朱野宮家側は、制服を用意すると申し出てきたのだが、俺は、それを丁重にお断りしたのだ。


 さて、明日からの学園生活だが、幸いなことに、俺の知り合いに三年生はいない。なので、三年の教室で護衛するときに、知り合いに絡まれることはないのだが、噂はすぐに広まるだろう。そうしたら、クラスメイトが来る可能性が高まる。その点をどうするのかだが、俺は、学園側に取り計らってもらい、授業に参加せずに、廊下待機できるようにしてもらった。休み時間は、直接会って護衛するとして、授業中は、廊下で、見張ることにしたのだ。休み時間に下級生が尋ねてくる分には、三年生から、変な噂が立つこともないだろう。


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